「みえない雲」監督、「被爆国なのに、なぜ原発がたくさんある?」
2006年12月22日 12:00

チェルノブイリ原発事故の翌年に発表された原作を元に、のどかなドイツの町を襲った原発事故の恐怖を描く「みえない雲」が、12月30日より公開される。メガホンを取るグレゴール・シュニッツラー監督に話を聞いた。
映画は原作と多少異なり、原発事故の恐怖を捉えると同時に、思春期の少女の視点で家族との関係や同級生との恋を描いている。監督は「それは僕が意図したところだよ。この映画を若い世代に見てもらうために、主人公に同一化できる要素を足したんだ」と話す。
劇中、放射能漏れを知らせるサイレンが町中に鳴り響くと、住民は放射能を帯びた黒い雲から逃げ惑い、駅には電車に乗り込もうとする人が溢れ返る。原発事故の恐怖を象徴するシーンだが、「駅のシーンは撮影1週間前までロケ地が決まらず、急遽ベルギーで撮ることになったんだ。しかも予算の制約で3000人欲しかったエキストラが400人しか集められず、町全体のパニックを再現するのは難しかった」と撮影時の苦労を告白し、「ヘリのプロペラぐらい大きい扇風機を10個使って、強風と轟音を出したんだ。そうすることで演技にもすごく現実味が増したね」と現場での工夫も話してくれた。
世界で唯一の被爆国にして、現在55基の原発を有する日本の観客に向けて、監督は最後に「被爆国でありながら、これだけ狭い土地に原発をたくさん作るのは矛盾していると思う。この映画を見て、自分たちがどんな状況にあるのか意識してもらえれば」とメッセージを残した。
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