トロント映画祭最高賞は、ダニー・ボイル監督のクイズ少年の物語
2008年9月17日 12:00
[映画.com ニュース] 9月13日閉幕したトロント国際映画祭で、「トレインスポッティング」のダニー・ボイル監督の新作「スラムドッグ・ミリオネア(Slumdog Millionaire)」(11月28日全米公開)が同映画祭の最高賞である観客賞を受賞した。
同作は、「ぼくと1ルピーの神様」の原作者ビカス・スワラップの同名小説の映画化。インドを舞台に、クイズ番組「クイズ$ミリオネア」(「ファイナルアンサー!」のかけ声で有名)に出場したスラム育ちのジャマール少年が見事に全問正解して高額賞金を獲得するというストーリー。しかし、まともに学校に通ったこともないストリートチルドレンの主人公は不正を疑われ、警察の取調べを受けることになり、その真相が明らかになるにつれ、スラムが抱える深刻な問題が浮かび上がってくる。
「これは私が初めて受け取った映画賞だ」と米ロサンゼルス・タイムズ紙などのプレスに向けて語ったボイル監督は、「『スラムドッグ・ミリオネア』は何かを信じている“負け犬”についての映画だ」と同作を説明。トロント映画祭受賞作は近年、オスカーレースと直結。昨年の観客賞はデビッド・クローネンバーグ監督作「イースタン・プロミス」、次点はジェイソン・ライトマン監督作「JUNO/ジュノ」。どちらも多くの米アカデミー賞ノミネートを受けているだけに、これで今後の賞レースが楽しみになった。