ピーター・ジャクソン監督の「ラブリー・ボーンズ」製作難航?
2008年5月7日 12:00
[映画.com ニュース] 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで知られるピーター・ジャクソン監督の新作「ラブリー・ボーンズ(原題)」の製作が遅れているようだ。ニュージーランドの映画サイトFlicks.co.nzによると、その原因は天国を描写するセットをめぐり、ジャクソン監督と美術監督の意見が真っ向対立したためだという。
同作は、殺された14歳の少女スージー(「つぐない」のシアーシャ・ローナン)が、残された家族や自分を殺した犯人の動向を見届け、自分の死を受け入れていくという物語で、この世と天国とを行き来するファンタジー。今回争点となっているのは、物語の最大のカギとなる天国の描写で、そのセットデザインをめぐって両者は対立し(プロダクションデザイナーは「アイ・アム・レジェンド」のナオミ・ショーハン)、製作が一時中断しているという。
さらに、スージーの祖母を演じるスーザン・サランドンがアルコール依存症の役柄に不満を持っているとの噂も流れ出した。先月末、「スピード・レーサー」のロンドンプレミアに現れたサランドンは、役について「ジャクソンは私に過剰に演じるよう指示するの。演じ方が間違っているんじゃないかと思うことも時々あるわ。でも、それが良い方向に転ぶか、悪い方向に転ぶかは分からない。観客としては本作を見るのは楽しみだけど」と述べている。
同作はこれまでにも、スージーの父親を演じるはずだったライアン・ゴスリングが、監督との意見の相違を理由にクランクイン前日に降板する事件があった(代役はマーク・ウォールバーグ)。
また、別の映画情報サイトThe Bad And Uglyは、同作の公開時期を予定されていた09年3月13日から09年秋にズレ込んだと報じている。ただし、公開延期の理由については言及されておらず、オスカーを睨み、下半期に移したのではないかという楽観論もあり、ファンとしては期待と不安の入り混じった製作状況のようだ。