オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
全735件中、201~220件目を表示
あだ名(略称)が可愛いオッピーの話
天才物理学者J・ロバート・オッペンハイマーは『原爆の父』である。
内容は難しいですが、オッペンハイマーが原爆を”創るまで”から、”創った後”のことも知れる伝記映画です。
伝記映画ですので、実際の話を元に丁寧に作られていまして、原作本もあったりします。
『オッペンハイマー 上 異才』
『オッペンハイマー 中 原爆』
『オッペンハイマー 下 贖罪』
の三部構成の原作で自分は読めていませんが、映画が難解な話ですので、これから観る人は予習として見るのも良いかもしれません……。
(本を読了してから映画観るの……意識高くて凄いです……。)
この映画を観て自分は、
オッペンハイマーは実在する人なんだ──と思いました。
映画内容は非常に複雑で自分は内容を理解することが出来ませんでした……が、スクリーンの中にいたオッペンハイマーは正しく人間でした。
何を言っているのか分からないかもしれませんが、自分も何を言っているのか分かりません。
オッペンハイマーは皆さんも知ってるように、人の名前です、ですのでもちろん人間です……。
でも原爆を創ったやつです……。
観る前は、どんな冷徹でサイコパスなやつが出てくるのかと思いました。
血も涙もない、マッドサイエンティストを妄想しました。
ですが、観たあとのオッピー(オッペンハイマーのこと)への印象は変わりました。
彼は作中で最も共感出来る人物です。
性欲はまあまあ強くよく女性とHするし、友達を庇うためにたまに嘘もついちゃったり、破壊兵器を創って病んだり……。
劇中の一言。
「手が血で汚れているように感じます」
原爆を創った罪の意識から、水爆の開発に反対し続ける人生をオッピーは送ります。
彼は戦争を終わらせた英雄ではありません、進歩を止めなかった1人の科学者であり、人間です。
オッピーは自分達と同じく人間味溢れる1人の個人でした。
ですが、オッペンハイマーという映画は前述した、オッピーの人間味だけでは楽しみきれない難しい映画だと個人的には思います……。
バトル漫画のように主人公の成長を楽しむものではないんです……多分。
歴史漫画のように、オッピーの周囲の環境の移り変わり(歴史)も考えた上で、観ることで楽しめるようになると思います。
(映画なのに例えが漫画ばかりすみません……。)
ですので、作中に登場する時系列について触れようと思います……。
重いので触れるのは少々はばかられますが……劇中のラストに繋がる大切なところなので少しですが触れていこうかと思います。
理解して観て頂けた方がより映画を楽しめると思います。
(ネタバレにならないように……気をつけていきます。)
劇中には主に3つの時系列があり、場面ごとにそれぞれの時系列へ移り代わっていく形でストーリーが展開されていきます。
1つ目:1954年オッペンハイマーへの聴聞会
2つ目:1959年ストローズ長官任命の公聴会
3つ目:オッペンハイマーの学生時代から原爆を創るまで
の3つの時系列が劇中にはあります。
(聴聞会→意見を話す機会)
(公聴会→色々な人から話を聞いて何かを決定する)
他にも移り変わったりするのですが基本的にはこの3つの時系列です。
時系列が3つも用意されていて難しくなっているのです。
自分は、突然変わって頭が混乱しました……。
で、時系列と一緒に重要になってくる人物がいます。
もう1人の主人公? ストローズです。
突然時系列が変わったかと思ったら、モノクロ映像になったりします。
この映画は基本的にはカラー映像の映画なのですが、たまにモノクロ映像になるのです。
これは演出の1つとしてなっているもので、モノクロ映像のときはストローズの目線の時だそうです。
一人称的(心情が分かるよう)なのが貰えているためストローズの気持ちが劇中で伝わってきて、ストローズを主人公のように思えます。
劇中のストローズはオッピーの邪魔をするやつですが、彼にも彼なりの動機があるので、そこも注目して頂けると良いかもしれません。
これ以上話すとネタバレになってしまうかもしれませんので……まだ観れていない方は劇場またはご自宅等で是非ご覧ください!
