劇場公開日 2023年11月25日

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ほかげのレビュー・感想・評価

全106件中、1~20件目を表示

4.0居酒屋から覗く闇の戦後社会

2024年1月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

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マユキ

4.0戦争という火に翻弄される影

2024年1月31日
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鑑賞方法:映画館

火の影と書いて「火影(ほかげ)」だが、ここでの火とは戦争のことか。戦争が終わって残ったものは半分焼けた居酒屋、そこで1人、身体を売りながら生きる女性、転がり込んできた身寄りのない子どもと奇妙な共同生活が始まる。戦争の火が消えて遺されたものたち、生きるのもやっとの世界で寄り添う人々。戦争という火に翻弄された影としての人々の物語と観るべきか。
物語は、身寄りのない少年を軸に二つの展開がある。前半は、居酒屋での趣里と少年との束の間の共同生活。後半は少年と片腕が動かない元兵隊の森山未來との旅。森山未來の何を考えているかわからない雰囲気が怖い。旅の目的がわかってくると、彼も戦争の残り火が消えないで苦しんでいる人間だとわかってくるのだが。
2023年の年末は、太平洋戦争を題材にした作品が、大作映画、恋愛映画、アニメと重なり、どう戦争を描くかということの議論が起きていた。この作品もまた独自のアプローチで戦争を見つめた作品として、それらの作品群とともに観て色々なことを考えてほしいと思う。安易に正解は決められない。

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杉本穂高

5.0居酒屋を舞台にした壮大な反戦ドラマ

2023年11月30日
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鑑賞方法:試写会

怖い

終戦後、瓦礫と化した町の片隅で居酒屋を営み、奥の座敷では体を売って生計を立てているヒロインの視点で、物語は進んでいく。店には腹を空かせた少年や、心に深い傷を負った復員兵や、闇市で強かに生きるテキ屋の男たちがやってくるが、外の状況はあまりよく分からない。

塚本晋也監督の演出は、小さな窓(居酒屋)から大きな世界(瓦礫の町の状況と人々の生活)を覗き見するようなミニマムな手法に徹している。その効果は、膨大な予算を注ぎ込んだどんな戦争ドラマよりも強力だ。居酒屋を舞台にした壮大な反戦ドラマ、というのが率直な感想だ。

もう1点、別の復員兵に関するシーンでは一瞬鳥肌が立つほど怖い思いをさせられる。戦争の残虐を人物の顔と格子窓の光で表現したキラーショットは、今思い出しても体が震える。なぜなら、そこにも監督の強い思いが込められているから。大枠から細部まで、メッセージ性がパワフルな作品だ。

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清藤秀人

4.0ピストルを拾ったら、警察に届けましょう‼️

2024年9月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

怖い

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活動写真愛好家

4.0戦争の犠牲者

2024年9月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

戦争が終わって一発一発響く銃声は、
重くのしかかる戦争の犠牲者の悲鳴の様。
戦争が終わったとしても、
伝染病に侵される娼婦にしろ、
心を病む元兵士にしろ、
路上生活者となってしまった元兵士にしろ、
全員が戦争の犠牲者。

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上みちる

4.0戦争は終わらない

2024年9月6日
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悲しい

それは終わったあともひとりひとりの心に晴れることのない影を落とすから。

戦火をのがれた登場人物は皆必死で生きていた。
生きながら誰もが苦しんでいた。

目を凝らしても観にくい暗い画面は、埃にまじる黒褐色の血で濁された人々の心の色のようだ。

どれほどの苦しみを繰り返せば終わるのだ?

