戦慄怪奇ワールド コワすぎ!のレビュー・感想・評価
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フィションをフィクションのままで終わらせないという強い意志。
コワすぎ!シリーズ8年ぶりの新作にして、白石監督曰く完結編。「トイレの花子さん」や「最終章」など、シリーズの過去作を思わせるリアルタイムのノンストップ感を再現しながら、シリーズらしさや白石監督ならではの要素をギュギュッと凝縮させた集大成的な作品になっていて、ホラーの衣をかぶったごった煮エンタメとしての「コワすぎ!」や「白石晃士」は、もはやひとつのジャンルなのだなと改めて認識させられる。
今回の物語が、映画業界におけるセクハラや性的暴力の告発を反映していることは間違いなく、露悪的でもあった本シリーズのテイストにある種の修正が施された。その点については賛否の両方があって当然だし、性被害をあくまでも加害者中心に描いてしまっている限界もあるとは思う。しかし現状をよしとせず、前に進もうとする強い意志が感じられることもまた確かで、フィクションをフィクションのままで終わらせない姿勢は頼もしくすらある。
感想メモ
面白い、コワすぎ!が好きな人なら見て間違いない、時空間ワープもあり、過去作っぽさも楽しめる
ホラー映画として見ると、満足度はいまいちかも、もはや新しいジャンルのエンタメだと思う、参加型の要素もあって興奮した
市川さんが強くなってる
工藤さんの性差別的な所や暴力性はそのままだが、別の世界の自分と対峙させることにより、昨今の価値観を尊重している形になっていると思う
自分の中の汚い部分と向き合い、何度でもぶっ壊していこうというセリフには感動した
撮影地が「カメラをとめるな!」の場所!ちゃんと屋上も登場します!廃何施設なんだろう?
田代さんが慌てる所のファンです
とても面白い
工藤がどんなパワハラをするのだろうとワクワクしていたら、大人しい。工藤までもが時流に合わせてくるなんて、と絶望的な気持ちになるのだけど、途中で現れた霊能者の珠緒がめちゃくちゃ魅力的なヤンキーでかっこいい。かわいいし、見ていて元気になる。映画秘宝があったら今年のベストガールは彼女で決まりだったはずだ。時空をビュンビュン飛ぶ演出も決まっていて、実際あったら怖いだろうけど見ていて気持ちがいい。
工藤の負の側面だけで構成された人物がレイプ魔なことや赤い女が味方になっているのがちょっと変な感じだ。
Nonstop camera!
モキュメンタリーな作風のコワすぎシリーズ、もとい白石監督のスタイル全開の今作、形式的には最終章らしいんですが、基本的にはいつものカオスは撒き散らした感じになっていました。
廃墟に行ったら赤い女が猛ダッシュで追いかけてきて、その動画をTikTokに上げたら垢BANされたので、工藤Pと市川Dの元へ動画を送り、それを見て映画にして倒産の危機を脱しようぜ!なノリで映画撮影にいつものクルーで向かう感じで進んでいきます。
コロナがある程度静まった日本が舞台で、多様性やZ世代の文化を程よく混ぜつつ、いつものペースでワチャワチャ撮影を進めていったら、怪奇現象が起きてパラレルワールドに連れて行かれたり、赤い女が撮影したグループの子の彼女だったと思えば、目的が合致したから一緒に黒幕ボコリに行こうぜ!と判断が激早で笑いを誘ってくれます。
工藤の負の部分が集まってできた人間体が黒幕で、何か分からない黒いものを飛ばしてクルーを鎮圧するなど超能力ものに一瞬なりますが、バットやグーパンで勢いよく対抗していくので生身vs融合体のバトルが少し観れます。引くという選択が無いのがなんとも潔いです。
珠緒師匠が第四の壁を突き抜けて観客側に応援を求めるシーンはゲラッゲラ笑いました。プリキュアかよ!とツッコミを入れたくなりましたし、しっかり待って応援を受け取ってなんなら感謝の言葉までくれるというサービス精神っぷりでした。珠緒師匠大好き。
