スパイク・リーがクリント・イーストウッドとの舌戦を後悔!
2008年9月11日 12:00
[映画.com ニュース] スパイク・リー監督が今年5月、クリント・イーストウッド監督を批判したことを後悔しているという。事の発端は、リー監督が今年のカンヌ国際映画祭で、イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」を槍玉に挙げ、「黒人兵士が出てこない」と猛烈に批判したことだった。それに対し、映画を史実通りに撮ったというイーストウッド監督は「黙ってろ!」と反応していた。
ところが、リー監督がこのほど完成させた新作「Miracle at St. Anna(セント・アンナの奇跡)」(9月26日全米公開)は、第2次世界大戦のイタリア戦線で奇跡の生還を果たした黒人兵士を描く感動の戦争映画で、すでに見た批評家からは大絶賛の嵐。リー監督にとって悲願のアカデミー監督賞も夢ではないのだが、アカデミー会員に愛されている大巨匠イーストウッド監督を敵に回して舌戦を繰り広げたことが、オスカーレースで大きな代償を払うはめになると危惧しているのだ。
リー監督は米男性誌キングの取材にこう答えた。「私の妻トーニャがこう言ったんだ。『クリント・イーストウッドを相手にしたことは、あなたのチャンスをフイにさせるかもね。アカデミー会員はあなたのすべてを考慮の対象にするはずだもの。あなたがニックス(NBAのバスケットボールチーム)が好きで、ニューヨーク在住なことを考えるようにね』」
リー監督は過去にもニューヨーク派であることがアカデミー監督賞を狙う上で大きな不利になることを力説している。「調査をすれば分かるさ。アカデミーに投票できる人の大多数はロサンゼルスに住んでいる。僕のは典型的にニューヨークがベースの映画だから決定的に不利なんだよ」
さらに、「今は誰も『ドライビング・ミス・デイジー』なんて見ていない。ところが、『ドゥ・ザ・ライト・シング』(アカデミー脚本賞ノミネート止まり)は世界中の大学や高校で教材になっている。アートのテストをするなら結局はそうなる。作品に説得力があるからだろ?」と自信家らしい言葉で締めくくった。
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