DOGMAN ドッグマンのレビュー・感想・評価
全49件中、1~20件目を表示
肉体と精神の苦しみを、主人に忠実な犬だけが癒してくれる
最近よく見る、虐待を受けている主人公が何らかのギフトを受けて無双になる⋯かと思ったら違った。
女装した中年の男性が警察の検問に。
事情を聞かれる中語ったのは
記憶のために記す
貧乏なブリーダーの一家に生まれる。
親父はDVが酷く、母親は優しいが出ていってしまう。親父のミニチュアの兄。
大した理由もなく犬小屋に監禁される。
助かりたい一心の行動に発砲され、主人公は結果的に脊髄損傷(下半身不随)と小指を失った
しかし、警察にちぎれた小指を犬に届けさせ救われる。
施設に入り、元々あった頭の良さや才能を開花させる。→おっ?ギフトか?
孤児院時代に演劇の才能に目覚める
しかし、演劇に導いてくれた女性との別れ(初恋)
その女性を追っかけ、楽屋にも行くが彼女は既に結婚をしていた(失恋)
せっかく得た仕事(保護犬飼育)も、予算削減のため奪われる
強制執行の直前に犬を連れて隠れ家に引きこもる。
生きていくためにゲイキャバレーで歌うという仕事を得る
古いシャンソンなどを歌い喝采を得る→少し救われる
犬たちの飼育のために副業をする(犬を使って金持ちから窃盗を繰り返す)
ヤクザの親分を脅迫するも、逆に仕返しされる。
逃走途中で、検問にかかり現在に至る。
なんと悲しく、悲惨な境遇か。心を許せるのは犬たちだけ。
この犬たちが、素晴らしく、言葉や気持ちがわかっているとしか思えないほどだった。
主人公を演じたケイレブが素晴らしかった。
どうせ見るならこんな映画を見てほしい。
最後のシーンは思いが溢れて深く感動した。
優しい人たちと犬たちに囲まれて良い人生生きていってほしいと強く思った。
なるほどね。
大型スクリーンも導入している大きな劇場でありながら、上映していたスクリーンは80席ほどと小さく、この作品に対する期待値がそれほど高くないという現れなのかと少し不安に。
実際に鑑賞者はまさかのたった2名というほぼ貸し切り状態。これほど入りのない作品は初である。
作品はというと、要は犬を手なずけて悪をやっつける・・・みたいな感じ。
幼少期は決して良い環境ではなかった主人公。
イ〇レた父親に虐待を受けライフルで撃たれた際に損傷し、以来車いす生活になる。
あのような環境で育てられ、実の父親から撃たれ苦労する状態に陥れられるとか。
あるいは幼い頃に出会い憧れ、想いを寄せその後成功を収める女性に意を決して遠征して会いに行くも既に婚約者?がいて絶望するシーンとか、生活のためにとあちこち働ける場所を探すもどこも取り合ってくれず門前払いとか、よく“ジョーカー”にならなかったなと。
彼がジョーカーになる理由はいくつもあったであろうに、そうはならなかった。
そこが“ヒーロー”なのだろう。
ただ、あくまでも“ダークヒーロー”。
金銭に余裕もないため犬を使って金持ち宅に侵入して宝石を奪うなど一応“ダーク”ではある。どちらかというと主人公の生い立ちがダークということなのか?
犬たちがいなかったらすぐにやられているような感じはする。決して強くはない。
でもそれでいい。彼はスーパーマンである必要はない。
途中バーで歌うシーンがあるのだけど、あれは口パク?
実際に本人の歌声ならたしかにうまいとはおもうけど。口パクだったら残念。
金髪のウィッグといい、ヘアスタイルといい、体系といい。
海外版IK〇Oさんに見えて仕方がなかった。
途中で黒髪バージョンもあったのだが、あっちの方が似合っていたようにおもうし、ダークなヒーローなのでそういった意味でも黒の方が・・・とかおもったり。
冒頭で警察にとめられ、車の中で血まみれで登場する主人公には少しワクワクしたものの、マフィアのボスの小物臭(どこかコメディー俳優臭)といい、手下のザコ丸出し感といい、ちょっと残念だった。
主人公が負うハンデと釣り合うようにああいう設定にしたのだろうか?
とはいえ、後半のマフィアとの戦いのシーンはそこそこ見ごたえはあったようにおもう。
ラストは結局どういうことなのか、主人公がどうなったのか、よくわからず終了。
よくある「観る人に解釈を委ねる終わり方」というやつなのだろうか?
