「さゆり」プロジェクトをミラマックスが妨害?
2003年9月16日 12:00
「シカゴ」のロブ・マーシャル監督がメガホンを握ることで、ようやく動き出そうとしていたアーサー・ゴールデン原作の「さゆり(Memoirs of a Geisha)」の映画化が、ミラマックスの妨害にあっている。そもそもこの映画化は、もともとソニー・ピクチャーズがスピルバーグ監督作として準備していたが、多忙のため、スピルバーグはプロデューサーに退くことになった。その後、スパイク・ジョーンズ監督らの名が取りざたされたこともあったが、最近になってロブ・マーシャル監督の名前が急浮上し、本人も意欲満々になっていた。しかし、そこに横やりを入れたのが、「シカゴ」を製作したミラマックス。ロブ・マーシャル監督はミラマックスと監督契約を結んでおり、次作もミラマックスで撮らなくてはいけないことになっているという。ミラマックスはこの契約を盾に、ソニー・ピクチャーズのロブ・マーシャル監督案をつぶそうとしているらしいのだ。
ちなみに、かつて、ラッセ・ハルストレム監督が「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の監督をオファーされたときも、ミラマックスは同様の手段で妨害した過去がある(結局同作は、スピルバーグがメガホンを握った)。ミラマックスは、タレントが新人のうちに長期契約を結ぶことによって、将来有望な俳優や監督の囲い込みをすることで知られている。かつて、ミラマックスと契約を結んでいたポール・ウォーカー(「ワイルドスピード」)は、「ミラマックスとの契約が切れるまでは、夜もろくに眠れなかったよ。次はどんなひどい映画に出演させられるのか、いつもひやひやしていてね」と語っている。