「オッペンハイマーの幾多の苦悩を描写」オッペンハイマー さわさんさんの映画レビュー(感想・評価)
オッペンハイマーの幾多の苦悩を描写
原爆産みの親オッペンハイマーの人となりや開発過程や赤狩りにおける苦悩が描かれていました。オッペンハイマーの笑顔が殆ど観られなかったようにやや重いストーリーでした。戦後の時代背景である赤狩りでは権力志向が強い老策士に嵌められたり人生は決して幸福な道のりではなかったようです。ただ素朴な性格なのか女性関係には驚きもありました。広島長崎への原爆投下についてはロスアラモスでの核実験成功後のスピーチの場面で幻想としてケロイド状の女性の顔や誰もいない座席を映すことで被害者への心の葛藤を描いているように思いました。なお赤狩り追及場面などで登場する数多くの人物とポジションは追いきれず。3時間の長さは感じませんでした。
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ノーキッキングさんのコメント
2025年6月25日
オッペンハイマーは野心剥き出しで日、独、米、3カ国の開発競争に勝ち、戦争の早期終結を成し得た英雄だが、ライバルが水爆実験を始めると話題はいっぺんにそちらへ。すると急に、“苦悩のパフォーマンス“を始める。こういうものは造るべきではない、と。
いかにも暗い顔をした役者を使って、彼の”虚像”を作り上げてオスカーを取った監督の手腕は見事!
アメリカ人の為の映画ですね。