面白い映画ですので、是非是非(っ ॑꒳ ॑c)
(三時間もあるので、時間のゆとりのある時に……)
広島、長崎へ向う原爆に涙
オッペンハイマーの苦労と苦悩が詰め込まれた3時間、どっぷりくたくたになる映像体験。
相変わらずノーラン監督スゴい。
どうしても日本人目線になるが、彼が原爆をようやく完成させ、予想を超える惨状となった広島長崎を知ってからの心境はよく描かれていたのではないでしょうか。そして彼を陥れて名声を勝ち取ろうとするもの。そういった人間や軍の上層部、大統領が恐ろしい。
彼が原爆を作らなくても、誰かが作っていた。
広島長崎に落ちなくても、他の国に落ちていた。
そんなifも容易に想像出来る。
ずっと冷静に客観的に見るよう努めていたが、完成した原爆がトラックに載せられ基地から出ていくところを見たら自然と涙が頬を伝っていた。
アカデミー賞に値するかどうかは分からないけれど、この映画で原爆に、そして広島長崎に興味を持ってくれる人が増えるならこの映画の意味合いはとても大きなものじゃないかと思います。
そういう意味でとても良い、観るべき映画でした。
241 ドイツ降伏したけど余った原爆どうする?黄色いサルに落としとけ!ええ実験や。
時間軸が出てこないので誰が誰と対比しているのか
出だしはさっぱりわからんかったよ。
またメメントとかテネットの類か?と焦る。
それと量子学と物理学がどう違うかも知っとかんと
アイシュタインとボーアの関係もわからんし。
ようやく原爆実験のころから目が覚めてきた。
苦悩する科学者として物語は閉じられるのかと思いきや
比重としては陥れられたヒーローの方が大きいのか
原爆投下から(それもヒロシマナガサキは直接的な表現なし)
さらに1時間ほどかけてアカ狩りの実態に迫る。
主役キリアンマーフィー
いつもクリスチャンベールと見間違うけどアカン?
エミリーブラント今回も強いです。
マットディモンこの人性格悪い役も淡々とこなすんや。
アイアンマン老けたなあ、これCG?
可愛い子フローレンスビューちゃんやん!ええのかこのシーン!
共演者もリアルでよかったです。
80点
イオンシネマ草津 20240425
パンフ購入 ¥1200高い!けど中身は充実
追伸
当然本作はアメ目線に描くがヒトラーに勝った!より
原爆投下日本撃沈に拍手を送る民衆にはゾッとした。他にも
アカいとヒステリックに糾弾する当時のアメは
現代のLGBTに共感しないものを問答無用で攻撃するのと被る。
また日本は非公式に天皇陛下の身分保障さえあれば降伏することも
伝えていたが兵士の安全のためにという大義名分のもと
アメは原爆投下という民間人大殺戮を行った。
(過去の汚点の)ジャニつぶしの奴らはこっちも追及しろよ。
ストーリー 7 演技 6.5 芸術 6 エンタ 6.5 総合 7 ...
