松本潤&榮倉奈々主演「僕は妹に恋をする」安藤尋監督が語る
2007年1月19日 12:00

「僕妹」は、よくある兄妹恋愛モノとは異なるアプローチをしている。その1つが、2人が“双子”である点に注目した演出。向かい合って寝ているシーンを俯瞰で撮って胎児だった頃の2人をイメージさせたり、おんぶで1つとなったシルエットが並んで別々のシルエットとなって思い出の草原を出て行くなど、元々1つだったものが2つになったからこそ、お互い求め合い引かれ合うという切なさが描かれる。
「確かに1つのものが分かれて、また1つになりたいという双子のモチーフはラストまでずっと引っ張っていきました。お母さんのお腹の中にいた時とは違い今は別々の肉体を持っているから、ラストに向かうところではおんぶし合ってお互いの温もりを感じるというシーンになったんだと思います」
また2人の恋を、楽園(2人だけの世界)からの旅立ち=思春期の終わりとして描いたことで、許されざる恋が爽やかな青春映画となった。
「郁と頼は最初からどうしようもなく理屈でなくお互いを好きなんです。だから肉体的に結ばれたからといって、苦しみから解放されるわけでも関係が完結するわけでもない。この恋って、2人が自分たちから終わりへ向かって歩いていく過程なのかなと思って、そこにドラマ性を持たせようと決めました。大事件が起こらなくても、日常の中で感情の揺れ幅を大きくさせれば描けるはずだと。それこそが僕が映画で一番やりたいことでもあるんです」
そして長回しや逆光にうっすらと浮かび上がる表情といった安藤監督らしい撮り方で、アイドル主演、マンガ原作を自分の世界観に引き寄せることに成功した。
「逆光が好きなのは、その光がその場で最も自然であるというだけでなく、黙っているとか、ある程度の見えなさの中に、感情が浮かび上がってくると思っているからなんです。むしろ感情にリアリティを与えたり、想像を喚起させたりできる。長回しを使うのも同じ理由で、セリフとセリフの間をどう切り取れるかに興味があるからなんです。どんな映画であれ、そういった映画が映画たる特権的な瞬間を撮っていきたいですね」
「僕は妹に恋をする」は1月20日ロードショー。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

日本よ、これが本物の“悪”だ
【拷問、殺人、裏切り、粛清】超刺激的な“史上最大ヒット作”、観たらすごかった…!
提供:JCOM株式会社

何だこのむちゃくちゃ“刺さる”映画は!?
【尋常でなく期待してる】“命より大事な誰か”のためなら、自分の限界を超えられる。
提供:ディズニー

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた注目作】実際に観てきたら…個人的に“過去最高”!!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映