「与えられた苦境で、なお神のことを信じて」DOGMAN ドッグマン ひなたんくさんの映画レビュー(感想・評価)
与えられた苦境で、なお神のことを信じて
こんなに強くて優しくて哀しい人が居たら、抱きしめて一緒に泣きたい。
そんな気持ちになりながら、いつの間にかその強さに惹かれるほどになり、
最終的には人であれ、犬であれ、他者を介して人は自分の強さを作り、
関係性が人の優しさを作っていくのかなと思った。
正直なところ、ここまで人間側の都合よく犬たちが動いてくれることは
現実にはないかもしれない。
でもそれが人であれ、犬であれ、他の動物やひいては人工知能であったとしても
関係性を構築していくことは出来るのではないかという希望。
そして神を信じる心が人を支え、他者のせいにしたくなるような環境や
物事に対しても、なぜかと問う相手としてくれているようにも感じた。
彼はとても優しい。
その優しさをどうやって構築したのかと言われれば、
やはり犬たちから教わった優しさから学んだのだろう。
彼はとても強い。
そのしなやかな強さは犬たちを守りたくて、
守るための自分を作り上げたのだろう。
それぞれの場で人間関係を構築しようとせず、背を向けるのではなく
きちんと彼なりの距離感で、
彼なりのやり方で頑張ってきた結果、
彼の選んだ道は哀しいものではあったけれど。
音楽と映像とストーリーの交じり合った、好きな映画がまたひとつ増えた。
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