米アカデミー賞7部門
間違いなく映画史に残る作品かなと思います。唯一の被爆国に生まれた人間の一人として、原爆に関する記録や物語は数多くみたり読んだりしてきましたが、初めて原子爆弾を作った人のことは考えたことがなかったので、とても興味深く観ました。オッペンハイマーは、1960年に来日していて、そのときの講演で「世界中から核兵器をなくしたい」と語っているそうですが、その複雑な心境の断片を今作が描いた彼の半生からも読み解くことができるように感じました。冷戦が終わり、束の間の平和が幻想であったかのようにウクライナ紛争やイルラエルのガザ侵攻などの破壊行為が続発していて、その背景には核による威嚇もあるので、今作と地続きのような緊迫感やリアリティを感じました。個人的にクリストファー・ノーラン作品は苦手で、今作も少々判りにくかったのですが、強いインパクトがありました。
反戦映画ではない
既に公開から3週間経過し、多くの方が講評をリリースしている中、敢えて自分なりの見解を申し上げます。
多くのコメントで明瞭な反戦映画と評していますが、私はそうは思えません。ごくごく普通の平凡で根は小心な一市民が、人より優れた知能を有して、そしてそのためにほんの少しの功名心と虚栄心を抱いたがゆえに、図らずも緊迫した時代環境に流されてスパイラルに狂気に陥っていった、一人の職人的科学者の壮絶な生き様を描いた伝記的作品だと思います。
オッペンハイマーの小心さは、二人だけの会話で顕著に現れます。彼は相手と目を合わしません。相手の目線を避けて会話していて、いつもおどおどとして喜怒哀楽を表に出さず落ち着きません。
そもそも本作には自然描写も、ラブロマンスも、アクションもなく、クライマックスの原爆の実験シーンを除いた殆どのシーンが室内の会話で進行します。その上、非常に多くの登場人物が現れ、各々が自己の意見や感情を言葉で表現していきますが、各人物のプロフィールや事情背景に一切説明はありません。
実に鬱々として延々3時間に亘って、短いカットを刻んで長回しは殆どなく、息つく間もなく速いテンポでドラマが展開していきますが、しかし迷子にもならず退屈することもなく、一気にラストまで観客を惹き付けたのは、さすがにアカデミー賞作品賞受賞に値します。
その一つの要因はBGMの見事さです。あまり感情を表情や言動に出さず、寡黙な主人公のその時々の心の内を如実に表していたのは都度奏でられる多種多様なBGMでした。アカデミー賞音楽賞受賞は当然の結果です。
もう一つの要因は編集の見事さです。クリストファー・ノーラン監督のあの独特の、頻繁に、そして小刻みに時制を行き来するカット割り、カラーとモノクロを織り交ぜて、何の注釈もなく組み合わせる映像構成は、観客を翻弄し大いに戸惑わせます。それでも迷路に陥ることなくスクリーンに注視させ続けたのは、偏に編集の技量によると思います。アカデミー賞編集賞を受賞したのも宜なるかなと思うしだいです。
狂気に陥った天才科学者を描いた点で、『ビューティフル・マインド』(2001年)に通じるようにも感じます。幸いにもオッペンハイマーは、天才性の人並外れ度合いがまだ常識的だったのでしょう。精神の異常と正常の境目で留まったのですが、ただそれゆえに一般市民としての苦しみに苛まれたのだと思います。
原爆開発は、彼にとっては一科学者としての研究目標達成の結果に過ぎなかったのであり、その成功によって普く称賛されたことは、彼には寧ろ意外で訳が分からない結末だったのではないでしょうか。
ただ原爆実験に成功し、どこか照れくさげに胸を張る彼の姿は、私には京都高尾の古刹・神護寺が蔵する「伝源頼朝像絵画」がオーバーラップして見えました。偉大な業績を成し遂げた自信と達成感、そして充足感を発散しつつも、結果への戦慄感とこれからの未来への漠然とした不安感が併存して見えた気がしました。
一方で、原爆が決して順当なプロセスを経て計画通りに完成したのではなく、奇跡と偶然の結果として描かれたのは非常に印象的でした。オッペンハイマーを含め、内心では確証が持てないままに試行錯誤を繰り返し、紆余曲折を経て漸く辿り着けたゴールであり、関わった人間たちの叡智と探求心、崇高で気高い使命感によって成し遂げられたのであって、それゆえにその時々に携わったスタッフの極度の緊張感と不安感がスクリーンに溢れていました。
将にオッペンハイマーという科学者を中心に据えた、原爆開発という科学的研究に集中し実現に導いた人間たちの集団ヒューマンドラマであり、その象徴としてリーダーのオッペンハイマーにフォーカスした作品だと思います。
私のコンディション…
映画館で楽しまなければいけない素晴らしい映像と音
原爆の責任とは、誰に帰するか?
