劇場公開日 2024年3月29日

オッペンハイマーのレビュー・感想・評価

全637件中、201~220件目を表示

4.0いっぱい賞取るのも分かる、良く出来た映画。特に一番の山場であるトリ...

2024年4月10日
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鑑賞方法:映画館

いっぱい賞取るのも分かる、良く出来た映画。特に一番の山場であるトリニティ実験のくだりは素晴らしい。絶対押したらあかんボタンが押され世界が変わる恐怖と、最高にドキドキするエンタメとを両立させている。爆発の映像はちょっとしょっぱいが、音楽・音響で補っていた。
聴聞会シーンは若干退屈ではあるが、うまい役者が揃って味わい深い。ロバート・ダウニーJr.はアカデミーの授賞式でミソをつけたが、ここでの演技は素晴らしかった。
役者はチョイ役も全部ビッグスターで凄い。しかもみなさんだいたい実際よりちょっと老けた役をやっており、これがまた良い。トルーマンになりきったゲイリー・オールドマンがなぜか谷啓にそっくりでビックリした。
撮影は素晴らしかったが、IMAXで上映する意味があるのかどうかイマイチ疑問。
音楽も素晴らしいが、とにかくずっと鳴っているのでセリフにかぶり気味なのが気になった。
ちなみにDune2と同じスクリーンの同じ席で観たが、映像も音響もオッペンハイマーのほうが数段上だと感じた。

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あげ玉

4.5◇贖罪、相対性、そして時間

2024年4月9日
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 ノーラン監督作品の主たるモチーフと言えば、初期の『メメント』 から一貫して「時間」そのものです。置き換えられたり、繰り返されたり、巻き戻されたりする可変的な時間軸。そのトリッキーな技法に巻き込まれて、われわれは「意識=時間」が再構築されて洗い替えされるような感覚に晒されます。

 時間の魔術師ノーラン監督が、『インターステラー』『テネット』などの作品でSF考証を務めたキップ・ソーンというノーベル賞物理学者を通じて、辿り着いたのがアメリカ🇺🇸の理論物理学者でした。核兵器を世に送り出したオッペンハイマーという人物です。

 一人の人間にとっての「時間」とは、継続する自己意識の有り様です。記憶や思い入れや執着の連続体として、存在する「時間=意識」。原爆を開発したオッペンハイマーの気まぐれな心変わりを描き出すことで、生々しい「時間=意識」ドラマが創造されました。

 原爆には積極的であったのに水爆開発には反対する姿、優柔不断な女性関係、共産主義者からの転向。自らの一貫性の無さが引き起こした核兵器の時代への贖罪を自虐的に露悪的に曝け出し続けることで、辛うじて保たれる「時間=意識」の物語。

 そこには、力強い「善」の姿はなく、絶対的な「神」もなく、果てしなく続く相対主義的な不連続でブツ切りの価値観の虚しさしかありません。一人の歴史上の人物を通じて、現代の解体された「時間=意識」が描き出されているようにも感じ入るのでした。

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私の右手は左利き

5.0予備知識が必要な映画

2024年4月9日
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怖い

知的

難しい

まず、物語の理解に必要なことが作中で説明されない部分が多くあるので、J・ロバート・オッペンハイマーのwikipediaの記事くらいは読んで鑑賞したほうが良い。脳内であれこれ想像して補完すれば恐らく理解できなくもないが、本来それは不必要な負荷だと思うので、事前知識を入れておくことをおすすめする。

物語のあわゆる部分がその時の時代や世界情勢に紐づいている。

原爆そのものよりも、科学と国家安全保障、技術競争、研究効率と秘密保全のバランス、政治的な主義思想など、そういったことについて考える良い機会になった。

我々はトリニティ実験が無事に成功するのを既に知ってしまっていて、その実験に関わる人達の緊張感や不安がうまく想像できない部分があるが、そのあたりの感覚をしっかり描いてくれたのが興味深かった。

