市子のレビュー・感想・評価
全276件中、141~160件目を表示
寄り添う気持ちを突き放される
恋人に結婚を申し込んだ次の日に彼女が失踪した。
時期を同じくしてテレビから流れてきた死体遺棄事件と関連があるのか?
ミステリー仕立てで進むのだけど、観るべきはそこじゃない。
男が恋人の過去を調べていくうちに、助けたいと差し伸べる手を過去の彼女に手を切りつけられるような話。
最後に彼女自身の独白で二人のささやかな暮しが語られると、「こんな暮らしを続けさせてあげたかったな」と、観ているこっちも思う。
そんな観客は、彼女が海辺を歌いながら歩く、冒頭で映されたのと同じラストシーンの意味を知った時、自分の手も血だらけな事を知るのです。
8年前の遺骨から死因が特定できるほど科学が進んでいるのに、離婚直後の子供も認知ができない前時代性の矛盾に憤る。
杉咲花の演技が圧巻!
新年早々ずーんと重い
名前というアイデンティティの重さ
虹は誰が見ても虹、七色があって見え方もくっきり綺麗でも、ぼんやりと滲んだように見えても虹は虹。
オープニングとエンディング、母親のハミングの虹が物語る、私は市子という名前がある。
無国籍児が色んな理由で存在することも最近ニュースで伝えられ、難病介護の苦労やDVなどの社会問題も描くことで市子というひとりの人間の人生が哀しいものに。
私達に当たり前に生まれた時から持っている名前が、自分のアイデンティティなのだろうけど、意識することはないだろう。
無国籍児として育ち学校にさえ行けない苦悩を見事に描かれ演じられている。
幼少期から彼氏との出会いまでの描写に少し頭の中が疲れるが、市子という人間が辿ってきた人生を観るものに伝えるには致し方なく、しっかりと観なくてはなりません。
私が1番苦しかったのは市子が介護してる月子を死なせたが、帰って来た母親が動揺するでもなく市子にありがとうと言って鼻歌歌いながら台所に立ったところ。
映画としても杉咲さん、恋人の若葉さんの真っ直ぐな演技力、子役や若い役者さん全てが高い演技力でこの重いテーマの映画を締まったものにしていて胸に突き刺さります。
エンドロール中の四人家族が幸せだった頃の会話が市子と母親の胸中に常にあるんだろうと思いました。
このような映画が単館でしか上映されない事が寂しいですね、シネコンも1日で一回上映でもいいので上映してほしいですね。
幸いにも私の住む街には珍しく単館系の映画を上映してくれるシネコンがあるので助かっますが。
2024年野川新栄映画館映画初め
2024年映画館鑑賞1作品目
1月3日(水)チネ・ラヴィータ
フォーラムデイ1200円
監督と脚本は『13月の女の子』の戸田彬弘
脚本は他に『ばぁちゃんロード』の上村奈帆
舞台は大阪
筋ジストロフィーで寝たきりの妹月子を献身的に介護するヤングケアラーの姉市子
介護疲れで酸素マスクを外し妹を殺した市子
母の情夫小泉雅雄の力を借りて生駒山に月子の遺体を埋めた
市子には母の事情で戸籍がなかった
市子は月子になりすまし小中高と進学した
市子は月子に関する揉め事で小泉も殺してしまう
杉咲花につきる
長谷川のプロポーズに涙を流して喜ぶ市子
宗介と舌を絡めあうエグいキスをする市子
北に抱かれて泣いているよう笑っているような表情を見せる市子
北に夢を語る市子
などなど
その表情の全て全てが素晴らしい
杉咲花の魅力を篤と味合うための映画作品
小さい杉咲花が大きく見えた
ブラボー杉咲花
杉咲花の髪型が独特
アメリの髪型に似てる
さらにあれを眉毛が隠れるまで前髪を伸ばした感じ
意外とああいう系統の髪型は顔を選ぶわけで美人なら似合うかも知れないがブスはおすすめできない
杉咲花は色白の方だがそれよりも白い森永はどないなってんの?
