「ヒトラー/最期の12日間」の監督が語る、ヒトラーという存在
2005年7月5日 12:00
04年度のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、ドイツでは大きな社会現象を巻き起こした「ヒトラー/最期の12日間」。公開を前にオリバー・ヒルシュビーゲル監督がPRのために来日。インタビューに応じてくれた。
戦後60年を迎えて、なお世界中で悪名が轟くアドルフ・ヒトラーだが、「ドイツ人にとって、ヒトラーとはどのような存在なのか」を聞いてみると、「もちろん誰でも知っているのだが、誰もその実像を知らない。誰も触れることの出来ない大きな存在だね。子供の頃、私は学校でヒトラーと彼の蛮行を『歴史的事実』として教わったけど、教室では『なぜ、ドイツの人々はヒトラーについて行ったのか』『あのようなことが起こって、人々は何を感じたのか』ということはあまり口にされませんでした。だから、この映画が若い人々にとって『なぜ、あのようなことが起こったのか』について考えるキッカケになればと嬉しいよ」と言葉を慎重に選びつつコメント。
そして、今回ヒトラーという大役を務めた名優ブルーノ・ガンツについては「私にとって、彼はドイツ最高の俳優で、ヨーロッパの伝説です。彼がヒトラー役に決まってから衣装合わせをしたんだけど、髪型、口髭、軍服、帽子等、色々合わせてみると、『これは似てるぞ』と思い始めてね。最初のアイデアでは彼はヒトラーに似ている必要は全くなかったのだけど、やっぱり似てる方が良いに決まってるよね」と、その時の驚きを笑いながら語ってくれた。「ヒトラー/最期の12日間」は7月9日公開。