良いところ
史実かはさておき天才的な科学者が制限なしに最先端の科学発展を指揮する欲望を隠せない正直さと狂気を感じられる展開
それでいて予測できていた結果に対し、開き直ることなく良心を持ち続けることができたという事実
ん?なところ
ネタバレ見てから本編みた方がいいくらい情報量が多すぎる。メモでもとらんと一度で理解するの無理やろ
原爆開発プロジェクト(マンハッタン計画)のリーダーとして、物理学者として熱意と高揚感にうなされるような前半と完成後の後半の対比が隠と陽のように格差があって、2本の映画を観ているよう。原爆完成時点であと1時間以上残っているというところで、これはあくまでオッペンハイマー博士の物語であって原爆開発の話ではないと見せつけられた。
一応、物理学科の出身としてはなんらかの線端理論に対し実現させる計画があったら、そりゃもう楽しいだろうというのは理解できる。それに原爆はここでやらなくてもいづれどこかの誰かが確実に完成させていることは明白でその意味では最初の名誉はあっても責任を全て負う必要はないのは理解できる。とは言え、その開発が楽しかった、と言うのは負い目になるだろう。使ったのは政治家だが開発を楽しんでたのは自分なのだから。
過去に追いつかれると言ったセリフも言ってしまえば取り返しのつかないことへの呵責であって一生消えない傷みたいなもの。これは原爆だからではなくいろんな事に当てはまる訳で被曝者にとか、日本に対してのみ感じる必要はないと考える。
とは言え、まあ政治家はある種の異常さも描いていたな、こいつらこそ真っ先にそして最大限呵責を味わうべきで、全く良心のかけらもない描かれ方してたのがまあ、納得。
戦争モノは苦手、という先入観でずっと尻込みしていて、もうすぐ上映終...
戦争モノは苦手、という先入観でずっと尻込みしていて、もうすぐ上映終了になるよというタイミングで飛び込み鑑賞。
ゆえに、またもやほぼ予備知識を仕入れてなくて大失敗。全然話についていけない笑
物理の知識はもちろん、アカ狩りがあったなんて歴史的背景も知らなかったので、とくに前半は
「???」
の連続でした。
物語は、3つの時系列が行ったり来たりして進みます。うち一番新しいエピソードがモノクロ調なんですが、最初はこれが逆に混乱しました。
「モノクロということは過去の古いエピソード?いや、どうも違うっぽいが・・・」
などと、物語を正しく掴むのに時間がかかりました。
が、それでも、後半以降、物語の幹の部分は理解できたと思います。
戦争とか、革命モノなんかもそうなんだけど、こういう作品で私は頭にいつも【洗濯機】が浮かんできます。
国民はみんな洗濯機に入れられて、スイッチオン。
巨大な渦に巻き込まれて、上層の扇動に乗せられるまま、善悪を見失って突き進む・・・。
洗濯機が止まるその日まで、中に入った人はなす術なく渦に身を任せるしかない・・・。
オッペンハイマーの原爆投下前後の心理の動きは興味深かったです。
しかし彼、想像力が欠けすぎではないですか?
史実に基づいた話なので本人の心の襞も事実に沿って描いてるんだろうけど、科学者ってこういうものなの?というクエスチョンが私の中に浮かびました。(「科学者って」って括りは偏見かもしれないが)
目の前の対象物を制覇する(たとえばトリニティ実験の成功)には全精力を傾けるけれど、その先(たとえば実際の原爆投下後)の自分の心の翻りは、やってみて初めて知るってのはちょっと頭弱すぎではないか。
卓越した頭脳の持ち主に「頭弱すぎ」というのも失礼だけど。
開発者本人なら、それがどういう影響を及ぼすかは分かっていたよね?原爆作っといて、実際落としてみたら被害の甚大さに呆然として「私の手は血塗られた気がする」とか、今頃になってそれ言う???
