南アのスラムにはびこる過酷な現実。アカデミー受賞作「ツォツィ」
2007年4月13日 12:00
第78回アカデミー外国語映画賞を受賞したほか、世界中の映画祭で賞賛された南アフリカ映画「ツォツィ」。eiga.comは、本作で映画初主演を飾ったプレスリー・チュエニヤハエに話を聞いた。
映画は、南アフリカ最大の都市ヨハネスブルグにある旧黒人居住地区ソウェトのスラム街に住む“ツォツィ”と呼ばれる少年の物語。ツォツィとは不良・チンピラを意味するスラングで、プレスリー自身も劇中に描かれているような治安の悪い地域で幼少期を過ごしたそうだ。「母が僕の将来を心配して演劇学校に入れてくれたから、ツォツィみたいな奴らと関わらずに済んだんだ」と苦笑するが、故郷の少年たちが抱える過酷な現実は、彼にとって他人事ではない。「2010年のサッカーW杯南アフリカ大会の際には、子供たちの劇団を組織して、観光客に見せるためのストリートシアターをやろうと計画してるんだ。通りでたむろしている少年の多くは、『お金が欲しい』という以上に『他人から認められたい』と感じてるから、彼らのチャンスになればいいと思う」と話してくれた。
本作がアカデミー賞を受賞したことで、監督とキャストの面々はアパルトヘイト撤廃に尽力した元南アフリカ大統領ネルソン・マンデラ氏と対面を果たした。そのときの様子を聞くと、「小学校のときから彼がどんな人物か勉強してきたんだ。夢が叶ったような気分だった。彼から『欠点があるからこそ人間なんだよ。もし私のことを映画化したとして、完璧な人物として描かれていたらそれは全くの嘘だ』って言われたのを覚えてるよ」と、マンデラ氏の物まねを交えながら嬉しそうに語った。
最後に観客に向けて、「僕自身アパルトヘイトを知らない世代で、映画も現代の話だから、アフリカ史を知らずに見てもいいと思う。でもそういう歴史があったからこそ貧しいスラムがいまだに残っているんだし、出来れば南アフリカについて知った上で見て欲しい」とメッセージを送った。
「ツォツィ」は4月14日よりロードショー。
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