ほかげのレビュー・感想・評価
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戦争孤児の強い眼差しの先に…
どんな戦争映画より
戦争の愚かさ虚しさを痛感する
塚本晋也監督の作品。
2014年に公開された塚本監督版「野火」は
今まで体験した戦争映画の中で
最も生々しい衝撃を与えられました。
戦地で植え付けられた
恐怖や苦痛、憎しみは帰還兵の
精神を蝕み続けます。
戦争が終わっても終わらない苦しみ。
広島出身の自分は小学一年生から
8月6日の登校日は全校生徒で
原爆の映画を鑑賞しました。
小学生にはトラウマ級の残酷な表現や現実は
戦争への嫌悪を植え付けてくれました。
絶対に必要な経験だったと
当時の教育方針に心から感謝しています。
信念も良識も矜持もなく
バイデンの戦争ビジネスに加担し
日本を戦争の出来る国へ向かわせる
岸田総理に是非鑑賞して頂きたい。
戦後の生活って壮絶だゎ
以前観た予告から想像していたストーリーとはだいぶ違ったけど(そもそもどこで予告観たんだろ💦)、それでも観てよかったと思える作品。
目を背けたくなる場面も多数。
一、二を教えれば十以上わかる聡明な坊やのお話。
結構見てみたら得した映画。
全くノーマークだったので、とても堪能できた。チョッと他に例を見ない演出と表現主義的な映像が鮮烈な印象をもたらせてくれる。前半の役者の表情をカットバックするだけで、グイグイと物語を引っ張る。一転して後半は野外を舞台に移しその自然との対局に戦後の日本人の絶望を一人の戦争孤児を狂言回しに描いていく。今までの塚本晋也の作品には見られない深みが前半後半の落差として陰影を生み出し作品に奥行きをもたらしてくれている。
タイトルなし
TIFF2023にて。
この作品も、『野火』『斬』同様の、ヒリヒリした、不条理さからのやるせなさだったり、人の弱さだったりという機微が表現されていて惹き込まれる素晴らしい映画でした。
全ての登場人物に目力があって印象的でした。
映画祭QAで監督曰く、戦後の闇市にインスパイアされて、そこを舞台に何か作品を作りたかった。キナ臭くなってきた世の中を憂いての、祈りの映画だと話しておられたのも印象深かったです。
終戦直後の日本。
闇市が立つとある場所。
皆、戦争がもたらした不条理さに絶望し、目に怒りを宿し、心の傷を抱え、生きることを見失いかけている。
それぞれのキャラクターが交わる時、ドラマが生まれ、心の闇が少しずつ明らかになってゆく。たどる行く末がとても気になり、こちらもヒリヒリしてくる。
全ての愚直で不器用なキャラクター達がたどる先を見て、
「ああ、そうか…。そうなったか…。」
と心が傷んだ。
良きにせよ悪しきにせよ、それぞれの未来がある。泥の中でも咲く蓮の様に、立ち上がって上手く生き延びることが出来た者が最後に勝ったと言えるのであろう。
ラストはそんな希望を感じさせてくれる終わり方であった。
1946年以降、社会福祉のパラダイムが構築されても昭和中期までは、元闇市が発展してた場所などで、傷痍軍人などを見かけていたが、至る場所のある所では、こういう歴史を辿っての今があるのだな…と理解出来て、そういう意味でも、興味深い作品でした。
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