コッポラ監督の移民ファミリードラマ「テトロ」が撮影開始!
2008年4月1日 12:00
[映画.com ニュース] イタリアからの移民兄弟の苦悩を描くフランシス・フォード・コッポラ監督のファミリードラマ「テトロ(Tetro)」が、3月31日より撮影スタート。そのクランクインに先がけ、コッポラ率いるアメリカン・ゾエトロープは、スペイン(Tornasol Films)とイタリア(BIM Distribuzione)両国の製作会社が新たに共同製作に加わったと発表した。
同作は、アメリカに住むイタリア移民の青年テトロ(ビンセント・ギャロ)が、何年も前に家族を捨てた弟(アルデン・エーレンライク)を探すためアルゼンチンのブエノスアイレスへ旅立つという物語。テトロの恋人を「パンズ・ラビリンス」のマリベル・ベルドゥ、地元の文学評論家を「ノーカントリー」のオスカー俳優ハビエル・バルデムが演じる。
同作はコッポラ監督の自伝的要素が強い物語で、コッポラ監督自身が脚本も執筆している。この脚本は昨年9月にブエノスアイレスにあるコッポラ監督のオフィス兼自宅に空き巣が入って盗まれたが、その後バックアップのコピーが見つかり製作が進められた。
コッポラ監督はわずか製作費1500万ドル(約15億円)の同作について、「この作品は自伝というより個人的な物語だ。小規模なインディペンデント映画のようなものだよ」と語っている。ちなみに、かつての盟友ジョージ・ルーカスはそうしたコッポラの製作姿勢に追従する構えで、最近になってメジャー大作の監督から手を引くことを示唆している。
撮影は31日からブエノスアイレス近郊で始まり、アルゼンチンでの撮影後、パタゴニアを経て5月半ばにはスペインに移るという。公開は09年の予定。