黒木和雄監督が遺した想い「紙屋悦子の青春」
2006年7月14日 12:00
今年4月12日に急逝した「父と暮らせば」の巨匠・黒木和雄監督の遺作となった「紙屋悦子の青春」。7月12日、文京シビックセンターにて記者会見が行われ、主演の原田知世、永瀬正敏、松岡俊介、本上まなみが登壇した。
作品は、終戦間近の鹿児島を舞台に、戦時下で懸命に生きる庶民の日常や、死にゆく者と残された者の心情を鮮烈に描き出すドラマ。劇作家松田正隆の同名戯曲を映画化したもので、戦争を憎み平和を希求した故・黒木監督の遺作に相応しいものとなった。主演の原田は「自分の気持ちをストレートに言えない時代の人間を表現したかった。撮影は順撮りだったので、自然と“紙屋悦子”になれた」と語り、相手役を演じた永瀬は「やっと皆さんに見てもらえる日が近づいてきた。ようやく監督の想いが伝わる」と監督を偲ぶコメントを残した。
鹿児島が舞台ということで、出演者4人は口を揃えて方言でのセリフに苦労したと語る。ちなみに、原田・本上は鹿児島弁、永瀬は長崎弁、松岡は博多弁を操らなくてはならず、撮影時はメイクルームや待ち時間でも必死に練習したと明かした。
「紙屋悦子の青春」は8月12日より公開。