ソダーバーグも認める若き才能、「メメント」の監督が来日
2001年7月10日 12:00

「10分間しか記憶を保てない障害を持った男が、自分が残したポラロイド写真やタトゥーを手がかりに妻殺しの犯人を追う」という斬新なストーリーを“10分ごとに時間を遡る”という大胆な構成で映像化、今年3月に全米で公開されるや、インディペンデント映画としては異例のヒットを記録した話題作「メメント」。このほど本作のクリストファー・ノーラン監督が来日し、7月10日、東京・銀座の東武ホテルにて会見を行った。
監督は、本作の成功を受けて既にハリウッド進出第1作「Insomnia」(アル・パチーノ主演)を取り終えたばかりの注目の大型新人。「Insomnia」には彼を高く評価するスティーブン・ソダーバーグ監督も製作に名を連ねている。本作の魅力である綿密に練り上げられた脚本は、監督が「客観的に見ても素晴らしいライター」と評する弟、ジョナサン・ノーランの短編小説を元に監督自身が書き上げた。「観客に主人公と同じ障害を経験をしてもらうには、と考えたらこういう構成になった。脚本には苦心したが、一時期のフィルム・ノワールに見られたパラノイア感や不安感が出たのではと自負している」
また監督は、「アイデアは弟のもの」と本作が兄弟のコラボレーション作品である点を強調。「弟とは7歳の頃から一緒に映画を作っていた。彼は小説の執筆に忙しいけど、今でもアイデアのキャッチボールは続いているからまた共作の機会があればいいと思う」と語った。
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