キャリア81年!93歳現役理髪師の日常を描く「胡同の理髪師」
2008年2月7日 12:00

[映画.com ニュース] 中国・北京の旧城内を中心に建ち並ぶ伝統的な街並み・胡同(フートン)は、北京オリンピックを目前に近代化の波が押し寄せ、その姿を消そうとしている。そんな変わりゆく時代の中で、胡同の一角に暮らす93歳の現役理髪師の日常を描いた「胡同の理髪師」が間もなく公開される。メガホンを取ったハスチョロー監督に話を聞いた。
映画は、90歳を超えてなお現役理髪師を続ける主人公“チン爺さん”を軸に、胡同に暮らす人々の生活が描かれる。チン爺さんを演じるのは、実際に93歳にして理髪師として腕を振るい続けるキャリア81年のチン・クイ氏で、映画のほとんどのシーンは彼の実生活を映し出している。取材当日、監督と一緒に来日した主演のチン爺さんにも話を聞く予定だったが、彼の体調が芳しくなかったためハスチョロー監督1人のインタビューとなった。
「90歳を過ぎると1日を無事に過ごすことがとても大切なんだ。撮影中は我々スタッフも毎日チン爺さんの健康状態を気にしていたよ」と、同席できなかったチン爺さんを気遣う監督。ところが撮影中のエピソードを尋ねると、「チン爺さんはすごい頑固者。彼は耳が遠いため会話のシーンで次のセリフを言うタイミングが合わないんだ。そこでイヤホンを付けてもらって無線で指示を出したんだけど、一向にセリフを言おうとしない。困り果てていたところ、現場にいたチン爺さんの娘さんから『イヤホンを外させた方がいい』と耳打ちされ、外すとちゃんとセリフを言ってくれたんだ。どうやら彼は、自分が耳が遠い年寄りだと認めたくなかったんだ」と、本人不在をいいことにチン爺さんへの恨み節も飛び出した。
一方で、「その頑固さがあったからこそ、チン爺さんは81年も理髪師を続けてこられたんだろう。『自分は年寄りじゃない』という心意気こそが長生きの秘訣であり、彼が愛すべきお年寄りである理由なんだ」と、長年地道に働き続けてきたチン爺さんに尊敬の意を表していた。
「胡同の理髪師」は2月9日より公開。
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