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kazasiki

4.0今まで観た映画の中で、もっとも恐ろしかった。

2024年4月9日
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怖い

原爆の開発過程、オッペンハイマーの苦悩や科学と道義のジレンマ、スパイ容疑の尋問など、見所の多い本作品でしたが、僕は原爆の開発過程から原爆実験、広島への投下のニュースのシーンに震えが止まりませんでした。
今まで観たどんなホラー映画よりも、この映画は
恐ろしかった。特に原爆投下の成功に喜ぶ人々のシーンは具合が悪くなるほどでした。
核兵器のない世の中になることを願ってやみません。

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光陽

4.5濃密な3時間

2024年4月9日
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ノーラン監督らしいIMAX重低音が心と体に響きます。
ロスアラモスでの実験の爆音が衝撃的でした。
実験の結果が招くであろう被爆地の悲惨さが想像されるが、そこには目が行かず成功を喜ぶ人々の対比が象徴的でした。

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やまぼうし

3.5展開見えてしまった

2024年4月9日
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戦争終結為に踊らされてしまった科学者だったのかーと同情してしまう作品でした。
途中からエンドロール出すタイミング、間違ってない?と思うくらい最後は退屈に感じてしまった

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黒雪姫(o^^o)

4.0次は大東亜戦争開戦の背景、被爆国日本側からみた原爆の惨禍について映画を作って欲しい

2024年4月9日
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悲しい

怖い

難しい

日本での公開に賛否のあった、原爆の父オッペンハイマーを観てきました❗天才物理学者が大量殺戮兵器を作り、その為に多くの日本人を殺してしまった❕

また、彼は面談したトルーマン大統領に対し「私は自分の手が血塗られているように感じます」と原爆開発を後悔するようなことを言ったことや、水爆再発に否定的なことを話したため、後に共産主義の疑念を持たれ失墜してしまう‼️

オッペンハイマーは広島への原爆投下による犠牲者が五万人程度と聞かされたが、実際にはその三倍もの民間人が犠牲になったことに心痛めてしまった❕
彼は純粋な学者でアインシュタインとも親交があった人物❕殺戮兵器を作るのではなく、自分の理論が正しい事を証明したかっただけなのかもしれない‼️

今年1月に広島平和記念公園で原爆ドームと原爆平和記念資料館を訪れたためオッペンハイマーには良い印象をもっていなかったけど、同地を訪れている外国人が説明書きを食い入るように読み、資料館では涙する外国人を多く見たので、この映画で原爆の酷さ、戦争の悲惨さを改めて考える良い機会になりました‼️

山崎貴監督はこの水爆実験によりGODZILLAが産まれた事を映画にして米国で大ヒットした❕皮肉なものだけど、やはり唯一の被爆国として反対の立場からみた原爆の悲惨さを映画にして欲しい‼️

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映画大好きジジイ💓♥️❤️

5.0タイトルなし

2024年4月9日
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原子爆弾ではなく人間を描いており、日本での公開が危機一髪だったのがわからない。広島だ長崎だ言う人には、実験成功を喜ぶ祖国アメリカの体育館や公聴会、果ては未来の地球にまで落とされた原爆と水爆が見えなかったのか。落としたのは人間でアメリカ人ではない。ドイツ日本ソ連、全人類でボタン押したと言って良い。被害者面は周りに任せれば良い。
またフォローイングを見てからだと構造が同じで手腕の恐るべき進化がわかりやすい。
ちなみにノーランをIMAX GTで見るようなこだわりの強い人ってどうして両サイドの肘掛け使えるのが当たり前だと思うのだろう。両隣と米ソよろしく冷戦状態になってしまった。自分も良くないな、肘掛けぐらい良いじゃないか。

