「「国家」概念があの時代に明確にあったフランスとイギリス」ナポレオン talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
「国家」概念があの時代に明確にあったフランスとイギリス
ドイツもイタリアも一つの国としてまとまってなかった頃から国家意識があったフランス🇫🇷にイギリス🇬🇧。分厚いコートに軍服、着てるだけですごく重そうでそれで馬に乗る。もう体格、骨格のレベルでアジアと異なる。考えも異なる。取引、退却、落としどころ含めて政治・外交能力はいやでも磨かれる。百戦錬磨の人々たくさん。そんなヨーロッパが歴史を経てEU(問題は山積でも)を作ったっていうのは並大抵のことでないことが目の前に突きつけられた。
色んな絵画で見たことあるシーンを映像で見ることができてかなり興奮した。タレーランが出ていて感動した。吉田健一がタレーランのことをよくエッセイに書いていてでもどんな感じかよくわからなかった。今もよくわかってないが、洗練された貴族でやり手の政治家ということはわかったと思う。フィクション交えながらの構成、飽きることなくとても面白かった。
ナポレオンは戦いの天才で英雄でカリスマでフランス愛に燃える男。そして恋をし筆まめで甘え嫉妬に燃えよく泣くマザコン男。ホアキン適役!可愛いとさえ思った。ジョゼフィーヌ役はヴァネッサ・カービィ以外居ません!と言えるほどぴったりだった。
サウンド・デザインが良く音楽も歌も映像を邪魔せずしっくりと随伴していた。そして映像は戦闘、寝室、食事どのシーンも素晴らしかった。映画館でご覧になることをお勧めします!
おまけ
戴冠式のシーンはインパクト大だった。ローマ教皇から戴冠されるというのが慣わしだったのに、自分で自分の頭に王冠を乗せたナポレオン!その時の教会内のどよめきは、そうか、こういう方法があったのかー!でもあったんだと思う。世俗権力は教会権力トップの言いなりにならないということでよろしく!という最初の画期的一歩だったんだ。フランス革命の理念に則って革命後大混乱の後始末をしたナポレオン。映画見終わって思い出しつつ反芻。
フランスは、だから政教分離なんだ。ドイツの超カトリックの町、ライン川沿いのマインツに微妙に中間緩衝地域を作ってプロテスタントのでっかい教会作れたのもナポレオンのおかげ。「ヨーロッパといったらそれはフランス」の意味がやっとわかり始めてきた。ナポレオンが成し遂げた他のこと(ナポレオン法典とか?)にも俄然興味がわいてきました。ありがとう、映画!
おはようございます。
私も同じようなことがあって、2つに分かれてしまっています。なぜなのか未だわからず、どうしていいかもわからず、古い方に共感いただいて気がついていないことがあったりします。
きっとどなたも、絵画の方が美しく、イケメンに描かれていたんでしょうね。
戴冠式の場面はホントに圧巻でしたね。
詳しくない歴史でも映画で知ることができるのはありがたいです。
私も映画を観てからしらべたりすること、よくあります!
カサンドラクロスへのコメントありがとうございました。あらすじを書いてしまいすみません。本作は映像が美しかったです。どうぞ良いお年をお迎えください🌅
本物の大砲の音を聞いたことないですけど、アメリカの射撃場とかで大きなライフル打つときは耳栓しないとやばいらしいですからね。とすると大砲なんかほんとに鼓膜やられちゃうんでしょうね。