個人的にはもう少し白黒ハッキリした終わり方の作品であってほしかった。
わんわん忠臣蔵
何のかんの言ってもリュック・ベッソンは気になる監督だ。かつて「サブウェイ」の冒頭いきなりのカーチェイス、さらに列車が地下に突入するタイミングでタイトル、というカッコよさに心をつかまれて以来ということになる。
ベッソン監督に私が期待するのは、スタイリッシュで切れのいい映像とクールなアクション。前作の「ANNA」は久々に溜飲の下がる思いだった。そこへ行くと、今回は全体が精神分析医と接見中の回想というカギカッコでくくられているので、アクションがリアルタイムで躍動せず、弁証的に進行していく。ファンは(わがままではあるが)とかくスタイルの継続を求めてしまうのだ。
アナの出自も底辺の境遇だったが、この主人公はそれに輪をかけて悲惨な生い立ちだ。この部分が実話からヒントを得たというから、暗然とする。映画は時に様々な現実から題材を得て構想されるが、実際に虐げられた人々のことを思うと、深い淵に沈みこむような気持ちになる。人間はどこまで残酷になれるのだろうか(ウクライナやガザで今起きていることも然り)。
精神分析医のDV夫のエピソードは、後半で犬を使って制裁を加える展開を予想していたのだが、そこは肩透かしだった。
“IN THE NAME OF GOD”のからくりには、やられた!と思った。
檻
なんて言うか重いテーマだったような気がする。
「魂を救える神はいても、命を救える神はいない」とか…。
主人公はおそらくクリスチャンだと思ってて、ラストを思うに「死のみが救済」とか「唯一の救済が死という社会構造」だったり「主が与えたもう救済が死を迎える事であるならば、生きる事の意味は?」みたいな事なのかなぁとぼんやり思う。
物語は主人公の回想をなぞるような展開で少年期から語られる。
まぁ…キ◯ガイの様な親と、自分を捨てた母親と、父に隷従するような兄が描かれる。犬との絆を構築するに足る環境の提示なわけなのだけども、家庭の歪みって問題提起でもあるのだろう。
かなり長い期間、収監されていたようで…よく狂わなかったと不思議なくらいだ。
そんな背景を起点に語られるのは、不寛容な社会なのかなと思う。
初恋の人に、懸命に拍手を贈る様は痛々しいほどに健気で…誰よりも強くたくさん拍手をしていても、見つけてもらえない。それはつまり届かないって事だ。
自分は車椅子で周りはスタンディングオベーションだから。多数派の価値観に埋没している状況が強烈に伝わってくる。彼は周りにも自分にも悔しいのだと思う。
職を探そうにも受け入れ先はない。
行き着く先はドラッグクイーンである。類稀なるその歌声が彼を助けてくれる事になる。
普通の生活をしたく努力もしてみたけれど、与えられたのは普通ではない環境だ。
彼の居場所は、この世界のどこにもない。
彼はどうやら犬と意思の疎通が出来るようで…犬を使って法を冒す。
なのだけど、ここで疑問に思うのは「法」の範囲と効力だ。彼を受け入れない社会が、彼以外の人を主な対象に作ったルール。彼が崇拝する神ではなく人が作った戒律を強制される理不尽さを感じていたのかも。
犬を使った犯罪も相互扶助にとれなくもなく…誰も助けてくれなかった社会で、本能である食欲を満たす為、犬が勝手にやった事。
犬を裁く法律はないから、罪っていう観点の所在を問うような事かと。要約すると法に触れなくても罪深い人間は腐る程いるって事なのかなぁって。
いやまぁ、それでなくても罪深い存在って前提なんだよな、確か。
ラストになってマフィアが襲ってくるのだけれど、それまで仲間であり癒しと思ってた犬が、一変して牙を向き襲いかかる。
二面性みたいに思うけれどそうではない。獣の習性を発揮しただけだ。おそらく人間にもそれは当てはまる。危害を与える存在には牙をむき襲いかかる事こそ本能だ。従順である事は理性を用いて被った仮面なのだ。
まぁ…死ぬまでシッポしか振らない人間もいるんだろうけど。
ラストに彼は正装し教会の前で死ぬ。
あの自白を懺悔として「連れ出して欲しい」と乞い願う。彼は命を全うしようと足掻いたのだろう。それでも、もう疲れたと。
「もういいよね。もう許してほしい。色々ハンデを抱え生きてきたけど、やっぱりここに居場所はない。どうか神の御許に連れ出してほしい」
僕らが普通に生きてる世界は彼の目にはそう映るらしい。
…うーむ。
全力で否定できないところが悩ましい。
主演の人の歌声は本人なのだろうか?