なんの罪もなく人生が一転した人々が世界中にいる現実を考える胸にもあの色が流れ込んでくる。

戦争は愚かだ。

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hum

3.0絶望の先に

2024年8月30日
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鑑賞方法:VOD

絶望の先には何が見えるのか

ただ、生きるためだけに生きて幸せなのか

ただ、食べるためだけに生きて幸せなのか

戦争という非日常は人間の生きる意味を改めて考えさせられる

ただし、本作は、話が断片的過ぎて、寡黙過ぎて、わかりづらい。塚本晋也らしいと言えばらしい。

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ちゆう

3.0灯影(ほかげ)のような不安定さ

2024年8月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
兵隊さんは怖かったけど、神様が旦那と子どもを戻してくれたのかと思ってたんだよ。
短い時間だったけど、姉さんにとったら一生だよ。
ありがとね…ありがとね。

女がどういう経緯で「この家」(持ち主が戦災に遭って空き家になった?)に居着くことになったのかは、本作の描くところではなかったように思いますけれども。

おそらくは他に身よりもなく、この家に居着いていた女のところに身を寄せて来た「子供」も、「復員兵」も、おそらくは戦争で身寄り頼りを亡くして、「家族」の温もりを求めて女の下に身を寄せて来たのではないかと思います。

復員兵にしても、女に(今は亡き)妻の姿を見ていたのではないでしょうか。
反対に、女が、復員兵の姿に(今は亡き)夫の姿を見ていたことは、上掲の映画のことばからも明らかです。

その子供にしても、一度は女に放逐されるのですけれども。
それでも、また戻ってきたのは、疑似の「母親」の姿を女に求め、自分を追い出したことがの女の本意だったかどうかを確かめるためだったように思われてなりません。

そして、女も子供も復員兵も、登場人物は、それぞれに「心の闇」を抱えていることは、明らかです。戦争=敗戦が彼・彼女らの心を押し潰してしまったことには疑いがなく、戦争の不条理というものを、改めて見せつけられた思いもします。

結局のところ、語彙としては「灯火に照らされた姿。また、うす明りでできた陰影。」(コトバンク)を意味するという本作のタイトルは、ゆらゆらと揺(ゆら)らめく炎によって、ゆらゆらと投影される不安定な疑似家族の関係を映し出していたと受け止めるべきなのだと思います。

その意味では、充分に佳作としての評価に価する一本だったとも思います。
評論子は。

(追記)
女は、最後には病を患ってしまうようですけれども。

終戦直後の数年間は、保健衛生機関は、発疹チフス、痘そう、コレラなどの急性伝染病の防疫に追われたと聞き及びます。

熱帯地方のジャングルで戦ってきた復員兵は、日本では稀有な病気のウイルスに感染していたことも、充分に考えられるところです。

かてて加えて、復員船の中は、超過密の「三密状態」だったことでしょうから(実際例、復員船の船倉で、戦地から持ってきてしまった伝染病で病死する復員兵も珍しくはなかった)、そんな過酷な状況で帰国した復員兵たちを介して、終戦直後の日本に持ち込まれたことは、疑いようもありません。

女が感染した原因菌も、そういう経路で女にまでたどり着いたものなのでしょう。

戦争の不条理というものは、こんなところにまで顔を出すものなのでしょうか。
何とも言えない想に、心がけ痛みます。

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talkie

3.0出演する俳優の演技力

2024年8月26日
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えーじ

3.5戦後市井の地獄

2024年8月26日
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泣ける

悲しい

怖い

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近大

4.5ゆきゆきて

2024年8月17日
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鑑賞方法:映画館

塚本晋也監督作品なので観なくてはと思いながらついつい年を越してしまった

アップリンクで上映されたので、台風一過の猛暑のなか吉祥寺へ

前半の趣里編は話が停滞していたが、後半の森山未來編から動き出す

こ、これは「ゆきゆきて、神軍」では!?