とまで書いた後になりますが、
広島長崎に原爆を落とした後に自分の思考を変えたとなると、確かに原爆の威力を描けよ!と言いたくなりますね。
考えが遅くて駄目だなあ。

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kazuyuki chatani

2.0傲慢な科学者と靴屋

2024年4月9日
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怖い

難しい

我々庶民では理解出来ない科学者と靴屋の話を時系列をごちゃ混ぜにした映画。後から白黒とカラーで科学者と靴屋を分けてあるようだが、説明なしだとわからない!科学者の後先考えない探究心、政治家の傲慢、命令による殺人を何とも思わない軍人…一応オッペンハイマーは日本人の殺戮を後悔するシーンは少しあるが、映画は赤狩りの方に重きを置いていた。アメリカ、科学者の傲慢も詰まり切った映画でもあった…

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dai1342

3.5オッパッピーではない

2024年4月9日
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鑑賞方法:映画館

難しい

ストローズっておっさん誰?とか、小部屋での聴聞はなに?とか基本的展開での疑問はもちろん、次々とさまざまなキャラが登場し、ノーランが大好きな時系列いじりが入り、さらに時間軸に沿って人物が歳を取っていくので、オッペンハイマーと本作に関する予備知識がないと正直、話がよくわからない(と思われる)。

のりぴーではなくオッピーの半生を3時間観せられる映画なので人物への興味がないとよりしんどいが、原爆の父という点で被爆国の国民としてはスクリーンを観続けるモチベーションがあるといえなくもない。原爆の恐ろしさはオッピー目線で入れてるけど、広島・長崎後、ヤンキーたちの喜びようを見せられるとやはりムカッ腹が立ってしまった。反面、後半のソ連に原爆技術が渡った?という疑惑の会話劇は事実は決している話だけにけっこう退屈。まあ、小バカにされたとの勘違いだけで嘘をでっち上げたストローズの低レベルな人格には呆れるが、役者がアカデミー授賞式での露骨なアジア人差別をしたロバート・ダウニーJr.だけに納得感はある(後付け)。

主人公の高慢な感じや女好きも描きつつ、6週間でオランダ語を身につけ講演したり、複雑な数式を見ながらあーでもこーでもないと議論する人間はどんな頭の構造なのかとは思うし、マンハッタン計画のためロスアラモスに街まで建設しちゃう徹底ぶりには恐れ入る。こんな顔アップばかりの映画をわざわざIMAXで撮ったり、撮影のたびに大セットをおっ立てたりしちゃうノーラン監督自身もかなりヤバいと思うのだが、それゆえオッペンハイマーに共感して映画にしたのかも(勝手な想像)。

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ジョンスペ

3.0プロメテウスの後悔

2024年4月9日
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 被害者が見えないと云う指摘があります。加害者の苦悩は分かるとして、被害者の苦痛を伝えないでは、リトルボーイも、ファットマンも、その本当の恐ろしさが伝わらない。だから、未だに核は無くならない。それどころか、ガザをヒロシマのように…と言い出す議員まで。
 計らずも、この映画は、落とした側と、落とされた側の温度差を、世に知らしめることになりました。
 公開前から、映画の出来を評価するのではなく、この映画の存在自体、是非が問われています。
 私はこの映画を否定しません。少なくとも、この映画がなければ、爆撃者と被爆撃者との温度差を、ここまで痛感することは、なかったはず。それだけで、意味があると思います。どう思うかは、ヒトそれぞれですが…。

 以上、本作の事前情報を、レビューしてみました。

 やはりと云うか、流石と云うか、ノーラン節、炸裂の時系列ですね。ついて行くのに苦労します。でも、社会正義を振りかざし、声高に一方的な正しさを押し付けるのではなく、一個人にスポットを当てた心理描写の方が、このデリケートなテーマには、良かったと思います。
 因みに、原爆の研究は、米ソだけでなく、このクニでもしていたそうです。仮にこのクニで完成していたら、皆様は、どんな映画を創ります?。ヒトは自らの業火に焼かれて、灰になるだけの存在なのか、更なる進化を遂げるポテンシャルを秘めた存在なのか、どちらがいいと思います?。
 いずれにせよ、過去を変えることはできない。今、そこにある温度差を、解消することもできない。それでも、過去と今を知ることで、今よりマシな未来を描くことは、許されるのでは…。
 本作が、その一助になることを望みます。

