深作欣二、闘いの中に逝く
2003年1月14日 12:00

昨年9月の「バトル・ロワイアルII」製作発表の会見上で、自ら前立腺ガンを患っていることを告白した深作欣二監督が、1月12日午前1時、入院先である東京都中央区の病院で亡くなった。享年72歳。
深作監督は「仁義なき戦い」シリーズや、数々の映画賞を受賞した「蒲田行進曲」で知られ、近年は「バトル・ロワイアル」で若い世代にも人気を博した。同作の続編「バトル・ロワイアルII」も、製作発表の席で「燃え尽きたら燃え尽きたまで。精一杯できることをやりたい」とドクターストップを押して撮影に挑んだ。全身の骨に転移したガンによる痛みを、放射線治療とモルヒネで和らげながらも、昨年12月にクラインクイン。当初は出演者たちに檄を飛ばすなど、いつもと変わらぬ姿で撮影を続けていたが、やがて背中の激痛などを訴えて入院。年が明けて1月7日、東映は「バトル・ロワイアル」で脚本・製作を担当した、深作監督の長男・健太氏が「バトル・ロワイアルII」の監督代行を勤めることを正式に発表。ただしあくまで“代行”であり、深作監督の体調が戻り次第、現場に復帰する予定だったが、11日昼過ぎに容態が急変、そのまま帰らぬ人となった。「仁義なき戦い」に主演してトップスターとなった菅原文太も、臨終の20分前に駆けつけて恩師を看取ったが、言葉もなく立ち尽していたという。
常に「映画作りは闘い」を口癖に、義理と人情を重んじながら、ダイナミックで斬新な映像と共に、権力や固定観念を打破するため戦い続けてけた深作監督。ガンと知りながらも挑んだ「バトル・ロワイアルII」では、「たとえこの闘いで生涯を終えようとも一片の悔いもない」と発言していたが、その言葉通り、最後まで闘い続け、燃え尽きていった。97年には紫綬褒章も受賞し、名実ともに日本映画界の歴史を築いた男の死が与える悲しみは、業界内だけに留まるものではないだろう。心から冥福を祈りたい。今夏公開予定の「バトル・ロワイアルII」は、健太氏とダブルクレジットされる予定で、図らずも親子で監督することになった本作が遺作となった。葬儀・告別式は16日、東京都中央区の築地本願寺にて執り行われ、「バトル・ロワイアルII」の撮影も18日より再開される予定。
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