「面白くなかった。楽しめませんでした。」DOGMAN ドッグマン オニオンスープさんの映画レビュー(感想・評価)
面白くなかった。楽しめませんでした。
監督の代表作「レオン」言わずと知れた名作で、もちろん私自身も好きな映画の一つだったため、割と期待値高めにして見に行ってしまった。
それが仇となってしまったのか結果はタイトル通り。
構成が悪かった。
大まかにシーンを時系列順に分けて言うと、6→4→1→2→3→5→7という順番で物語が進んでいく。
物語中盤(時系列で言うと1.2.3)主人公が、劣悪な環境で残酷なDVを受け、愛をもらわずに育ち唯一の心の拠り所として犬を支えに生きる。
そこからの脱却、恋、失恋、仕事、犯罪と様々な経験をしていくところまでは、見応えがありまだ面白かった。
ただ6の警察に捕まるシーンから始まるので、
5のギャングとの抗争や、5の最後でギャングのボスがダグラスに銃を構えるシーンで(どうせダグラスが勝つしなという)メタ的な視点が入ってしまい、ヒリヒリ感というか恐怖や不安が全く煽られる事もなく予想通りに終わる。
銃撃戦も、簡単な罠にギャング達が易々とかかってしまう。ホームアローンみたいに罠に伏線やストーリーがあったら楽しめたのに、それらもなく急に落とし穴や電流が出てきて、呆気なくやられてしまい全然魅力が感じられずに終わってしまった。
アクションらしいアクションも無く残念。
そもそも4でギャングのボスの股間に噛みついて喧嘩を売ったシーンから必然的に5の予想がつき、結末があらかた分かってしまう。
そのついてしまった予想を見事で斬新な脚本で越えてくれる事を期待したが、それらも無かった。(犬を使って脱獄するという面白くない裏切りはしたが)
また物語の要所要所で、犬が有能では済まされない、もはやチート的な使い方をしているのも個人的には興醒めしてしまった。
全体的に宗教とも絡めていたが、個人的には本筋の物語が楽しめなかったため、正直そこら辺はもうどうでもいいしうざったく感じてしまった。
ジョーカー、メメント(少し違いますがラストシーンぐらいから始めるという意味で)、ホームアローンを合わせて中途半端に取り出した感じの映画。
アクション映画にも、ダークヒーロー映画にもならず、よく分からなかった。
ただ主演のケイレブさんの演技は抜群に良かった。
あとまぁ犬は可愛かった。