役所広司&中谷美紀も大満足の「シルク」で、東京国際映画祭閉幕
2007年10月29日 12:00

[映画.com ニュース] 10月28日、第20回東京国際映画祭が閉幕。クロージング作品に選ばれた「シルク」の記者会見が、東京・渋谷のBunkamuraで行われ、フランソワ・ジラール監督、主演のマイケル・ピット、プロデューサーの酒井園子らが出席した。
「シルク」は、日本とヨーロッパを舞台に、絹の美しさに魅せられた男の旅と恋愛を描いたイタリア=カナダ=日本の合作映画。前作「レッド・バイオリン」(98)に続いて、大陸を跨ぐ国際的な作品に携わったフランソワ・ジラール監督は、本作を手がけた理由を聞かれ、「原作の持つ恋愛の普遍性、キャラクター、オリジナル性に惹かれました。詩的な内容を含んだ原作なので映像化が難しいと言われている作品ですが、私にとって逆に最も適しているものだと思います」とコメント。
また、主演を務めたマイケル・ピットは、中谷美紀や芦名星といった日本人女優との共演について「美紀は英語での重要な台詞のやりとりも難なくこなしていて、クールでクレバーな人だと思った。星とは、会話でコミュニケーションをとれるか不安があったけど、彼女の表情や仕ぐさで意思の疎通が図れたと思う」と話した。
そして、映画バイヤーから転身して製作者となった酒井園子プロデューサーは本作について「実は私のひいひいお爺さんがイタリア生まれの絹商人で、日本に来て、吉原の芸者との間に出来た子供の子孫が私なんです。だからこの作品は、私にとってとてもパーソナルなものでもあります」と、本作とは運命的な結び付きがあったことを明かした。
その後、同作はクロージング上映されたが、上映に先立って舞台挨拶も行われた。ジラール監督、ピットに加え、日本人キャストの役所広司、中谷美紀、芦名星、本郷奏多、國村隼も登壇した。役所は「ジラール監督やマイケルと仕事が出来た上に、東京国際映画祭のクロージングに選ばれて嬉しい。撮影は困難もあったが、監督の落ち着いた演出ぶりに、安心して撮影に臨めた。とても美しい映画に仕上がっています」と話し、他のキャストも「とてもきれいな曲が流れているような作品」(芦名)、「行間を味わえる静かな映画。私の出演映画に坂本龍一さんが音楽をかけてくれるという私の大きな夢がかないました」(中谷)、「詩情豊かで、普遍的な男女関係を上質に描いている」(國村)と評し、映画の題材さながら、極上の“シルク(絹)”の質感を思わせる作品の完成度に自信をのぞかせた。
「シルク」は08年1月19日より日劇3ほかにて全国ロードショー。
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