「グリーン・デスティニー」続編めぐり、2大スタジオが火花!
2007年5月8日 12:00
カナダ・サスカチュワン州の小さな町に住む中国生まれの農学研究をする科学者ホン・ワン氏が、今渦中の人になっている。彼は予期せぬことに、ハリウッドから遠く離れたかの地で、のるかそるかのハリウッド的なドラマのカギを握る人になってしまったのだ。
コロンビア・ピクチャーズとワインスタイン・カンパニーが、今まさにアン・リー監督の武侠映画「グリーン・デスティニー」(00)の続編の映画化権をめぐって法廷闘争中。勝者は金の成る木を手に入れるだけに真剣だ。オリジナル版「グリーン・デスティニー」は00年に公開され、全世界で2億1400万ドル(約256億円)の興収を記録。アカデミー賞でも外国語映画賞(受賞)を含む10部門にノミネートされた映画史上最も成功した非英語映画である。
そのワン氏は、その原作小説を書いた中国人作家ワン・ドウルーの息子にあたる。2社のどちらが、彼を口説き落とすかが注目なのだ。父ドウルーは40巻余りの武侠小説を遺して、77年に亡くなっている。原作小説「Crouching Tiger, Hidden Dragon」(臥虎蔵龍)は「鶴鐵五部曲」の4部目にあたり、「Flying Stork, Shaking Kunlun」(鶴驚崑崙)、「Precious Sword, Golden Hairpin」(宝劍金釵)、「Legendary Sword, Brilliant Pearls」(劍気珠光)、「Iron Rider, Silver Vase」(鐵騎銀瓶)の4作がまだ映画化されないで“残っている”のだ。訴訟の争点は、ワン氏がどちらの会社に対して映画化権を認めるかにかかっているが、コロンビア、ワインスタイン両社ともワン氏の同意書があると主張して譲らない。
ワン氏には、数学者を辞めたばかりの中国の北京に住む妹チン・ワンさんがいて、中国に住む2人の母も90歳台ながらご壮健らしい。
驚くことに、「グリーン・デスティニー」の興行的成功にもかかわらず、ホン・ワン氏の家族が映画化権として受け取ったのはたったの3万ドル(約360万円)だったという。その結果、彼の家族は、他の父の作品は大事に売ろうと決め、妹と母の全員の意見がまとまらないと売らないと決断したのだという。
両社の法廷闘争は05年から2年近くになろうとしている。
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