そのへんも、いったん陥ったら前後不覚になる【洗濯機】の怖さなのかもしれないけれど。
そういえば、今まさに、世界でも、自分の意志に関わらず洗濯機に放り込まれてしまった人たちにいますね。
ベンキョができるとか世紀の大発明をしたとか、そういうことと関係なく、人間って根っこの部分で流されやすい愚かな生き物なのかもしれない。悲しいけれど。
プロメテウス
自身の感情の持ちようが難しい作品
好みの分かれるノーラン映画。
人間、オッペンハイマーの罪と罰。
原爆を生み出すことになってしまった彼の半生を主観で描いた極めて個人的な映画。
人類史上最大の悲劇。原爆を産んだ悪魔のような科学者が、実はこんなにも弱々しく、己の行いを恥じていたとは…。
そして、原爆が元々はナチを一掃する為の正義の鉄槌であり。ドイツ降伏後、仮想敵を失ってまさか日本に落とされる事になろうとは。。
オッペンハイマーを軸に、3つの時代を行き来しながら原子爆弾投下とその後の苦悩を描く。
公開前に噂されたような原爆を軽視したり、原爆を肯定するような映画では全くなく。
むしろ、真逆の印象を映画から受けました。
スケールの大きさに対して、実は映画の進行は意外なほどミニマムで、人物同士の会話劇が殆どを占めています。
そしてその会話劇は化学用語が飛び交うような物も多いため、マンハッタン計画の基本的な知識や時代背景への理解が全く無いままで見ると楽しむのが難しいかもしれません。
とはいえ、トリニティ実験で実際に原子爆弾が初めて爆破される前の緊張感は尋常ではなく。
このシーンを見るだけでもスクリーンで鑑賞するだけの価値がありました。
音響も素晴らしく、緊張感の持続に一役買っています。
ただし、個人的にはいくらなんでも長尺過ぎた気がしますし。時代を前後シャッフルした構成は、スリリングさよりも、むしろ難解さを悪戯に増した印象が強く。自伝映画として如何なものかと首を傾げてしまいます。
これまでのノーラン作品のインセプションやダンケルクなどのエンタメ作品からいざ知らず、原爆を扱った自伝映画でこの手法を取り入れたのは悪手に感じました。
更に言うと、時間軸が3つある上に「最も現在に近い時間がモノクロ」というのは不親切この上ない。また、戦後のシーンも長い上に説明も少ないので退屈に感じてしまいました。
扱った題材の大きさと、これを個人目線での心情に乗せて描く点は非常に興味深かったですが。いつものノーラン節が鼻についてしまったというのが正直な感想です。
良い点と悪い点、どちらもはっきりある作品なので、星3.5とします。
とはいえ、日本人としてこの作品をスクリーンで見ない理由はないかと思います。
賛否はともあれ、まずは多くの人にスクリーンで見ていただきたいと思います。
因みに、弟のジョナサン・ノーランが同時期にフォールアウトで核戦争後の世界を描いてるあたりも興味深いあたり。個人的にはこちらの方が割り切ってエンタメしていてツボでした。
オッピーという1人の人間の人生
3時間と長い作品だが、テンポが良く、時系列が前後するので、しっかり目を開け耳を集中させないとついていけない。
原発の恐ろしさを表現した映画ではなく、不倫するようなありふれた人間でも恐ろしい兵器を作り出せてしまう能力を持つのだ。
その能力をたまたま持ち合わせてしまったオッピーの運命…
正しいと信じて突き進んでいたいたことも、その本当の恐ろしさに気づいた時には…
それが人間なんだなぁ。
不倫してるときは気づかないのよね…
傷つく人間がいることに。
夢中だから。周りが見えなくなってる。
求められるから会いに行く、ただそれだけ。
原発が祖国を救うと信じてがむしゃらに突き進んでいた。
その威力がいかほどか、そのときは気づかない。
夢中だから。
求められるから作った、ただそれだけ。
オッピーも何ら変わらず人間だった。
タイトルなし
