DOGMAN ドッグマンのレビュー・感想・評価
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荒唐無稽だけどオモシロイ。ちょっぴり悲しいドッグマン誕生秘話。
アクション映画のつもりで見に行ったらぜんぜん違ったけどとても良かった。
1番気になる所を理屈で説明しないのが良い。
どうしてそんな事が出来るのか? なんてコトはどうでもいい映画だと思う。
あえて言えばワンちゃんとずっといたからだ。オオカミ少年みたいな感じ
そんな事より彼が語るドッグマンになるまでの彼の半生の話が面白かった。
彼は精神科医の彼女に包み隠さず話す。それは彼女の中に自分と共通する何かを見たからだ。最後に彼女が痛みを持ってるからといっていた。
シェイクスピアさえ完璧にマスターしとけば、舞台では何でも出来るヨみたいな設定が良い。それ関連の哀しい片想いは実らず可哀想。アーヨシヨシ泣くな泣くな。
さて、彼が初めて立った舞台が圧巻で、音が出ないように小さく拍手喝采したよ。ココは日本だから映画館で立ち上がって拍手するわけにいかんよね。
週1公演じゃあワンちゃんたちを養えない。ということでワンちゃんたち、自分達の食いぶちは自分達で稼ぐ。 所得の再配分てか? ただのドロボウですが、ものは言いよう。保険屋が優秀だった。
あと、悪いやつらがやられてザマーミロである。
続編が作られないことを祈る。
新たなイエスの誕生!?
「ミッドナイトスワン」や「ジョーカー」を彷彿させるダグラスでした。
幼い頃から父兄から虐待を受け、犬が心の支えだったダグラスは多数の犬を操ります。
時折挟まれる歌も知らないけど好感がもてます。
ラストのダグラスは、不自由な両足を立つシーンで、影が十字架と重なりまるでイエス・キリストの誕生(イエスが十字架に張り付けになった場面)のように感じました。犬に支えられたダグラスは、自力で新たな世界を求めているように感じ、気持ちのいいラストでした。
そういえば、ダグラスはよく神という言葉を口にしていましたね。
【"幼い頃から抱えて来た”痛み”を、多くの犬たちに癒されて何とか生きて来た男の壮絶で哀しき半生を描いた作品。”怪優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演と多くの犬たちの名演に魅入られる作品でもある。】
■ある夜中、精神科医で離婚した経験があるエブリン(ジョー・ジョー・T・ボックス)は拘置所に呼び出される。
そこには、崩れた化粧で血まみれの赤い服を着たダグラス(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)が車椅子に座っていた。
そして、彼はエブリンに自らの壮絶な半生を話して行くのである。
話が終わり、エブリンが”何故、私に話してくれたの。”と聞くとダグラスは”痛みを持っている人だから・・。”と答えるのである。
◆感想
・幼きダグラスの父と兄による虐待のシーンは、観ていてキツイ。家族よりも犬が大切と言ったダグラスを犬小屋に叩き込む、父の姿。身籠っていた母は、家を出て行ってしまう。
更には、父はライフルでダグラスを撃つ。
ー ダグラスは、ちぎれた指をビニール袋に入れ、一匹の犬に”車。警察の車に届けて・・。”と言い気を失う。警官が多数押し掛け、父と兄は逮捕。だが、ダグラスも跳弾により頸椎を気付けられ、下半身不随になる。-
■ケイレブ・ランドリー・ジョーンズと言えば、「バリー・シール/アメリカを嵌めた男の」ジャンキー役や「ゲット・アウト」の不気味な長男役、そしてオーストラリアで実際に在った銃乱射事件を起こした男を演じた「ニトラム/NITRAM」が印象的である。
彼は、どこかが壊れている役が嵌るのである。
今作もそうである。
・救出された彼は施設に入り、サルマと言う明るいシェイクスピア好きの女性を好きになり、その後成人してからもサルマの活躍の記事をノートにファイリングし、サルマの舞台を見に行った時に渡すシーン。
ー サルマは、既に結婚していて、夫もいる。ダグラスはそれでも、サルマを祝福するのである。ダグラスが人間的に温かい心を持った男である事が分かる。-
・ダグラスはバーの歌い手として漸く雇われるが、それだけでは多くの犬たちを養えず、犬たちを使い、金持ちの家から貴金属を“富の再分配”と言い盗ませ、町を牛耳るギャングの親分の股間を犬を使って咬ませるが、逆に刑事やギャング達に、根城にしている廃校を襲われるシーン。
ー 何処までVFXを使っているのか分からないが、ダグラスの指示通りに動く犬たちの活躍が凄い。-
<ダグラスは、確かに盗みはするが、狂気には落ちない。それは、人間、社会に溶け込めなかった彼を犬たちだけが守り、彼も犬たちへの深い愛があったからである。
今作は、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演と、彼が演じたダグラスの壮絶で哀しい半生に魅入られる作品なのである。>
人間生まれ犬育ち。
少年の頃に父、兄から犬小屋という檻に閉じ込められた女装男性(ダグラス)の話。
ある独りの青年の頼み(助け)を聞き受けた事であるギャングから狙われる事に…今現在と過去の事を女性精神科医エヴリンに語るダグラスの半生。
本作観ての感想は家族(母除く)より犬LOVEなダグラスだったけど、意思の疎通がとれてあんな風に犬を操れたら便利かもだけど、その犬へのLOVEは間違ってない!?作品としては面白いけど。
ラストのアスファルトに落ちる十字架の影に寝たのは懺悔の意味なのかな?
