劇場公開日 2024年1月12日

「気を楽にして、余白をも鑑賞後は楽しめる映画です。」ある閉ざされた雪の山荘で ミキさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0気を楽にして、余白をも鑑賞後は楽しめる映画です。

2024年1月15日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

原作未読で4回ほど鑑賞したのですが、
登場人物たちが劇団の俳優たちなので、演技力はもちろん、舞台をみるような感覚にもなるような作り方をしているため、こだわって選ばれた俳優陣の表現力にただ、ひきこまれるばかりです。
キャラクターひとりひとりが、今回の劇場版をするにあたりしっかりと色付けしてあるため、ポジションや特性も解りやすくされていて、初見やミステリー初心者でも関係性の把握もしやすそうでした。

原作が92年作の時代背景から、現代の20代の男女が陥るリアルなシチュエーションとして細かくアップデートされて、小道具の使い方も日常感があるため現代のミステリー映画として鑑賞できます。俳優陣のファンの方々も若い方が多いかと思われるので、そんな方々も身近に感じながらストーリーに入れると思います。

ストーリーはミステリーが原作なので、もちろんトリックもあり、人間模様や経緯もありますが、どちらかというと人間模様を楽しむ見方が私は楽しいと思いました。
主役を勝ち取るオーディションの中で俳優たちが陥る事件は、登場人物の心理を思うと恐ろしいと感じるものがありますが、人物たちはそれぞれの為に動き、解決しようとします。
その人物たちの動きやキャラクターは楽しんで観られるように作られていて、監督さんが話していたように見所のひとつだと思います。

勧善懲悪や「解決してめでたしめでたし」というな事件解決や答えを出す事が目的のミステリーと違って、ラストまでみて、感想や解釈を語り合って楽しむところまでワンセットにして楽しむミステリーでした。

主題歌に選ばれたWEST.の『FICTION』はよく聴くと、歌詞が登場人物の心理や動きに沿っているワードが多く、映画館で聴くエンディング曲として、とても良かったと思います。
ここまで感じながら観ると、今度は人間に着目してみてみようと視点が変わるかもしれません。
俳優の方曰く、青春群像劇とも話していた事がとても腑におちました。

気楽にみることができる要素も多くあり、楽しめる映画です。

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ミキ