最高齢96歳の新藤兼人監督が現役宣言!「花は散れども」初日
2008年9月29日 12:00
[映画.com ニュース] 現在96歳という日本最高齢の映画監督、新藤兼人の最新作「石内尋常高等小学校 花は散れども」が9月27日に初日を迎え、東京・有楽町のシネカノン有楽町1丁目で、新藤監督、主演の柄本明、共演の豊川悦司、六平直政、川上麻衣子、大竹しのぶが舞台挨拶を行った。
同作は、新藤監督の人生に大きな影響を与えた小学校時代の恩師との実話エピソードを中心に、故郷・広島での少年時代から同級生との波瀾万丈な恋愛を経て、脚本家として自立するまでを描いた自伝的青春映画。
新藤組に初参加し、若き日の監督を演じた豊川は、「大御所なので緊張しました。映画界でいう“ヤクザの親分”みたいな存在じゃないですか」と笑いを取りつつ、「監督の柔軟な演出についていこうと思いました」とコメント。
一方、新藤監督は腰を痛めていたため車椅子で撮影にのぞんだが、「ハンデもあったが、全体を客観的に見ることができたのは初めてのこと」と意外な新発見を明かし、「この映画がうまくいくか、いかないかに今後(映画を撮ることができるか)の運命がかかっている。よろしくお願いします」とPR。“生涯現役宣言”に会場からは拍手が沸き起こった。
また、キャスト陣からは、「監督が高齢のため、撮影は15時から16時には終了し、その後はみんなで飲みに行った」(柄本)、「本当に同級生といるみたいだった。撮影時間より食事時間の方が長かった」(大竹)、「飲み会のリーダーは大竹さん」(六平)など、楽しげな舞台裏エピソードが続々と披露された。
監督は「撮影が早く終わったのは、みなさんが1つ言えば100、分かってくれるような素晴らしい俳優さんだったから。僕は監督としてそれぞれの個性を研究して、いいところを引き出していきました」と振り返り、最後に「映画を撮るということは人生を生きること」とメッセージを送ると、キャストたちは“新藤語録”にじっと耳を傾けていた。