いや、たぶん違うだろうと思って見てたのだけど、違ってたとしても、こんな重たい役をよくぞ全うしてみせたと拍手喝采だ。
ずっと諦めた人の目してたもんな。
見逃さなくて良かった…
ほぼノーマークでしたが、
リュック・ベッソン監督作品であること、音楽はエリック・セラであることを
あるきっかけで知り、
(映画「グラン・ブルー」や「レオン」でのタッグが有名です)
それはマストじゃない!?ということで観に行きました。
これ、見逃さなくて良かったです…
ホントに。
公開されて2週間なのに
上映館も上映回もぐっと減らされて風前の灯火😭
こんないい作品が
ほとんど知られずに消えていくのは何とも惜しく思います。
主演の俳優さんの演技はもちろんなのですが、
犬たちの演技?が素晴らしい。
犬って本当に人を裏切らないんです…(人は人を裏切りますけど。)
その忠誠心のなせる技なのかもしれません。助演賞をあげたいです。
幼いときに父親の虐待を受け、
車椅子の生活になってしまった主人公。
それでも何とか希望を見出そうとするのですが、世の中は冷たく、心を許せるのは犬たちだけ…。
そんな中で、自分と犬たちの糧を得るために次第に犯罪に手を染めていく。
唯一見つけた職場は、
ショーパブで女装をしての
週に一度のパフォーマンス。
エディット・ピアフや
リリー・マルレーンを歌うシーンは、思わず心が震え、涙なしには観れませんでした。
まさかリュック・ベッソン監督を通して
エディット・ピアフを知るとは…
劇中で歌ったのはピアフの「水に流して」。
〝良いことも悪いこともあったけれど、私は後悔してない…〟
それはまさに主人公ダグラスの生き方そのものだったのでしょう。
今、ピアフを聴きながらこれを書いてます。
犯罪はもちろん許されないことですが、
社会のひずみによって生まれた底辺の人たちによる犯罪は、
社会全体の責任でもあると言えるのではないか…
そんなことを考えました。
その罪を贖ったラストシーンの描き方に
長い低迷期だった監督の復活も感じました。いい映画です。
犬とドラァグクィーンの受難オペラ
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの女装した顔と犬を重ねたアートワークだけ見て鑑賞。
もっとグロいめのバッドテイストな作品かと思ったら、そこまで酷くはなかった。
むしろ、犬の檻を抜け出して施設に入所した少年ダグラスが、恩師ともいうべきサルマとシェークスピア劇に興じたり、ゲイキャバレーでドラァグクィーンとしてデビューした彼が、エディット・ピアフやマレーネ・ディートリッヒ、マリリン・モンローに扮して、リップシンクの芸を魅せるシーンが長かったりで、要は、ある種の(ミュージカルより相応しい)オペラとして楽しめば良さそうだ。
もちろん、ダグラスは、神の名の下に少年時代に虐待され、最後に十字架の影に倒れて息を引き取るのだから、キリストの受難のイメージを重ねている訳だけれど。
まぁ、考察し出せば、いろいろありそうだけど、まずは本作で使われた懐メロの数々を復習することから、作品の反芻を始めるのが良策かと思う。
【参考】※各自URLは検索してください。
『DOGMAN ドッグマン』の挿入曲とサントラ
2023.12.22
※以上、Filmarks投稿を一部修正の上、投稿
監督、もう少しカタルシスを
お約束のファーストカット、監督戻ってきてくれたんですね。
ジェットリーのダニーザドックが犬のように育った主人公の話だったのに対して、今回は本当に犬たちが出てくる話
スリービルボードで存在を知ったケイレブさん、どんなちょい役でも凄い存在感の俳優さん。
デビューは大好きなノーカントリーだったとはビックリ
何処か狂気を孕んだ雰囲気は本作でも健在、でも留置場で話すダグラスの優しい表情は新たな面を観れた。
残念なのはカタルシスが足りないところで減点1
最初に出てくるギャングの親分、結局ラスボスなんかーい。もっと姑息で変態で狂ってるやつがラスボスじゃないと物足りない。
レオンのオールドマン然りキスオブドラゴンのチェッキーカリョ然り
でも、エリックセラの音楽、良かった。
犬たちのイエスキリスト
