トム・ハンクス、フランク・ダラボン監督版「華氏451」を離脱!
2008年3月31日 12:00

[映画.com ニュース] 「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」で知られるフランク・ダラボン監督が、長年再映画化の企画を温めているレイ・ブラッドベリ原作の「華氏451」の主演俳優が空席になってしまったという。
ダラボン監督が米MTVニュースに語ったもので、企画当初から主役の焚書官(消防夫)ガイ・モンターグに想定していたトム・ハンクスの出演がままならなくなったらしい。
1カ月前に、「グリーンマイル」以来の再タッグをハンクスと組めることを喜びをまじえてMTVに語っていたダラボン監督は、「悲しくて残念なことだが、Mr.ハンクスは帰ってこないよ。彼と再び仕事が出来ることを本当に望んでいたんだが、他の仕事と契約したために、彼は降りなければならなくなったんだ」と無念そうだ。
しかし、ハンクスの離脱は痛いものの、活字中毒者でもあるダラボン監督にとって、フランソワ・トリュフォー監督が1966年に映画化した「華氏451」の企画に着手できる喜びは大きいという。「私がこの映画を見た時の記憶がまだ脳裏に鮮明に残っている。血管が沸騰していたものね」と語ったダラボンは、ジェーン・オースティンの小説と同等の興奮を味わい、本の素晴らしさを最初に考えさせられたのがその興奮の理由だという。さらに付け加えて、「それは管理社会、政府と権威の管理についての物語なんだ。今まで書かれた本の中でも最も偉大な一冊だ。奥底で政治の問題を全部浮き彫りにする本だが、読み出したら止まらないんだよ」と語った。
しかし、ダラボン監督は再び主役選びに奔走しなければならない。「(ハンクスのような)企画を実現させる可能性を持った男で、なおかつあの役にピッタリでなければならない。正直、ターゲットが狭いし、候補者なんてホンの一握りだ」と苦渋の色を浮かべた。
同監督の新作は「ミスト」(5月10日公開)。スティーブン・キング原作の映画化である。
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