 「ナイト・ブレーカー」
 原爆被害は、極東の島だけではない。と云うか、原爆開発チームは、放射能の人体被害を、理解していたのか疑わしくなるお話。古い映画なので、視聴困難やも知れませんが、探して観て下さい。全て実話だとすれば、呆れ果てる話です。

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機動戦士・チャングム

4.0結局同じことを繰り返しているんだな

2024年4月9日
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 映画館にて鑑賞しました。

 もっと様々な背景を勉強してから見ると違ったんだろうな、と思いました。自分の学のなさが恥ずかしいのですが、オッペンハイマーが原子爆弾を開発した物理学者だということも、正直、この映画の宣伝で知ったぐらいです。
 原子爆弾の開発までを描く映画かと思い鑑賞しましたが、その後の部分がメインでした。ストロースが色々語ることや原子爆弾開発までのオッペンハイマーの様子が描かれることで、随所に挟み込まれる聴聞会のシーンの重さがどんどん増していきました。前述したようにシーンの重要性というか面白さが後半になるほど大きくなるため、逆に前半の聴聞会のシーンは、若干の「なに言ってるんだ感」は感じました。
 この映画で印象に残ったシーンは2つあります。
 1つ目はトルーマン大統領とオッペンハイマーが面談した時のトルーマン大統領のセリフ「恨まれるのは開発者じゃない。落とした人間だ。」です(たしかそんな言い方だったと思いますが…)。このセリフは為政者と科学者の覚悟(なのか面の皮の厚さなのか…?)の違いを見せつけられた気がします。短いシーンですが、個人的にはかなり印象に残っているシーンです。
 2つ目は終盤のアインシュタインとオッペンハイマーが会話しているときのアインシュタインの言葉「時が経てば君は祝福されるだろう。それは君を許したからではなく、彼らを許すためだ。」です(たしかそんな言い方だったと思いますが…2)。この映画を通して一番印象に残ったセリフですね。祭り上げられた側だから感じることができる視点だし、まさにその通りだな、と思ってしまいました。

 にしてもこの映画を見ていると、人間は結局同じことを延々と繰り返すんだな、と思ってしまいますね。

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kame-pukupuku

4.0難しい映画だった。2つの意味で。

2024年4月9日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

公開から1週間以上経ってようやく映画館に観に行くことができた。
いつものとおり、できる限り事前知識を入れずに観たのだが、一言で言うと「難しい映画」である。

■難しい① 映画のスジの理解が難しい
学者を中心に登場人物が多いが、誰が誰なのか、何をした人なのか説明がほとんどないので、主人公との関係性、マンハッタン計画との関係性がよくわからない。
また、オッペンハイマーの聴聞会の目的はおおよそ理解できたが、ストロースの公聴会は何のためにやっているのか、見終って検索するまで意味がわからなかった。米国の閣僚の選出過程など知らなかったので、何のための公聴会なのか理解出来なかったのだ。私と同じように、事前知識がなくて細部の理解が追いつかなかった人も多かったのではないだろうか。
それから、時制行ったり来たりで、実際に起こった事象の時系列がわからなくなる場面が何度かあった。聴聞会でオッペンハイマーが自身の過去を回想していくという演出はいいのだが、何度も行ったり来たりは少し疲れたというのが本音である。

この映画を理解するには(楽しむためには)オッペンハイマーとマンハッタン計画に関する一定の事前知識がないと難しい。知的で難解な映画だと思う。

■難しい② 扱うテーマが難しい
①の難しさに比べればこちらが遙かに難しい。難しさ故に、監督は「核兵器の是非、オッペンハイマーの行動の是非を評価しない」というスタンスを採った。そうしなければ、映画は公開できなかっただろう。その判断は、映画を観た者に委ねられた。