主人公ダグラスは「規格外のダークヒーロー」であるが、犬たちのイエスキリストが誕生する物語ではないか。病的なほど理不尽に暴力的な父親の犬への扱いに反発したことから、犬小屋に閉じ込められて悲惨な幼少期を送り、それが原因で車椅子生活を余儀なくされる。あまりに過酷な境遇に置かれた状況を描けば、リアリティさからの乖離を感じるかもしれないが、DVや虐待されている当事者にとっては、大げさとはいえないのかもしれない。自らの半生を語り続けるうちにダグラス演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズの迫真の演技によってドッグマンの世界に自然と引き込まれていった。時には人生の伴侶であり熱烈な信者である犬たちを犯罪に利用するが、弱き者の御用聞きとなって、さらにこの世の不幸を背負うことになる。最後の十字架の影に自らの身体を授ける印象に残るシーンでは涙がこみ上げてくる。だが、これで終わりではない気がするのは自分だけか?キリストの復活を予感させる一幕でもあったように思う。
傑作過ぎる(*゚∀゚)
エンディングのサティーンが歌う"Autumn Star"も映画の内容にぴったりなソングですが、監督のリュック・ベッソンが映画を製作するにあたり、先ず実際にあった監禁事件や、殺人事件が起きた背景等を緻密に調べ上げてからストーリー構築を行った背景から、ダグラスの壮絶な半生がフィクションであるがどこか本当にあったかのような錯覚すら覚えてしまいます。
ダグラスは、闘犬用に育てられた犬の凶暴性を強めるためにわざと餌を与えないことに同情し隠れて餌やりをしていたところが兄にバレて厳格で暴力を振るうことも惜しまない父親により犬小屋に罰として監禁されてしまいます。
ダグラスの母は身籠った身体でありながら、過酷な環境には耐えられずダグラスをおいて逃げてしまうのだが、それが後々のダグラスの心に深く決して癒えぬ傷が生じてしまいます。
犬小屋でダグラスが父親に銃口を向けられ切断した指をパトカーに見せるようにと理解した犬が警察を動かし家に突入したことでダグラスは保護されるわけだが、自由を手に入れたと同時にダグラスは下半身不随に、車椅子生活になります。
ここまでがダグラスの幼少期ですが、愛を知らずして人間を心底信用することが出来なくなったダグラスには、一方的な思い込みで恋い焦がれ失恋に明け暮れても、傷心のダグラスの傍らには犬たちがいました。
それが、ますます犬たちとの絆をより強固にしていくきっかけになるのですが、同時にダグラスのブリーダーとして行きていくには社会性も無ければ理解者がいないために、結果悪の道に墜ちていくのは予想出来る展開だったと同時に、ラストの教会の前で倒れるシーンは最期は大好きな犬たちに囲まれながら昇天していきます。
ダグラスの人間として駄目な部分もギャングを相手に怯まず立ち向かう強い一面も、犬たちはダグラスを心底信用し、犯罪の片棒をかつがされても忠誠を誓い、教会にもかけつける姿は偉すぎるとしか言いようがありません。
想定外の作品
というか、何も想定せずに観に行ったのだけど。
犬がたくさん出てくる映画はどちらかというと犬がメイン。
忠実な犬と善人対悪人。
勝手にそんな内容を想像してしまうのだけど、これは違った。
メインはあくまでも人、ダグラス。
真夜中の検問に引っかかるバン。
運転席には金髪女装で傷だらけのおじさん。
後部にはたくさんの犬。
どうした?何があった?
呼ばれた精神科医(医師が夜中に呼ばれるんだね)エヴリンとダグラスの会話からダグラスの謎が紐解かれる。
どん底だった幼少期。
なんとか抜け出せたのも犬達のおかげ。
施設を経て不自由ながらドッグシェルターで働くダグラス。
またしてもどん底に突き落とされる。
ドラァグクイーン達だけが偏見を持たす、ダグラスに光を当ててくれた。
普段は太々しいくらい動じないダグラスだが、犬達のために一変する。
「エヴリンでいいわよ」「エヴリン」と呼ぶダグラスの笑顔が最高だった。
終始引き込まれ飽きずに(寝落ちせず)楽しめた。
しかし、なんであそこまで虐待する?と思ったが、実際起きた事件らしいから、それは愚問か。
それとエヴリンの闇?をもう少し掘り下げて欲しかったな。
信仰や神に責められる人生?
