この夏の清涼剤「皇帝ペンギン」。「ディープ・ブルー」に勝るか?
2005年7月12日 12:00
「この映画の脚本を書いたのは、素晴らしい自然界そのものだ。愛があり、別れがあり、再会のドラマもある。彼らの生活そのものが、ドラマチックなシナリオになるんだ」と語るのは、マイナス40度に達する極寒の地・南極で、皇帝ペンギンたちの姿を追ったリュック・ジャケ監督。本国フランスで、「WATARIDORI」「ディープ・ブルー」をしのぐ大ヒットを記録した「皇帝ペンギン」の公開に先立ち、来日した監督に話を聞いた。
ジャケ監督は、フランスでの大ヒットの原因について「皇帝ペンギンの生態はあまり知られていないから、オリジナリティ溢れるものになったし、観客にも新鮮な驚きになったんだと思う」と分析する。「皇帝ペンギンが過酷な自然の中で戦い続けているドラマが素晴らしいし、彼ら自身のデザインの美しさにも惹かれた。また、南極という舞台そのものの存在感も大きくて、映画を観ると、南極という未知の世界へ旅することもできるよ」
撮影には13カ月、8880時間を費やし、140時間分のフィルムを回した。入念な準備と構想をもって臨んだが、「1500羽もの皇帝ペンギンが列を成して歩いているシーンがあるけど、普段はあんな数の行進には巡り会えない。予想外の嬉しい出来事だったね」。7月16日より恵比寿ガーデンシネマにて先行公開され、23日より全国公開。