これは原爆の開発に関する映画だが、それに留まらない人間の欲望と探究心、科学と倫理というものを考えさせられる映画であったように思う。

ロスアラモスで研究者達が原爆開発計画をストップさせようとする集会を開いている場面にオッペンハイマーが入っていく場面があった。「ヒトラーは死に、日本も降伏目前なのに、なぜ原爆が必要か?」という一部の科学者たち。こういう人たちがいた、そして政府が決定する直前まで嘆願書に署名して実戦使用を止めようとしていた人々がいたことを知って、科学者の良心を感じると共に、それでも核開発に突き進む科学者達の存在を観て、人間とは何なのかをまた考えさせられてしまう。
もっと強力な兵器を!優秀な人間のクローンを!永遠の命を!賢い人工知能を!
人間の飽くなき欲望と探究心は、制御を失うと人間を破滅の淵に追い詰める。追い詰められてやっと気づいて慌ててルールを、管理をと叫び始める。核兵器もしかり。近年のAIしかり。その繰り返しである。

そして、本編とは直接関係ないように思われるストロースの公聴会を中心としたモノクロの場面。権謀術数を使って富の次に名声を得ようとする権力欲にまみれた男。オッペンハイマーとの対比で描くことで、オッペンハイマーの人物像をより際立たせようという演出だろうが、自分の欲望のために、原子力や核兵器さえも道具に使うこの男の描写は、現代の社会に対する皮肉のようにも思える。

オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィ、ストロースを演じたロバート・ダウニー・Jr.の演技は素晴らしく、オッペンハイマーの複雑な心情を描く粒子の飛び回る映像や爆発の映像、揺れや音の表現は秀逸だった。

しかし、やはり難しい映画である。

(2024年映画館鑑賞10作目)

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TS

4.0科学者同士のたたかいでした

2024年4月8日
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鑑賞方法:映画館

アカデミー作品賞が決まる前から楽しみにしていて、やっと観に行けたという感じでした。

予告CM等でのイメージとしては、原子爆弾という大量殺戮兵器を生み出してしまった人物の罪悪感とか、アメリカの赤狩りの熾烈さを描いているのかなというものでしたが、実際にみてみると、科学者同士の競争と勢力争いの印象が強かったです。
裁判もどきの取り調べ会(?)と回想シーンが織り交ぜられての描写でしたが、ノーラン監督の他の作品のように、振動をともなう大音量の音響と音楽で緊張感をゴーゴー煽る演出で、地味なシーンも派手になり、3時間でも退屈することはありませんでした。
オッペンハイマーの個人的なショック以外はほとんど広島・長崎の描写がなかったのを不満とするご意見が多いようですが、そもそも科学者業界の人々の話であり、政治家や軍人も脇役だったような気がします。あれもこれもとゴチャゴチャ入れると視点がぼやけてしまったことでしょう。大統領の「恨まれるのは私だよ」的な台詞は強く印象に残っていますが…。

核兵器と戦争。誰が何をどう議論しても結論が出ることはないでしょう。立場(利害?)によって意見が異なるのは当たり前です。たしかに日本人としては同胞の犠牲者を思うと悲しみと怒りが前に出ますが、一方でいろんな立場の人々の感覚も想像できなければいけないと思うのです。この映画は、共感するかはさておき、原爆誕生の裏にこんなドラマもあったんだと、視野を広げてくれました。
山崎貴監督がアカデミー賞授賞式の際におっしゃったように、今度は日本人の立場から世界に向けてのメッセージとなる映画ができるのを楽しみにしています。

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かつのじょう

3.0普通

2024年4月8日
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巨匠の大作で、アカデミー賞をたくさん取ったみたいだけど特に面白いことなかった。大量破壊兵器作って殺しあう人間のバカさと愚かさだけ感じた。

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CR7

2.0オッピーの気持ちを理解したいか?

