「まだ見ぬ果ては」青春ジャック 止められるか、俺たちを2 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
まだ見ぬ果ては
自分の映画人生の一歩目を刻んでくれたのが「止められるか、俺たちを」でした。
住んでいた地元は映画館事態少なく、ミニシアターも1館だけ。色々と非日常にまみれていて新鮮でしたが、そこで見た作品も映画に生きる人たちを描いていて、今でもしっかりと覚えています。
そんな作品の続編ということで、どう繋げていくんだろうと思ったら若松監督が映画館を立ち上げた話がメインで進んでいくんだとあらすじや予告を見て腑に落ちました。
やはり楽しかったです。井上監督の自伝的物語でもあり、破天荒全開の若松監督を客観視して描く物語がユニークで、前作よりも作風は明るかった気がします。
東京と大阪は土地代が高いから名古屋に映画館を作ってしまおうと思い切った発想の若松監督から連なる縁で広がる人間ドラマがメインになっていて、その人間模様を見守る分にも面白かったです。
屋上のシーンで語り合ったり、妬みで自分を封じ込めてしまったり、とにかくリアルさが追求されていました。
若松監督の撮影方法は理にかなってるな〜と思いつつも強引なので、当時の現場にいた人たちは恐れ多かっただろうなと思いましたが、スクリーン越しに観ている分には笑っていたので観客で良かった〜と思いました。
井上青年が撮影してる作品を自分色に染め上げるどころかもう自分で撮っちゃうのが面白すぎました。
ラストシーン、青空をバックに若松監督がかつての盟友やめぐみさんが監督を呼び込んで歩き出すシーン、こんなにかっこいい後ろ姿があるのか…!とゾクゾクさせられました。
役者陣は前作から井浦さんが続投で、東出さんに芋生さんに杉田さんが参加していて、演技合戦になっていたのも良かったです。
井浦さんの普段とは違うクセ強めの演技に、東出さんの飄々とした感じ、芋生さんと杉田さんの若々しいギラギラな感じと、色々な面が観れました。
色褪せない映画の面白さと楽しさが詰まっていて、映画人生の始まりが蘇って懐かしい気分になれました。これからも映画を振り返るたびにこの2作がよぎるんだなと思ったらこれからの映画人生も楽しいものになりそうです。
鑑賞日 3/20
鑑賞時間 10:00〜12:05
座席 E-12