「市民ケーン」のオスカー像が、サザビーズNYのオークションに!
2007年10月19日 12:00
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[映画.com ニュース] AFI(アメリカ映画協会)が選ぶ“映画史上のトップ100”で98年、07年と第1位に輝いた、オーソン・ウェルズ監督・主演による不滅の傑作「市民ケーン」(41)のオスカー像が、12月11日に行われるサザビーズ・ニューヨークのオークションに出品されることが明らかになった。
このオスカーは、脚本家ハーマン・J・マンキウィッツとともに受賞した41年度アカデミー脚本賞のトロフィー。サザビーズでは落札額を、80万ドル(約9400万円)から120万ドル(1億4100万円)の間と予想している。過去に、「風と共に去りぬ」(39)の作品賞オスカーが150万ドル、ビビアン・リーの主演女優賞オスカーが55万ドルだったことがその根拠らしい。
ウェルズ監督は85年10月10日に70歳で世を去るまで、波瀾万丈の映画人生を送っているが、オスカー候補になったのは「市民ケーン」の監督・主演男優・脚本賞の3つで、受賞は脚本賞の一度だけ(70年に名誉賞を受賞)。その年の作品賞はジョン・フォード監督の「わが谷は緑なりき」だった。
わずか25歳だったウェルズは同作で映画デビュー。当時の新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルにした、メディア王チャールズ・フォスター・ケーンの人生を創出。“パン・フォーカス”に代表される撮影術、編集、サウンド処理で革新的な大仕事をやってのけた。
ところが、不遇をかこった晩年のウェルズはこのオスカーを、未完の遺作「風の向こう側」(74)の資金捻出のために放出。やがて娘のベアトリスが持ち主を訴えて所有権を手に入れたが、その後03年にロサンゼルスを拠点とする慈善団体ダックス財団へ転売され、このほど同団体がチャリティ資金に充てるためオークションに出品した。なお、映画芸術科学アカデミーは、「売りに出されたオスカーを“盗品”扱いとし、1ドルで回収できる」という特別措置まで用意してオスカーの売買禁止を訴えているが、今回のオークションを阻止する考えはないという。
注目は、スティーブン・スピルバーグ監督だ。というのも、クラーク・ゲーブルやベティ・デイビスなどのオスカー6体を所有しているという同監督は、80年代に「市民ケーン」の撮影に使われた“ローズバッド(バラのつぼみ)”の絵があるソリを6万ドル(当時)で落札した過去がある。現在のところ、スピルバーグ監督からのコメントはないが、関係筋は同監督が12月のオークションに参加するものと見ている。
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