ビゴ・モーテンセン、“自殺行為”を省みずスペインに行った理由は?
2008年12月12日 12:00

[映画.com ニュース] 「ロード・オブ・ザ・リング」「イースタン・プロミス」のビゴ・モーテンセンが、スペインの英雄に扮した映画「アラトリステ」(アグスティン・ディアス・ヤネス監督)が12月13日から日本公開となる。本作のPRのために来日したビゴ・モーテンセンに話を聞いた。
本作は、17世紀のスペインを舞台に、史実を織り交ぜた物語の中で架空の戦士アラトリステの愛と戦いの日々が綴られる歴史アクション大作。国民的英雄を描いたスペインの大作に出演したことについて、ビゴはこう語る。「なぜ僕にオファーが来たのかは分からない。たまたま僕がスペイン語を話せるからかもしれないし、ビジネス的な理由で選ばれたのかもしれない。『ロード・オブ・ザ・リング』で運良くスターになった僕を主役に起用することで、資金が集まることもあるだろうからね。でも僕にとっては、その作品が魅力的かどうかが大事。この『アラトリステ』にはストーリー、キャラクター、テーマ、そして多くを学べる点があったから出演を決めたんだ。スペイン映画史上最大の大作でスペイン人の英雄を演じることはちょっと怖かったけど、とてもやりがいのある仕事だったよ」
だが、ハリウッドではビゴのスペイン映画への出演を“自殺行為”だと言う人もいたという。「あるハリウッドのビジネスマンで『なんで、今のこの時期にスペインなんかに行くんだ? 人気があるんだからハリウッドの大作に出るべきだ。もっと稼いで人気者になれ』と言う人がいたんだ。彼の視点では僕は完全に狂っているのかもしれないけど、僕の視点では、ものすごくいい経験をしたし、多くを学べた。友人もたくさん出来たし、これから先も誇りに思える特別な作品に出たと思っているんだ」
ロシアンマフィアに扮した前作「イースタン・プロミス」では体当たりの演技が評価され、アカデミー主演男優賞にノミネートされるなど、まさにキャリアの絶頂期を迎えているビゴだが、今は“何もしない”時間が何よりも欲しいのだとか。「コーマック・マッカーシー原作の『ザ・ロード』(09年公開予定)には出たけど、他の作品はかなり断っているんだ。『なんで、オスカーノミネートのあとでこんな映画を断るんだ? お前は本当にクレイジーだ』ってまたハリウッドの人間たちからは言われたけど(笑)、今はとにかく“何もしない”時間が欲しい。少しの間、映画から離れたいんだ。そしてちょっと落ち着いた後に十分に準備してから監督作を撮りたいと思ってるんだよ。映画にしたいストーリーは持っているからね」
これまで数々の名監督たちと仕事をしてきたビゴだが、最も影響を受けているのは、やはりデビッド・クローネンバーグだという。「彼はとても知的で、ユーモアのセンスもある。プレッシャーがあって時間がないと人間の本性が現れるけど、彼はどんな時でも紳士なんだよ。彼ほど共同作業を心得ている監督はいないね。実はこの『アラトリステ』のヤネス監督もデビッドと似たタイプでブラックユーモアが大好きなんだ。彼らのような監督は、スタッフ・キャストに“監督のためにもっと頑張らなくては”という気持ちにさせてくれるので、きっと映像にそれが表れていると思うよ」
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