予告編から、「ジョーカー」とか「ベンギン」とか「キャットウーマン」とかバットマンの悪役たちの前日譚みたいなものを想像しており、リュック・ベッソンなのでどのくらいスタイリッシュにしてるんだろうと思いながら鑑賞。
バットマンの悪役たち風は予想通りで、虐げられ傷つけられ世の中と人間に不信感しか無く犯罪に手を染める、犬だけが心許せる存在というダグラスのひどい人生を延々見せられるだけ。スタイリッシュ、は目立ちません。キャバレーでエディット・ピアフを歌うところくらい。
キャバレーの同僚のドラァグクイーンのおねえさんたちが良い人たちで、少しだけほっとしたけど、ダグラスにはそこにほろっとする心の余地がない感じ。ヒトを信じるどころか親しく触れ合うという考えすら放棄しているような気がする。
彼は、始終、犬=家族を養うことしか考えられない貧乏家族の大黒柱の立場だったと思う。
なので金持ちや悪党相手ながら窃盗とかヤバい仕事も躊躇なくやる。もちろん、家長である自分の言う事を忠実に聞く、愛する子どもたち(=犬たち)を使って。
彼が障害者でなく、たくさんの犬を養う必要がなければ、もう少し幸せな人生を選べる道があったかも? いや、ないか。彼には犬しかいないので。
画面が暗く、グロく、不潔感でいっぱいで単純に不快。廃高校要塞(?)での、犬大活躍の悪党一味とのバトルも、グロいばかりが目立って爽快感がない。
似たものの匂いを嗅ぎ取ったエヴリンに自身の人生を語れたのは、彼という存在の生きた証になったと思う。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズはよく見たらイケメン。
難しい役を、絶妙に演じきったと思う。
犬たちが良かった。可愛く賢く、素晴らしい演技の数々でした。
神や信仰は、必ずしもヒトを救うものではないようだ。
というか、ダグラスは常に「神」に責められて生きてきたように見える。
狂信的な兄のいう「神」父の「神」ダグラスがうちに持っていた「神」
十字架の影を象って息絶えた彼は、何を思っていたんでしょうか、自分をキリストに見立てた?
GOD の裏返しが DOG は何かを暗示している?
キリスト教(に限らず)宗教に疎いので良くわかりません。
親ガチャ大外れのコドモが浮上すること無く人生を終えたという身も蓋もないハナシでどんよりしました。
人生は不条理なもの
映画『DOGMAN ドッグマン』まさに映画でないと作れないストーリーなんですが、なぜか現実味と説得感がある。人生の不幸に見舞われたとき、どうにも行き場のない絶望感、どうします。そんな問に答えを出してくれるラストが素晴らしい。
人間とはなんて不公平な生き物なのかな
幼少期から父親の虐待。
そのせいで、車椅子の生活。
でも、父親は敬虔とまでは行かないが、クリスチャン。
主人公の姑息な兄も含めて、標準のアメリカ家庭よりかは、信仰を持つ家庭。
荒れ狂う父。
でも、クリスチャン家庭。
そう、こんな理不尽は、ごく当たり前。
こうなると被害者の息子は、神を呪ってもおかしくない。
しかし、彼は信じられないくらい真っすぐな少年。
こんな、おとぎ話のようなおはなしは、映画だからつくれるなと。
だけど、作り話だとしても作者の思いが込められていると。
見るものに説得力を持つ、不思議な力を持った作品です。
ワンちゃんたちが、もう一つの主人公
不幸を絵に書いたような主人公の生活。
そんな、彼の唯一の友人であり、父であり母であり。
そんな役どころの犬たち。
無償の愛を提供してくれる。
そんな存在なんでしょうね。
彼が生きてこれたのも犬たちがいたから。
だから、そんな犬たちのためには、自らの命をも捧げる。
そんなラストが、心にしみます。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演
といいますか、成人した主人公を演じる。
その圧倒的存在感が光ります。
特筆すべきは、ドラッグ・クイーンを演じる場面。
「リリー・マルレーン」を歌うマリーネ・デートリッヒを演じる場面が圧巻だ。
キャバレーを主人公が、初めて訪れる場面のユーリズミックスの「sweet dreams」も心憎い。
スタッフ、役者全てにおいて完成度が高い。
なかなかこれだけの作品には、お目にかかれない。
ラストがたまらない
打ちひしがれる主人公。
人生の辛酸をなめ尽くし。
なおかつ、愛する犬たちとも別れの時が。
不幸な星の下に生まれ、理不尽な暴力に耐え、不自由な体で必死に生き。
なぜこれほどまで、神は私に試練を与えるのか。
人生の不条理の塊のような、主人公の人生。
しかし、行き場のない主人公のラストに向かうところは。
そう、それでも私は、神様の身元に帰ります。
泣かせるラストだ。
久しぶりベンソン
ハリウッド的フランス映画のスタイルが好き
以前に、捨てられた犬の話がありましたが、少年が
虐待を受けて犬小屋で過ごして身についたすべ。
少し気の毒だな。
ラストは、ハッピーなんだろうか?
