「シルク」トロント映画祭プレミアで輝いた日本の新進女優
2007年9月14日 12:00
[映画.com ニュース] 開催中の第32回トロント国際映画祭で、現地時間9月11日夜、日・加・伊合作映画「シルク」が特別招待作品としてプレミア上映され、フランソワ・ジラール監督、主演のマイケル・ピット(「ドリーマーズ」)、キーラ・ナイトレイ、そして日本から新進女優・芦名星(あしな・せい)が参加して、会場のエルジンシアターのレッドカーペットを彩った。
同作は、1860年代のフランスと日本を舞台に、美しい妻(ナイトレイ)をフランスに残し、世界で最も美しい絹糸を吐く蚕の卵を求めて、遠く日本へ旅に出た主人公の男(ピット)が、異国の地で養蚕業者(役所広司)の娘(芦名)と出会い、帰国後もその少女が忘れられず、命を賭けて何度も日本へ旅するという純愛ストーリーだ。
漆喰の着物に美しい黒髪を垂らしてレッドカーペットに登場した芦名は、劇中では決して会うことのなかったキーラと感激の初対面。その芦名の美しさに見とれたキーラは、「私は彼の妻で、その旦那を奪うのが星の役でしたけど、彼の気持ちも分からないわけじゃないわね(笑)」と語った。
1983年生まれの芦名は、10月スタートの TVドラマ「スワンの馬鹿!」(CX系)のヒロインに抜擢されたばかりの、これからの活躍が期待される若手女優。だが、なぜこれほどまでに彼女が海外メディアから注目を浴びるかというと、「シルク」ではセリフが一言もなく、所作の演技だけでミステリアスな存在感を放っているからだ。しかも、役所広司の娘役。「バベル」で彗星のごとく飛び出してきた菊地凛子のように、海外でも活躍できる映画女優になれるかもしれない。
「シルク」の日本公開は08年1月。今年10月に開催される第20回東京国際映画祭クロージング上映作品にも選ばれている。