2024年4月8日
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怖い

知的

難しい

長崎広島が描かれてないとかいう意見もあるが
私的に一番気になったのは
オッペンハイマー1人の苦悩より
長崎広島で何十万人も亡くなった人や家族の苦悩と比較していないことへの怒りもある
オッペンハイマーがどういう苦しみを抱えたかは長崎生まれの私には知る必要がない映画に思えた

この描き方で3時間は長尺すぎる
徹底してオッペンハイマーの側に立って、というのがノーラン監督の意図だとはわかるが
その心の揺れ動き方があまりにも脆くて見ているととてもツラい

インターステラーを見た時もそう思えた
いちばん近くにいる家族を思い
引いては地球のことを思う、この壮大な思想はノーラン監督は得意としていない、と。
キューブリックのようにもっと答えを委ねる映画にすべきだと思っている
もちろんアカデミーは獲った、
しかしアメリカの賞である
敗戦し原爆を落とされていまだに米軍基地が乱立する日本がこの映画を評価すべきではないのではないか

いろいろと物議を醸したこの映画が「観ること自体」この映画の存在意義だとしたら観ない方が良かったのかもしれないし
アメリカという国のとても上手なプロパガンダなのかもしれない

・キリアンマーフィーの佇まいは素晴らしい
・マットデイモンはなぜここに出たのか?
・常に「音」が気持ちを誘導している俳優の演技や気持ちを見せたいという思いはあるだろうがその音の存在に頼ったノーラン監督の演出意図が納得できなかった
・アインシュタインは自分でアメリカに提言したのになぜあんなことを言うのか、その答えを自分で見つけようとマンハッタン計画に参加しなかったか。

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yep11016

4.0予備知識なく視聴したらしばらくついていけませんでした

2024年4月8日
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難しい

原爆がどのような経緯で開発が進んだのか、漠然とした興味があり、この作品は話題作でもあったので観てみようと思い映画館に足を運んだのですが、作品についてのあらすじなどほとんど下調べなく観たものだから、委員会による聴取から入り、3つのストーリーがころころ変わりながら進んでいく話についていけませんでした。
内容については原爆開発の経緯やその決定について、長年誤解していたことが改められてよかったです。
ただし、3時間の尺もあるのに、その戦果の代償として広島長崎の被爆直後の悲惨な状況についてはほとんど触れられていないことが日本人としては不満と言えば不満ですが、政策サイドとしては不要だったんでしょうかねえ?
3時間の長編でしたが、冒頭の展開になじめなかったのですが、どうにかこうにか退屈することもなく観終えることはできましたので4点としました。

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tz

0.5観てられん!

2024年4月8日
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【これから観る方へ】
・予備知識あっても理解は難しいです。
・IMAXで無くて良いです。
・コーヒー飲んでても眠くなります。
・音楽で誤魔化してます
・3時間殆どが裁判的な会話
・エンタメ性無くしんどいです。
・映画館のような環境でもない限り観てられないです

色々すっ飛ばし過ぎに思います。

気持ちの話をすると、自分はやっぱり、
オッペンハイマーが後々後悔してようが
広島、長崎の22万人を◯したのは事実で
アメリカ人の反応全部ムカつくわ。
オッペンハイマー、テメェもだ。

ノーラン、あんたも広島、長崎の惨状をちゃんと描けよ。原爆資料館に行ってリアルに伝える勇気を持ってほしい。

「戦争を止めるためだ」
「戦争を止めるためだ」
何回言うねん。

アメリカ人のお前らがやったことは
「罪のない人達を大虐殺した」ってことだ。

正当化すんなクソ野郎ども。

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山本ゆっきー

4.0一番恐ろしいのは、人間

2024年4月8日
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アカデミー作品賞を取った作品
皆さんのレビューを見ると、難解で、何度も見なくては理解出来ないので、興業収入にも繋がったとか??
なので、予習、予備知識が必要とかで、レビュー動画を見るも、確かに難解で理解しがたく、今回はパスしようと思ったが…
IMAX 上映されてるとかで、映像と音響が凄いらしく、そちらに興味を持ち、他の映画館なら割引で見れる所、その割引料金の倍の料金で観賞。

