スコセッシ監督、次回作「沈黙」を来年夏日本で撮影
2007年5月25日 12:00
マーティン・スコセッシ監督が第60回カンヌ国際映画祭で、次回作は遠藤周作原作の「沈黙」になると正式に宣言した。この企画は「クンドゥン」の頃から同監督が熱望していたもので、島原の乱以後の17世紀の日本を舞台に、隠れキリシタンのために布教活動をするポルトガル人宣教師の受難を描く物語。大半はカナダのバンクーバーで撮影される予定だが、同監督は「08年夏にも、部分的に日本で撮影したい」と語った。
またスコセッシ監督は、古い映画のフィルムを恒久的に保存し修復する国際的な機関「世界映画財団(World Cinema Foundation)」を設立すると発表した。同監督が、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、クリント・イーストウッドらと90年に立ち上げたアメリカの映画財団(The Film Foundation)を前身にして結成されたもので、今後はアメリカ国外の映画も対象にしてフィルムの保存と修復に務めていくらしく、既に、スティーブン・フリアーズ(イギリス)、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(メキシコ)、ウォン・カーウァイ(中国・香港)らの協力を取り付けているという。
スコセッシ監督は、フィルムの褪色問題を4半世紀前から訴えてきており、毎年、ゴールデン・グローブ賞の母体である外国人記者クラブからの寄付金を元にフィルムの修復してきた実績がある。今年はイギリス映画「赤い靴」のテクニカラーが修復された。