杉咲花以外では森永悠希の芝居が光った
最後は車の中の若い男女が海に飛び込んで死んでしまうわけだが誰なのかはっきり明示されていない
状況的にいえばどうやら北と北見らしい
モヤっとしてるのがちょっと残念
手塚治虫の『人間昆虫記』や『奇子』のような女性中心の黒いドラマに感じた
傑作と高く評価したいが何かそれには物足りない
社会問題としてなにかコメントをするべきだがそれは避ける
削除対策でセンシティブな話題にはなるべく意見しないと決めている
配役
重い障害を持つ妹の月子になりすました無戸籍の川辺市子に杉咲花
市子の彼氏でプロポーズの翌日に逃げられ行方知れずの市子を探す長谷川義則に若葉竜也
月子(市子)の高校時代のクラスメートで月子(市子)に片想いしている北秀和に森永悠希
高校時代の月子(市子)の彼氏の田中宗介に倉悠貴
新聞配達時代の市子の仕事仲間でケーキ屋さんになった吉田キキに中田青渚
右側の首筋にあざが目立つ自殺志願者の北見冬子に石川瑠華
子供の頃に同級生の月子(市子)と取っ組み合いの喧嘩になったが力負けした山本さつきに大浦千佳
なつみの情夫の小泉雅雄に渡辺大知
刑事の後藤修治に宇野祥平
市子と月子の母親の川辺なつみに中村ゆり
運命とはいえかなしい
ネタバレなしに説明が難しい
杉咲花さんの地味な佇まいがたまらん
あなたは市子⁉️それとも月子⁉️
この市子というキャラ、全く感情移入出来ない‼️小学生のくせに同級生の彼氏にチョッカイ出したり、友人の家の菓子を盗んだり、プレゼントのお礼に万引きしたたまごっちをやろうとする。高校生の頃に自分に好意を持つ男の子と母の内縁の夫を殺害、死体を線路に置いて自殺に見せかける。先天性の病気を持つ妹を介護疲れで殺害。本気で愛し合った彼からプロポーズされると、過去がバレるからと、突然の失踪‼️物語はその彼が市子を捜し続ける過程を描きながら、市子の過去が次第に明らかになるという構成‼️実はこの市子というキャラの人間形成は、両親の離婚のゴタゴタで出生届が出されず、戸籍が無いという事実がある‼️それで寝たきりの妹・月子に成りすましたりする‼️加えて母や母の内縁の夫との人間関係のもつれがバックグラウンドにある‼️それを踏まえれば、素晴らしい物語で、傑作になったかもしれない‼️しかし母や内縁の夫との人間関係や、妹の介護で心身ともに疲れ果てた、みたいな描写、シーンがないため、市子の行動に共感できないし、説得力も全くない‼️その辺の描写がきちんと出来ていれば、傑作になったかもしれないのに惜しいですね‼️そもそも戸籍の問題もオカシイ‼️いくら出生届を出していないからといって、寝たきりの妹に成りすまして生きていこうなんて決断するか?罰金はあるかもしれませんが、フツー後から届け出るでしょ⁉️意味不明ですね‼️でも杉咲花ちゃんにはまったく罪は無い‼️この作品での彼女の演技は素晴らしかったと思います‼️演出と脚本構成に難アリですね‼️
そこにある危機
なるほど
評判が良かったので期待していた分、なるほど、で終わった感じ。
社会派と言うよりも、
サスペンス、いやファンタジーか???