奥崎謙三の若かりし頃を森山未來にみる(個人的妄想デスヨ~)

しっかり反戦映画となっております オワリ

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うんこたれぞう

3.5戦争が終わっても

2024年8月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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りか

3.0子供の視線

2024年8月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

 終戦直後、居酒屋で売春をしながら虚しく生きる女。そこに戦争孤児の少年ががやってきて、一緒に生活する。しかし少年は、片腕が不自由な男と出会って、彼についていく。男の目的は。
 子供にはわからない理解できない、大人の行動を子供の視線で描いている感じでした。終戦直後で、こういった出来事はあったろうな、と容易に想像できます。なので思ったより評価が高いかな、自分にはあまり響きませんでした。

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sironabe

2.5演出が臭い

2024年8月15日
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売春婦に母性を見いだした少年を巡る物語
低予算なのか?演習が安っぽい上に臭かった
反戦が主題なんだろうけど映画として楽しめなかったらデカデカと掲げても話題性も産めないだろうし、なあ

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かまぼこたんごろう

3.5アイドル?

2024年8月14日
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悲しい

怖い

萌える

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トミー

4.58月に観るということ

2024年8月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

太平洋戦争を描く時、軍人側からとする作品と市井の人からとする作品があると思います。どちらも秀作はありますが、「ほかげ」は後者、とても感動しました。

塚本作品はほぼ見ていると思いますが、ハイパーな路線以外では「ほかげ」が最も好きかもしれません。唯一無二と言いますか、監督得意の狭い空間での演出、演技者さんたちの能力と合わさってグイグイ引き込まれました。

わたしたちの今の平穏な生活は、戦争で犠牲となった全ての方々、また生き延びた後、全力で日本を再構築してくださった方々のおかげだと心底考えてしまいます。戦争を身近で経験する、また何も無い国土を懸命に生き抜く、こうしたことと比較すれば、今のわたしたちは本当に恵まれています。株が下がったとか、社会保険料が上がったとか、インフレだとか、そんなこと、戦争という生きるか死ぬかと比べたら当に小さいことです。

趣里さんは初めてちゃんと映画で観ました。結構野太い声でハッキリとセリフを言ってるなと思いました。森山さんはこの手の役は適役です。子役の男の子、凄すぎる。利重剛さんもなるほど適役と関心。大森監督、やっぱり声は弟さんに似ているんですね。海獣シアターのオリジナルみたいなので、予算かけてないなと思います。塚本監督、こうした環境での演出は得意でしょう。

先日、上田市の無言館に行ってきました。名もなき市井の画学生、みんな戦争で命を落としました。一般的に太平洋戦争での軍関係の犠牲者は230万人とのこと、一口に230万人て簡単に言っていいんでしょうか。それぞれが、親や奥さんに見送られ、懸命に従軍し犠牲となり、紙だけが入った棺桶が戻って来て、残された家族は焦土から再出発です。忘れることはできない記憶だと思います。

冒頭に書いた軍人側からの映画を見ると、上層部は1人1人のことは考えてませんよね、あと何万人いたら勝てるとか、本土決戦だとか。

人々目線の「ほかげ」のような作品は重要だと思います。

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ウルスアベイユ

4.0子役の子の目を通して

2024年8月10日
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鑑賞方法:映画館

現実に近い話しだろうなと思う。

戦後の混乱状態をよく現してます。

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Billy

5.0語られることのない戦後を描いた渾身の一作

2024年7月25日
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悲しい

幸せ

萌える

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こべっこ

3.0混乱期の中でも

2024年5月30日
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ムービー好き

4.0戦争は

2024年5月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

頭の良い人が武器を作り、計算高い人が利用し始める
国家を引き合いに出す嘘臭さが匂う下劣なイベントだ

その戦争に翻弄され生きることが是とされ
生きることが本当に求めている幸せなのかも
わからなくなった人々が交差し絡み合う物語を見た

物語で出てくる少年は
まだ経験が少なく見えるものばかりが全てではない
からだろうか、素晴らしい気づきと感想を
分け与えてくれるキーマンとして物語をナビゲート
してくれた◎

ブギウギでの趣里しか知らない僕にとっては
めっけもんだった怪作

心炎は燃え上がる🔥

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tomokuni0714