犬か人かそれが問題だ!
とても良かったです。
主人公のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが見事で、目が離せない映画でした。
物語りは、警察に捕まった主人公が精神科医のジョージョー・T・ギッブスに半生を語るもので、とても分かりやすいです。
時間軸の移動や場面の切り替えが多いのですが、シナリオが親切なので問題ありません。
主人公の抗うす姿に感動してしまいましい、レビューが4.5となりました。
主人公は精神科医と話すことで、気づいてしまったのでしょうか。
もう少し長く観てたかったです。
全編犬達が可愛いくて、ガードマン役のドーベルマンが、今後精神科医宅を警備するのだと思います。
最後、脊髄液の漏れがあったのでしょうか?
不幸なる者のところに 神は犬を遣わす
犬は本来群れを作って生活していて、その中でリーダーを立て、犬社会のルールに従って平和に暮らす事が出来る動物です。
噛み癖や無駄吠えなどの問題行動がある子って、そもそもが人間の接し方が間違っているからなんです。
犬は賢く美しくチャーミングで健気。
人と一緒に何かをする事に喜びを感じてくれる、とても友好的な動物です。
作中のダグラスのセリフ
「人間を知る程に、犬への愛が深まる」
「犬の唯一の欠点は、人間を信頼することだ」
人間く犬 なんじゃないかと思う時もあるよ。
人間は愚か過ぎるし、犬は純粋過ぎる。
こちらが申し訳なくなるほどに。。
少年期のダグラスの家庭は「闘犬」の仕事をしていた。
闘犬の歴史や、それに携わっている人を批判はしないが、愛犬家としては辛かった。
これから訪れる猛暑日。焼けたアスファルトを歩く事になる時間帯の散歩はやめて!チャリで引っ張る散歩もやめて!
それから一部の愛犬家達の行き過ぎた変愛によって、犬に対してネガティブなイメージが付いてしまう事も残念に思う。
間違っているのは人間で、犬ではない事は知っていて欲しいです。
と、犬がたくさん出てくる作品なので、、
犬に対する愛を書きましたが。。
いや〜!!久々に心臓を鷲掴みにされた作品でした。私の中では傑作!!
刺さったーー!!
まず、ダグラスの少年期を演じたリンカーン・パウエルが、とにかく素晴らしい!!
悲惨な状況下で過ごすシーンも、サルマと出会って変わって行く様子もお見事!
数々の傑作を演じる演劇シーン。
表情、セリフの言い回し、声量まで全てがパーフェクト!
駆け寄って抱きしめてあげたくなりました。
青年期。犬達と、サルマとの大切な思い出だけが救いで希望でもあった若きダグラス。
このパートは、全体的に感情を抑えた、静かなトーンを通すダグラスが、感情を爆発させる数少ないシーンも含まれており、こちらの心もヒリヒリと痛んだ。
そして何と言っても凄いのは、
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ!!
怖いくらいの圧倒的な存在感!
ダグラスの人生を全身全霊の演技力で魅せてくれました。
ベッソン監督のキャスティングにはいつも感服してしまうのだが、本作も然り。そしてキャストも120%の演技でそれに応えており、全てが完璧だった。
刺さったーーー!!
私は聖書も詳しくないし、キリスト教原理主義者の信仰心もわからない。
だだ、父親と兄の描かれ方は、アメリカ白人保守者への皮肉、批判が強烈で、ヨーロッパ人のベッソンならではの表現なのかなと思いました。
(アメリカ国旗も掲げられていました)
フライヤーのキャッチコピー。
まるで「ジョーカー」??
