「良い作品だったけど結末だけモヤった」愛を耕すひと サミーさんの映画レビュー(感想・評価)
良い作品だったけど結末だけモヤった
結末だけ、本当に結末だけ、主人公の動機が本当に理解できなくてモヤモヤした、、
10数年掛けたであろう野望をようやく叶えた矢先、娘(同然に育てた子)が独立して1人で孤独感に押し込まれたから、やっぱ全てを投げ捨てて自分を助けた恩人のアンを脱獄させるくだり…
なんか動機がそこだけ「1人で寂しいから」に見えて主人公が一気に自己中に見えたんだよね…
なんでこんなモヤモヤしたんだろうって自分の中で整理したくて殴り書きだけど、
1.そもそも命の恩人であるアンを助い出したいのならいつでも出来たのに、タイミングが娘が独り立ちした何年も後。その間アンはずっと投獄さてれていた。
そこは娘を一度送り出したのと同じ理由で、命の恩人を救いたいより、土地開発を優先してただろう。
2.仮に娘が独立しなかったら、アンを助けに行ったのか?
3.アンの釈放を求めた時はまだ農民扱いだから取り扱って貰えなかったけど、貴族になったのならもっと特権を使えたじゃ無いのか。(奴隷にされるタイムリミットはあっただろうけど、話を聞かされるタイミングは娘の独立前だから、そこも彼女が独立して無かったら助けに行ってないのでは)。
4.結局娘にも何も残せないよね…遊牧民?とこの先結婚したとして、貴族の称号があるならもし何かあった時も助けてやれたじゃないのか。娘の人種問題もこの先何かしら打ち当たるのだろうから、そこも貴族として助けてやれたのじゃないか。後娘が帰郷した時に誰も残ってない…
5.物語冒頭よりも更に一文無しになっててこの先アンとどうやっていくの?
6.1を踏まえてだけど、アンを助けたいの理由も見えない。「命の恩人だから」ならもっと早くに助けて、娘と家族同然に3人で暮らす世界もあった。「愛する女だから」にも見えない(貴族の娘にも気があったように読めた)。ただ「1人で寂しいから」にしか行動原理が読めなかった…
ここまでで衝動的な描写もあるけど、行動原理がしっかり読める主人公だったから、ラストだけ急に短絡的で後先何も考えてない感じがした。
1時間20分は良い映画だったのに最後の2分で全部ひっくり返された気分。
やっと手に入れた称号も何の役にも立たず、それにより命を絶たれたアンの元夫の命も報われず…
因みに実話の方は貴族になってその土地で寿命を迎えたらしい。
ただ1時間20分は本当に良い映画だったのよ。
構成も人物描写もとても丁寧で、情景と心情が上手くマッチングした撮り方してるし、各登場人物に移入出来る作りだった。
マッツが短髪でイケメンでHANNIBAL再来並みに人を家畜のように殺めて馬乗りで人をぶん殴って頭をぶたれて跪きで縛られて髪を掴まれて鞭打ちされて地下牢に物のように放り投げられて惨めに泣き叫ぶあたりも置いといて。