いやぁ~、IMAXの迫力にビックリ❗

が、原爆の爆発シーンは、どんだけ凄い爆音と迫力なんだろう?と、歯を食い縛り身構えるが、爆音どころかとても静かで、呼吸の音だけ。
1番の見所なのに?と疑問に思ったが…

以後、多くの方がレビューで説明されてるが…
知って欲しいのは、水爆は原爆の数千倍の威力があり、今でも9ヵ国が所有している事を。

で、見た感想は、一番恐ろしいのは、原爆でも水爆でもなく、人間。
あのオッペンハイマーが追い詰められるシーンは、原爆実験より迫力あるサウンドだった。。

ならば…一番罪深いのは、人間を造った神なのかもしれない。。。

人間が居る以上、争いはいつの時代も起こりうる。
憎しみ、怒り、競争心がある以上、争いは続くのだろう。
そして、また、もっともっとと、大気が引火するような物が出来るかもしれない。。
世を滅ぼすのは兵器じゃなくて、醜い人間なのだ。

そして、この作品が公開される前に、本当に起こってしまったのは、それこそこの作品の言いたい所ではなかろうか?

つか、勇気のフレディマーキュリー(笑)

納得の作品賞でした。

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NOM

4.0映画としては圧巻、でもモヤモヤはする

2024年4月8日
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原爆の被害を描いていないことへの批判も勿論わかるけど、映画としてこれはこれで完結しているとも感じる。見応えあったし、決して結果を軽んじたものではない。

一瞬だったが顔の皮膚が吹き飛ぶ様子や黒焦げの遺体の脳内映像が出ただけでも、日本人としては最低限表現してくれたのではとは思う。

オッペンハイマーはただ天才科学者なだけだった。
そして科学者としてドイツに核実験の先を越されたことをきっかけに、研究魂が爆発して、抑止力を言い訳として開発に携わることになってしまう。作っただけ、まさか本当に使うとは思わなかったと言えば良い。でも反対署名はしなかった。

そしていざ自分の手で作り上げたものが20万人を殺したとなり、これ以上は、と反対をし始める。
しかしそれを口実に今度は私怨で彼がロシアのスパイであったと嫌疑をかけられ、また胸糞悪い公聴会にかけられる。

トルーマンも落としたのは自分だ、日本人が恨むのは自分だ。とまるで手柄のように言い放つ。腹立つ。

原爆が無事、大気の連鎖爆発を起こさず、世界を焼き払わなかった、狭い都市だけ焼き払えた、成功だ!と大喜びするロスアラモス勢。気分悪い。

トリニティ実験。音と光はすざましかったけど、あんな近くで見ててサングラスひとつで防げたような表現。後から放射能で被害を受けた人たちは本当にいなかったのか。

人を大量虐殺したことを考えずに無邪気に喜ぶ人たちを皮肉に描いていることはわかる。戦争を終わらせて、米国軍人を攻撃する日本から、彼らの命を救った英雄なのだ。ただ、今でも一部アメリカ人の考えは変わっていないと思う。実際接していても、アジア人はいつまで経っても格下扱い。戦争起こしたのも日本のせいだし、トランプ派の過激派とかみてると本当に今でも同じことしそう。オッピーがきっとまた二度目の人生でも同じことする、と言われていたように。でもあの時代、立場が逆なら日本軍だって同じことをしたように思うし、成功したら日本国民も手を叩いて喜んだのだろう。誰が悪いという話ではない。未だに続けている国のことは理解し難いけど。

アインシュタインとの会話の真髄がよくわからなかったり、とにかく登場人物像多くて後半証人に呼ばれる人が誰だっけ状態だったけど、いずれもう一度は見た方が良い映画だなと思う。見てよかった。

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alvo