私はジョーカーは、アーサーの妄想部分が大半なのかな?という理解だったのですが、もしかしてダグラスも
「信頼できない語り手」だったのか。。?
と混乱している。
サルマの所へは行ったのかもしれないが、実際には会えなかった?とか
(結婚は記事で読んで知った?)
見所だったピアフ!!!
リリーマルレーン!!
だけど明らかに吹き替えでした。
本当はあれ程の喝采は得られなかった?
(あれが現実だったら、ベッソンはケイレブ本人(ダグラス)に歌わせていると思うんだよな。。)
それに、現実だったとしたら、観客、支配人、ドラッグクイーン達の心をあれ程掴む事が出来たのなら、もっと出演オファーがあったはず。
車椅子があの場にそぐわなかったとしても、椅子に座ってのパフォーマンスでも許されそうだし。。
ファンだと偽って楽屋に訪れた調査員が渡した一輪のバラ。
「本物のバラ?」「本物だ」
の会話も引っかかっていて。。
そんな事言うかな?違和感あった。
もしかしたら、ここは実際に起きた
「本物」で、他は「こうだったら良い」っていう妄想?!
現実と妄想が混在していて、ダグラス本人も区別がつかなくなっているのかもしれないが。。
これも私の妄想か??
監督の意図とは違うかもだし、読み取りが出来ていない部分も多いだろう。
しかし、心臓を鷲掴みにされた事には違いない!
聞き手となる精神科医のエブリンもキーパーソンだった。
ダグラス同様に男である父親、パートナーに苦しめられている。
子供や女性、弱者が男の暴力に脅かされているのは、人種・年齢関係なく今も続いている。
ダグラスが女性のように着飾っているのは、自らの男性・性を否定したい現れだったのかなと思った。
あと、やっぱり、ダグラスは、
GOD F◯◯◯!!だったと思うのよ。
GODのかがみ文字でDOG 反転。。
聖書で「犬」はかなりネガティブな扱いなのは有名ですが。
その遣い手のDOG MAN
補助具を外し、自らの足で歩き、教会を見上げるダグラス。
絶命するとわかっていても神の前に立つのだ。
どうだ!!と言わんばかりの彼の意思がこもった強い眼差し。
紫のジャケットに身を包んだのはダグラスのプライドだろう。
落とし前をつけたんだと思った。
(「紫」はキリスト教では、償い、死者の贖罪という意味があるそう。
ジョーカーも紫色の服を着ていたと思う)
キリストの十字架の影の上に倒れたダグラス。
このシーンもまるで反転しているかのようだった。
( ; ; )( ; ; )
ラストは名シーンになり得たはずなのに!!
カットもカメラワークも良かったと思う。
それなのに映像面でのCGの粗さ?
安っぽさが目立ち非常〜〜に残念!!
ブルーバックじゃん、もうちょっとど〜にかならなかったか!
何で最後の最後でアレなんだ( ̄∇ ̄)
(フランダースの犬なのは良いけど)
それから予告の見せ方がミスリードだし、
キャッチフレーズの
「ダークヒーロー爆誕」って( ̄∇ ̄)
ジョーカー意識で集客を狙ったのかもしれないが、、
いらないいらない安い安い。
私にはダグラスがダークヒーローには思えなかった。
レオンの〜もいらないいらない。
(フライヤーが「ゴールドボーイ」
タイミング悪かったね泣)
今回のエリックセラは随分とメジャーな楽曲を選んできたなという印象。
でも選曲が名曲中の名曲、傑作ばかりなので、みんな知っているから、感動は絶対に!誰でもしちゃう仕組み。
私も当然号泣。
タイトルにした聖書の言葉。
理解が、難しい。。
と、長々書いてきたけど、
終始放心状態でフリーズ。
なんだけど、震えるの!すごかった!
3月。コレで終わってもいい。
刺さった〜〜!!
