「華氏911」、カンヌ制覇で全米公開に弾み
2004年5月25日 12:00
ブッシュ政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督の問題作「華氏911」が、カンヌ国際映画祭の最優秀作品賞にあたるパルムドールを受賞した。ミラマックスの親会社であるディズニーが配給を拒否して以来、さまざまな騒動を巻き起こしていた同作だが、パルムドールを受賞したことで、アメリカ国内での関心も非常に高まっている。全米配給については、ミラマックスが同作の配給権を他の配給会社に売却する方向で交渉が行われているが、ひとつネックとなっているのが、ムーア監督が早期の公開を求めている点だ。11月に行われる大統領選に影響を与えるために、7月4日の独立記念日前後の全米公開をムーア監督は希望しているのだが、同作に関心を示しているインディペンデント系の配給会社にとっては、宣伝期間が短く、また他の待機作と公開がぶつかってしてしまう可能性がある。そこで、ミラマックスのワインスタイン会長は、映画・TV・ビデオ化権をバラバラにし、配給権のみを小回りの利く小規模な会社に売却することを検討しているという。権利を一括で売却するよりも、ミラマックス側に利益が多く転がり込むというメリットもあると見られている。いずれにせよ、売却先が決定するのは、ディズニーからの買い取りが成立してからになりそうだ。
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