カリスマDJの挫折と再生「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」
2006年12月22日 12:00
夜ごと人気DJが集まってクラブイベントが開催されるスペイン・イビサ島。この地を舞台に、聴力を失う悲劇に見舞われたカリスマDJの挫折と再生を描くフェイクドキュメンタリー「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」が、まもなく公開される。監督を務めるマイケル・ドースに話を聞いた。
脚本も兼任する監督は、第3稿で主人公を“難聴のDJ”という設定にしたそうだ。その理由を尋ねると、「作品をもっと面白くするために、主人公を一番最悪な状況に追い込んだんだ。フランキーは聴覚を使う才能に優れていたから、人気DJの地位を獲得した。でもその才能を使いすぎたために聴覚を失ってしまうんだ。このパラドックスこそ僕が描きたかったテーマさ」と、主人公フランキー・ワイルドの誕生秘話を話してくれた。
主人公は架空の人物だが、映画では現在のクラブシーンをリードする人気DJが多数出演し、それぞれがフランキーについて語っている。この“フェイクドキュメンタリー”という手法で撮影したのはなぜなのか。「いわゆる伝記映画っていうジャンルは、すでにやり尽くされてると感じたんだ。それに主人公を伝説的な男にしたかったから、説得力のある人たちに語ってもらうことにした」と語る。最後に私たちにむけてメッセージをくれた。「フランキーの立場に共感できる映画。サウンドにも力を入れてるので、それも楽しんでほしい」
「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」は、12月23日よりロードショー。