最終的には現実世界に全員戻って、ギャラを跳ね上げるぞーとか全員タクシーで帰るぞーとか言ってたら琴子の赤ちゃんが巨大化して空中旋回したのちに触手を全員に喰らわせて終わるという安心できるオチでした。この後世界が災厄に包まれるのが確定というのも面白ポイントです。
「オカルトの森」から入った人間なので、あの地球大爆発にはお口がポカーンとなりましたが、何作も観てるとこれが様式美のように見えてしまいました。
エンドロールでも一緒に歌おうぜ!と観客を巻き込んでくれました。撮影自体監督とキャストがやってるので、エンドロールが爆速で終わります。1分半くらいでしたかね?マイケル・ベイと良い勝負してました。
唯一無二の白石ワールドはこれからも続いていくと思うので、色々楽しみに待てるのが嬉しいです。シネコンとミニシアターを永遠に行ったり来たりして下さい。いつまでも追い続けますので。
鑑賞日 9/10
鑑賞時間 21:10〜22:35
座席 I-6
【前半は面白怖く鑑賞していたが、後半段々面白怖さが半減して行ったPOV映画。”何処かで観た建物だな”と思っていたら「カメラを止めるな!」のロケ地でした。ヒットして出演者の方々にボーナス出るかな?】
ー 白石晃士監督作品は「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」を観ていただけであるが、面白かったので”どーせ、オイラ一人だろう”と思って劇場に行ったらほぼ8割の入りで(私の居住区では、滅多にない。)驚いたなあ。
皆、残暑厳しき折、この作品でヒンヤリするために来たんだろうなあ。-
◆感想
・前半は、”赤い女”が出現する古い建物に入った撮影隊が、”あの世”と”この世”を彷徨う姿が、結構面白怖く鑑賞。
時空を超える設定や、マウリッツ・エッシャーの絵の様な迷宮の中を、走り回る登場人物達の姿が、ナカナカ斬新である。
・だが、後半、ヤンキーみたいな霊媒師の女性タマオが出て来てからは、テンションが一気に下がってしまった作品。
急に、ホラーがお笑いになってしまった感がある。
大体、あの茶色の変な生き物は何ですか?
■一番びっくりしたのは、公開2日目にも関わらず、パンフが完売していた事である。
熱烈なファンがいるのかなあ。
それとも、3冊位しか入荷していなかったとか・・。(関係者の方、ホントスイマセン。)
シリーズファンの期待には十分応えた。
封切り2日目土曜の新ピカ、ほぼ満席の昼の回。終演して明るくなってから客席のアチラコチラからクスクスと笑い出す声が聞こえてきました。
完全にシリーズファン向けというか、このシリーズの(白石晃士作品)の面白がり方が分かっている人向けの作品になってましたね。建物を走り回るのは「トイレの花子さん編」でやったし、エキセントリックな霊能士は他の作品にもよく出てきてますし。ある種の集大成感はありました。
単純に怖さを期待して行くとそんなに怖くはないし(ショックシーンは予告でほぼ出し切ってましたね)、怪異の真相もそれ程面白くもないですが、本シリーズの肝である工藤Pをはじめとした取材クルーの歪な積極性を持つキャラクーの面白さは期待を裏切りませんでした。工藤が弱腰になる度に劇場は笑いに包まれました。
予告編の段階で『カメラを止めるな』と同じロケ地という事が気にはなってましたが、始まってみるとそれ程気にはなりませんでしたね。相変わらず不気味な謎の施設で映画に向いた空間でしたね。この施設を『例の施設』という一つのタレントとしていろんな使い方をしていくのも面白いかもしれませんね。『例のプール』みたいなアレで。
最後にいきなり始まる「さぁ、みんなで一緒に歌おうぜ!」という『バチアタリ暴力人間』みたいなエンドロールも白石晃士からの「怖かったでしょ〜」ではなく「ヤベー奴らだったでしょ〜」という非ホラー映画宣言と受け取っても良いのじゃないでしょうか?
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