劇場公開日 2023年11月25日

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「二式拳銃かな」ほかげ ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0二式拳銃かな

2023年12月3日
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鑑賞方法:映画館

焼け跡・闇市の描き方が生々しく、社会・人心の荒廃を嫌と言うほど見せつける。某マイナスワンでの描写が如何に表面的、見ようによっては侮辱的だったかがよくわかる。
戦争が人々にもたらすものは死と破壊、残すものは様々な形の深い傷なのだが、森山演じる復員軍人がそれを癒すために取りうる手段が、元上官の射殺という「凝縮した戦争」以外に選択肢の無かったのは、何という皮肉だろう。そして、自分が死ぬ以外に終わらせる方法の無いあの未亡人は?さらに、各自がそれぞれ自分の戦争を終わらせていったらこの世から戦争が無くなるのか?
戦争という答えのなさそうな難題について色々考えさせられる秀作であるが、ひとつたしかなのは「戦争反対」とお題目を唱えながら街をねり歩いても戦争は無くならないだろう、という事だ。

ひろちゃんのカレシ
sow_miyaさんのコメント
2024年2月3日

コメントありがとうございました。加害行為を行った兵士たちと、空襲による被害を受けた孤児とでは傷つきの深さが違うのかもしれませんが、動き出せない兵士に対して、兵士や女のことを慮りながら、粘り強く働く孤児に希望を感じられる最後で救われました。

sow_miya
ジュンヤさんのコメント
2023年12月5日

コメント有難うございます。
返答ですが、たしかに下士官の不味そうなメシと上官の贅沢な食事は対比に見えますね。
ただ露店のキツネうどんの皿を、同じバケツの水で何回も洗っていたり、不衛生で不味いメシで貧しさを強調していたようにも感じました。

ジュンヤ
ファランドルさんのコメント
2023年12月3日

映画は戦争の悲惨さを描いていますが、現実には、最後の一文の通りだと思います。

ファランドル