リュック・ベッソン作品だとTAXIシリーズ、トランスポーターが好きな私なんですが結構期待値上げて観に行ったんだけど…、終盤の様なギャングとのやりあい、アクションをもうちょっと観たかった。
基本的には宗教映画なので、アメコミ的なダークヒーローは登場しません
2024.3.8 字幕 イオンシネマ京都桂川
2023年のフランス映画(114分、PG12)
ある事件の容疑者と精神科医の会話を通じて構成されるクライム映画
監督&脚本はリュック・ベッソン
原題は『Dogman』で、劇中に登場する「In The Name of GOD」のアナグラム的な意味を持つ言葉
物語の舞台は、アメリカ・ニュージャージ州ニューアーク
暴力的な父マイク(クレーメンス・シック)と意地悪な兄リッチー(アレクサンダー・セッティネリ)、従順な母(イリス・ブリー)とともに育ったダグ(ケレイブ・ランドリー・ジョンソン、10代:エインカーン・パウエル)は、ある事件を機に犬小屋に押し込められしまう
母は夫に耐えられずに逃げ出し、ダグは犬たちとともに日々を過ごすことになった
ある日、子犬が生まれ、兄は嬉々として父に知らせにいく
ダグは全力で抵抗するものの、痺れを切らした父は猟銃を発砲し、それによってダグの指が吹っ飛んでしまった
ダグは犬のミッキーに指を託し、パトカーに届けて、警官を連れてくるように促した
ミッキーはダグの言葉を理解して、指の入った袋を路上の警察に届ける
それによって、彼は保護されて、施設にいくことになった
だが、父の放った銃弾は跳弾となり、ダグの脊髄を傷つけてしまう
彼は自由を得る代わりに立てなくなってしまい、車椅子生活を余儀なくされてしまうのである
映画は、ある事件の容疑者として拘束されるダグが、急遽呼ばれた精神科医エヴリン・デッカー(ジョージョー・T・ギッブス)と会話を重ねる中で、彼自身のこれまでを回想する内容になっている
犬小屋で母親が隠していた雑誌で文字を学び、施設に入ってからは本を読んで世界を学んでいく
そんな折、演劇クラスで教えているサルマ・ベイリー(グレース・パルマ)と出会い恋に落ち、彼女の薦めでシェイクスピアの演劇にハマっていく
彼は「別人になれる」ことを喜びとして、その後の「アーティスト」としての生活へと続いていく
ドッグシェルターは市の方針で閉鎖され、廃校となった高校に住処を確保するのだが、彼にはアーティストとは違う別の側面があった
それが「犬たちを使って富裕層から金品を盗む」というもので、映画の宣伝などは、この部分だけを強調して「ダークヒーロー」という宣伝をしているように思えた
映画は、ダグの壮絶な人生を描き、冒頭でフランスの詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌの未発表回想録の詩篇が引用される
この言葉に添うように、神から犬を遣わされたダグが、「同じ痛み」を持つエヴリンに犬を遣わす存在になっていく様子が描かれる
ラストシーンは電柱の影が十字架に見えるように配置され、そこでダグが倒れて、犬たちが駆け寄っていく
その犬たちの中でドアマンをしていた犬がエヴリンの元に行き、彼女は彼の死を知るという流れになっていた
物語は回想録で、死刑執行人との戦闘の余波で拘置所に入れられるのだが、あの状況と相手の数を考えれば正当防衛にも見えてくる
そんな中で檻から出たのにも関わらず死を選ぶ意味がよくわからず、犬が有能すぎてファンタジーという部分も含めて、ノレない部分も多い
冒頭の引用から宗教的な側面が仄めかされ、「DOGMAN」のアナグラム的な引用などの言葉遊びもあるのだが、ドラァグクイーンのシーンは全部口パクだし、なんだったのかなあという映画だったように思う
個人的には嫌いな部類ではないが、宗教映画のようにも見えるので、ダークヒーロー爆誕で飛びついた層にはウケが悪いように思えた
いずれにせよ、『ジョーカー』的な印象が強いものの、ダグは自分をヒーローとも思っていないし、犯罪という面でもそこまでえげつないものもない
マフィアっぽいおっさんの股間に犬が噛み付いたことで反撃を受けるのだが、それを返り討ちにしている流れにヒーローっぽさはなかったりする
好みがざっくりと分かれる映画だと思うが、聖書の引用や古典文学の引用が好きな人向けの映画のように思えた
なので、アメコミ的なヒーロー映画を観に来た層にとっては地獄の2時間だったのではないだろうか
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