◎私の観方は違うかもしれません。
自分でも整理出来ていないので、矛盾点とかあると思いますが、とりあえず、熱い気持ちを残しておきたく書きました。
みなさんのレビューをたくさん拝読したくなる作品でした。
人は愛され、守られたい
こないだ鑑賞してきました🎬
ドッグマンことダグラスを演じたケイレブ・ランドリー・ジョーンズの視線や表情、喋り方が非常に良かったと思います。
彼の苦悩や悲しみなど、複雑な感情がしっかり表現出来ていました。
楽屋での保険屋アッカーマンとのやり取りで、ダグラスが目を細めるところが印象的でした。
エヴリンにすべてを話した彼は、ラストシーンではどうなったのでしょう…。
こういう映画が日本で流行るかどうかは別として、私は好きですね🙂
犬たちが大活躍でした🦮
面白くなかった。楽しめませんでした。
監督の代表作「レオン」言わずと知れた名作で、もちろん私自身も好きな映画の一つだったため、割と期待値高めにして見に行ってしまった。
それが仇となってしまったのか結果はタイトル通り。
構成が悪かった。
大まかにシーンを時系列順に分けて言うと、6→4→1→2→3→5→7という順番で物語が進んでいく。
物語中盤(時系列で言うと1.2.3)主人公が、劣悪な環境で残酷なDVを受け、愛をもらわずに育ち唯一の心の拠り所として犬を支えに生きる。
そこからの脱却、恋、失恋、仕事、犯罪と様々な経験をしていくところまでは、見応えがありまだ面白かった。
ただ6の警察に捕まるシーンから始まるので、
5のギャングとの抗争や、5の最後でギャングのボスがダグラスに銃を構えるシーンで(どうせダグラスが勝つしなという)メタ的な視点が入ってしまい、ヒリヒリ感というか恐怖や不安が全く煽られる事もなく予想通りに終わる。
銃撃戦も、簡単な罠にギャング達が易々とかかってしまう。ホームアローンみたいに罠に伏線やストーリーがあったら楽しめたのに、それらもなく急に落とし穴や電流が出てきて、呆気なくやられてしまい全然魅力が感じられずに終わってしまった。
アクションらしいアクションも無く残念。
そもそも4でギャングのボスの股間に噛みついて喧嘩を売ったシーンから必然的に5の予想がつき、結末があらかた分かってしまう。
そのついてしまった予想を見事で斬新な脚本で越えてくれる事を期待したが、それらも無かった。(犬を使って脱獄するという面白くない裏切りはしたが)
また物語の要所要所で、犬が有能では済まされない、もはやチート的な使い方をしているのも個人的には興醒めしてしまった。
全体的に宗教とも絡めていたが、個人的には本筋の物語が楽しめなかったため、正直そこら辺はもうどうでもいいしうざったく感じてしまった。
ジョーカー、メメント(少し違いますがラストシーンぐらいから始めるという意味で)、ホームアローンを合わせて中途半端に取り出した感じの映画。
アクション映画にも、ダークヒーロー映画にもならず、よく分からなかった。
ただ主演のケイレブさんの演技は抜群に良かった。
あとまぁ犬は可愛かった。
リュックベッソン作品
リュックベッソン、新しいの作ったんだよなぁ、くらいの知識だけでタイトル名と監督に惹かれて観てみた。いやー面白かった。前知識無く観に来たので全く展開読めず、何か、、色々な種類の映画を一気に観た感覚。リュックベッソンらしさもあり、楽しく観れた。ワクワクするような、観いるような、ドキドキするような、悲しくなるような、共感するような。色々な感情を沸かせてくれた。映画は素晴らしい。ダークヒーローとポスターにあったが、ヒーローというのかな?これは。まあ、ジョーカーぽさはあった。ジョーカーはヒーローじゃないね。
犬たちの大暴れはディズニー的要素も感じた(笑)
全く関係ないが、ネタバレボタンを押さず、内容、あらずしをめっちゃ書いてる人は何なのだろう?あらずしめっちゃ書いて、最後に「良かった」とか。なら、良かっただけで良いよって。レビューは見た後以外に見ちゃダメね。あらずしは感想ではないと、私はおもう。という愚痴。
再分配してるだけ
劇場でベッソンを鑑賞するのは「アンジェラ」以来18年振り。他のレビュアーさんも書いている様にジョーカー的な作品でした。ジョーカーと違うのは、ダグラスには犬がいたからまだ正気を保っていたところ。ダグラスと似た様な恵まれない生い立ちでも、懸命に生きている世界中の人達を想像してしまいました。彼はお金持ちから宝石を盗むことを「再分配してるだけ」と言ってましたが、お金があれば救われた人達が世の中にどれくらいいるのでしょうか。ダグラスの父親も兄もキリスト教原理主義でしたが、神は彼らを救ってくれませんでした。そして神はダグラスの事も救ってくれませんでした。これがリアルな世界なのだと思います。
2019年に日本公開の「ドッグマン」イタリア制作も本作と違った不条理さがありオススメです。
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