効果音の使い方が抜群で不安を煽られたりドキリとさせらりたりと怖い思いを何度も経験する。ある意味ホラー映画だが、そのような小手先感を微塵も感じさせないところは流石。
「日本は降伏しない」って台詞が同日朝の通勤時に読んでいた小説で老人が東京空襲の頃を語っていた台詞と被っていたのは自分だけが楽しめたポイント。
ただ、歴史や伝記系の作品は予備知識がないと楽しめないから観る前に軽く予習したりするんだけど、今回は時間がなく「原爆の父」というワードにだけすがりついて鑑賞する事となってしまった。はっきり言うと大失敗で序盤から何を目的に聴聞会やら公聴会やらをやっているのか話しがかなり進むまで解らずに観ていた。更に3つのパートを交えて話しが進んでいく構成も、「ダンケルク」の時と似た手法だとは思いつつも、時系列やモノクロの使い分けを理解できるまでが遅かった。登場人物は多くトントン拍子で話しが進んでいくものだから、会話を聞いていても常に「こういう事で合ってるのかな?」といった不安な感じで観ていた。正直なところ楽しめたとは言い難く残念で仕方がない。
話についていけなかった事が悔しく1日あけて再鑑賞してきたが、驚く事に本編前に流れる予告なんかも同じ物を観ているはずなのに、あまり頭に入っていなかったもよう。少し解決に進んでいるが抱えている仕事の問題で集中力が全く無かった事を実感した。
どんな道具も、使い方次第。
何回か置いてきぼりの憂き目にあっているノーラン監督なので、予習して、鑑賞。
時々迷子になりながらも、科学者が世界をどんなふうに感じているのかを垣間見ることができました。
原爆投下後、大統領と面談した際、自分が発明したものでたくさんの人が亡くなった事実に、「大統領、私は自分の手が血塗られているように感じます」と吐露した時、私はほっとしました。
この人は、科学者である前に、人間なのだと。
それに対して、「原爆を落としたことで非難されるのは、つくった君じゃない、命令を下した私だ」と大統領が怒鳴り、少々驚きました。
勝手な幻想ですが、アメリカ大統領は冷静で聡明なイメージをまだ持っているので(願望なのかもしれませんが)。
尋常じゃない重圧がかかる立場なんだなあ、絶対なれないけれど、100億ドル積まれてもごめん被ると心底思いました。
道具はしょせんモノなので、包丁のように、凶器にするか生活に有益なものにするかは人間次第。
だけど、強力な武器を持ち、大義名分を与えられたら、歯止めがきかなくなるのも人間。
オッペンハイマーが水爆開発に反対の立場をとったところに、彼の良心を見ました。
個人的に、歴史上の人物と思っていたアインシュタインが登場して、ハイになりました♪
え、100年前には生存していたんだ!と驚きました。
長い映画なので、シアタス心斎橋のコンフォートシート(寝転がって観れます)で鑑賞したら、仕事帰りだったこともあり、ところどころ居眠りタイムが発生しました。
映画終了後はトイレ大渋滞。
上映時間2時間半くらいにしてもらえるとありがたいです。
人間・オッペンハイマーを通して、当時のアメリカを視る映画
「プロメテウスは神から火を盗んで人間に与え、そのために岩で鎖に繋がれ永遠の責苦を受けた」
J・ロバート・オッペンハイマーは、「原爆の父」と呼ばれる以外に「アメリカのプロメテウス」とも異名がつけられている物理学者で、本作ではキリアン・マーフィーが演じた。妻キティ役にはエミリー・ブラント、いずれもアメリカの俳優ではない。
その他、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、フローレンス・ピューなどを要所に配した。
オッペンハイマーを単なる学者としてではなく、人間として描きたかったという意思を強く感じたのは、
◆T・S・エリオットの代表作である長編詩『荒地』を読むシーン、
