いよいよ始動の「ホビット」製作に、原作者トールキンの息子が「待った!」
2008年5月28日 12:00
[映画.com ニュース] 指輪を奪い合う物語さながらに、裁判が絶えない「ロード・オブ・ザ・リング」の新たな裁判が、米カリフォルニア州で6月6日にも始まるようだ。
原作者J・R・R・トールキンの息子、クリストファ・トールキン(83)が、製作会社ニューライン・シネマを訴えたもので、訴状の詳しい内容は不明だが、同社が「ロード・オブ・ザ・リング」3部作で売り上げた60億ドルのうち、トールキン一族は1億6000万ドル(約165億円)を受け取る権利があると主張。だが、実際にニューラインから支払われたのはたった6万2500ドル(約650万円)でしかないという。
原作者トールキンは生前の1969年に税金を支払う債務に追い込まれた際、映画化作品の利益の7.5%を受け取るというオプション権を売り払ったと言われているが、トールキン財団を運営するクリストファと妹プリシラは、ニューラインによる映画化を一切認めない考えだ。父トールキンの原作小説を翻案、ギレルモ・デル・トロ監督、ピーター・ジャクソン製作総指揮により、いよいよ製作が始動した「ホビット(The Hobbit)」の製作中止を求め、もし製作するならばトールキン財団への賠償金3億ドル(約310億円)を支払えと要求している。
余談だが、クリストファ・トールキンは「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を一度も見たことがないとされ、トールキン・ファンからも奇人扱いされている人物。この件に関して、ニューラインと親会社のワーナーからは一切コメントが出ていない。