「善き人のためのソナタ」主演のウルリッヒ・ミューエが逝去
2007年7月27日 12:00
[映画.com ニュース] フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督による今年のアカデミー外国語映画賞受賞作「善き人のためのソナタ」で主演を務めたドイツ人俳優、ウルリッヒ・ミューエが7月22日、胃がんのため死去した。54歳だった。
本作は、ベルリンの壁が崩壊する5年前、国民統制を強化する東ドイツの国家保安局“シュタージ”に務めるヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)が、反体制と疑わしき劇作家ドライマンと恋人の舞台女優を監視するうち、彼らの自由な思想や愛に感化され、危険を承知で彼らを救おうとする物語。旧東ドイツ出身のミューエは、この作品で国際的な評価を受けたが、役柄に反して実生活では自分の妻に密告され、10数年間もシュタージの監視下にあった。
「善き人のためのソナタ」はワインスタイン・カンパニー配給によるハリウッド・リメイクが決定しているほか、ドイツでは舞台化に向け脚本の準備が進められている。日本では、アルバトロスより8月3日にDVD発売。