◆ピカソの『ドラ・マールの肖像』(←だったと思う、うろ覚え)を鑑賞するシーン、
◆クラシックのレコードを手にするシーン
が弦楽器のアンサンブルをBGMにしてインサートされるのに加え、
極めつけは、フローレンス・ピュー演じる共産党員ジーンとの濃厚な濡れ場である。時間こそ短いものの、全裸で演じる意味は、大学教授という職種とのギャップを強調するためであろうか。
あ、それでR15なんだな、とタネ明かしされた気分だった。
量子力学という新分野の研究に取り組み
ブラックホールの存在を理論的に証明し
左翼や組合、共産党に好意を示し
アメリカ政府から原爆開発リーダーに指名され
原爆を完成させ
その後の水爆開発には反対の立場をとり
ソ連のスパイ疑惑をかけられる…
さすがに幼少期には触れないが、成人以降のオッペンハイマーの半生を180分の映画で再現した。
脚本が良くできており、3時間の上映時間があっという間に感じた。
こむずかしい理論や学説はほとんど出てこない。
学者の功名心、政治家の栄達欲、男女関係、夫婦関係、弟への信頼、裏切らない友人と裏切る友人。。。
実話をベースにうまくまとめているし、
映像と音響もまるで人物の内面を擬態するように非常に効果的に使っている(いい例としては、オッペンハイマーの動揺を暗示するシーンでは、彼の背後の壁が地震の初期振動のようにカタカタと音を立てて動き出す)。SFならまだしも、実在する人物を扱う作品としては斬新ではなかろうか。
伝説の人・アインシュタインの使い方もうまいと思った。
印象的な内容をひとつだけ。。。
ロスアラモスに集結した学者たちの議論の中で、
「原爆を一発爆発させると地球全部が爆発するかも」
という懸念が提示される場面があった。もしそうなら、原爆開発は中止するしかない。
しかし、しばらくたつと、そうなる可能性は「ほぼゼロ(nearly zero)」とわかるのだが、誰も「完全にゼロ」とは言わない。
なるほど、
原爆実験する際、わずかながらでも地球滅亡の可能性を内包したうえで実行してたのね。
人間(アメリカ人)は狂ってますね。
その実験成功の場面は、本作のひとつの山場だ。
スクリーンが真っ赤に染まり、しばらくして大音響の爆発音が響く。
もちろん、実物とは異なるだろうが、
このような兵器が、広島と長崎に使用されたと想像しただけで、猛烈な悲しみに見舞われた。
記憶に残る作品だが、R15指定になるシーンを入れたことは理解に苦しむので、☆3.5
天才物理学者の栄光と苦悩、そして挫折。
2024年劇場鑑賞3本目は、アカデミー賞7部門受賞の「オッペンハイマー」。久しぶりの3時間長編骨太作品だけあって見応えたっぷりでした。
第二次世界大戦下のアメリカ。世界初の原子力爆弾を開発した天才物理学者「ロバート・オッペンハイマー」の栄光と苦悩、そして挫折の生涯を描いた伝記作品。
原子力爆弾の開発競争では執念と狂気を。開発の成功と原爆投下の際には歓喜と栄光を。投下後の現実に後悔と苦悩を。自らを「手を血で塗られた科学者」と語り水素爆弾の開発に反対する。その後にかけられたスパイ容疑によって挫折と没落を。
彼にかけられたスパイ容疑がようやく晴れたのは、死後55年が経った2022年バイデン政権下。
彼が開発した原子力爆弾は、戦争を終結させ世界に平和をもたらしたのか。今、アメリカは彼の生涯をどう捉え、なぜこの作品を賞賛するのか、改めて考えさせられる。
果たして、私達の生きるこの世界は、ダイナマイトを発明したノーベルのように天才物理学者「ロバート・オッペンハイマー」を後世にまで讃えるのでしょうか。
今も世界のあちこちで戦争が続き、私は平和な毎日を過ごしている事実。このことを幸せだと思う。
※昨年の今頃はもう9本見てたです。もうちょっと頑張らなくっちゃ。😅
全735件中、201~220件目を表示