市子の今へ至る生い立ち、
それは、あの母と、その周りの社会環境なんだろうけど、
社会派ドラマとして私たちに何かを訴えることをテーマとするなら、そこをもう少し深く描いて欲しかったかな。
だから、終始何故?がつきまとっていた。
ただ、サスペンスとしては、面白かったし、
何にせよ、評判通り杉咲花さんの熱演には拍手です。
お母さん役の中村ゆりも、彼氏役の若葉竜也も良かったです。
ただ、ラストに繋げるためなのか、自殺願望の彼女が唐突に現れたのは、???でした。
そこからの三人の展開も、なんだか、あっけなかったというか…。
でも、人間なんて、そんなものなのかしらねぇ…。
んーー期待し過ぎたか⁈
現在と過去の交錯が多過ぎる
人気舞台を映画化したヒューマンドラマで一人の女性の壮絶な人生を描いているストーリー。現在と過去が交錯しながら進んでいく展開ですが、交錯する頻度が多過ぎる印象で全く共感出来なかった。
それでも主演の杉咲花は今や誰もが認める実力派女優であり、今回も彼女の演技が素晴らしく引き込まれた。
2023-209
演出以外はとても良い
役者の演技は良い。
カメラワークも良い。
特に美術部のお仕事が素晴らしい。
大まかなプロットも興味深く面白い。
しかし肝心の演出が正直残念だった。
以下、次回作に期待を込める意味で忌憚なくコメントします。
大きく気になったのは以下の2点。
①演出の方向性がバラバラ
社会課題を取り入れたストーリーと、ドグマ95のようなドキュメンタルなカメラワークの相性はとても良い。ならばストーリーのドキュメント性ももっと高めるべきだと思う。元々は舞台の作品のようだが、人々の関係も舞台のまま持ってきてしまっ他のか、カメラワークの狙いと乖離してしまっている。その人とその人がその場所に一緒にいるのはおかしいだろ、と観ながらツッコミを入れざるを得なかった。舞台のままのストーリーを大切にしたいなら、カメラワークはここまでドキュメンタルにするべきではない。もし予算やスケジュールの都合でドキュメンタルな撮影になったのなら、脚本も見直すべきだと思う。それと、ドローンショットは他のカメラワークの狙いから外れているので要らない。ただ「ドローン撮影をやりたかった」ようにしか見えなかった。
②音をもっと大切にして欲しい
一番ストーリーに没頭出来なかった理由は音声の扱いである。人物の対話シーンで、Aさんの画のときにBさんの声が入るが、その声がマイクから遠すぎて聞き取りづらい。同録スタッフいなかったのかな?こういうところで、幻想の映画の世界に浸っていたのに、あ、これは作り物なんだよねって一気に覚めちゃうから、最低限の音の設計はしっかりやって欲しい。映画という夢の世界に没頭させてください。
上手く演出すればラース・フォン・トリアーの作品みたいになりそうなストーリーなだけに、惜しい作品だなと思いました。次回作に期待しております。
芝居の妙
大変引き込まれる作品でした。
アクションとか疾走感があるわけでもないのに、登場人物と役者が演じる芝居の熱がすごくて目を離せない、そんな感覚です。
後で調べて知ったことですが、本作の戸田監督は劇団も主宰されており、その旗揚げ作品だったのが本作の原作だったのですね。確かに映画館で感じた感覚は舞台を観ているようでもあり(もちろん芝居っぽいというのではなく)、映画のストーリーが身近で起きているかのような臨場感がありました。
それには演出はもちろんでしょうが、俳優陣の高度な技量があってこそ。皆さん素晴らしいのですが、特筆すべきはやはり杉崎花さん。NHKのテレビ小説に主演された時もその演技力の高さに圧倒され、それまでほとんど見たことがなかったテレビ小説を最後まで観届けてしまいました。
あとやはり脚本の面白さも際立っていると思います。舞台版は映画とはまた違って角度からストーリーが展開されるようで、機会があれば是非観てみたいと興味が尽きません。
しかし、ラストは大きく賛否が分かれるものと思います。果たしてこれで良かったのか。これが良かったのか。個人的にはちょっとモヤモヤする終わり方。これも監督が意図されたものでしょうか?
あと気になったのは録音。カット割りごとに目まぐるしく変わる音声の振り方がやや雑で、聞いていてあまり心地よいものではありませんでした。残念。
面白かった。
全276件中、141~160件目を表示














