月のレビュー・感想・評価
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建前の善人より、本音のやりとり
衝撃的問題作
久しぶりに邦画でヒリヒリするほどの緊張感を味わえた作品でした。
生々しい本音のぶつけ合いをここまで描いた作品も珍しいし見ごたえも十分ありました。
磯村勇⽃演じる青年の穏やかで冷静に主張する言葉に影響されてもおかしくないと感じるのは自分の年のせいもあるのかも。
人間とは何か?生きるとは何か?を問いかける強烈な作品でした。
宮沢りえとオダギリジョーの理想の夫婦の関係と磯村勇⽃と二階堂ふみの働く介護施設の厳しい現実。
衝撃的なラストをどう考えるか、尊厳死も含めて難しいテーマだと思いました。
娯楽作品ではないですが今を精一杯真面目に生きてる人が見るべき作品です。
おすすめ度は100%です。原作もじっくり読みたいと思います。
障がい者と施設の描画が酷い
事実を元にされている物語なのでこれはさすがにキツい。フィクションなら良いけど、、、
あんな暗闇で、、、職員さんも仕事しにくいだろうに。
犯人が事件を起こす動機付けの部分なんだろうけど、それでも酷い。一瞬退出を考えてしまった。
完全な作り話でエンタメも割り切れば良いけど、事実を元にしていると、どうしても被害者や遺族・関係者のことが気になります。この描画だと全員が深く傷つきそう。
ついでに、3.11と出生前診断までまとめて不快。
また、出てくる人、みんないろいろな意味で胸くそ悪い。観ているだけで病みそうだし、演者も辛かったと思います。
映画や小説なので、殺人者の完全否定だけでは行けないと思います。加害者にも理由や事情があったり、どこか共感できる部分があっても良いと思います。ただ、このストーリーだと、まるで施設や障がい者に殺される理由があったかのような表現です。これはいくらなんでも酷すぎる。
正直、この事件は考えさせられた。
自分が障がい者側なら、、、家族なら、、、職員なら、、、いろいろな目線があります。
自分で意思表示が出来ず、「ココロ」がないのであれば、殺して欲しいと思うし人もいるでしょう。また、介護疲れしている家族もいるでしょう。
かと言って、殺して良いということではありませんが。
といいつつ、、、最後まで物語に惹き付けられたのも確かです。なんとも評価が難しい。
河村光庸氏の火中の栗を拾う姿勢に拍手
例の大事件をモチーフにした劇映画、原作ありきの映画化とのこと。当然に観て楽しいものであるはずもなく、観客1人1人に問題を突きつける、その意味で本作の価値は十分にある。しかしだからと言って内容が重いと暗鬱になったり、否定の声も当然に呼び起こす、現実そのものを提示しているから重いのも当然。劇映画と言うフィクションを通して作品としての存在意義は、ファンタジーだろうとアクションだろうとコメディでも、現実から乖離すればする程にある。一方でリアルな現実を描く社会派なり告発物も観客の目を覚まさせるだけでも十分に意義はあり、賞賛の対象ともなる。だが、同じ現実なのに本作のようなテーマは日常の現実ではなく、恣意的に隠された現実だからアレルギーも引き起こしてしまう。
本作とは全く完全に意味を切り離して参考までに提示すれば、日々私達が美味しく頂いているフライド・チキンやら焼肉やらステーキの根底には、屠殺をし解体する業務があるにも関わらず、私達は見ようとせず完全に避けている。ニュースで戦場の悲惨を映し出す際に非業の死をとげられた死体は完全にボカされる、最大の要点にも関わらず死者の尊厳の美名のもとに現実を隠してしまう。もっと分かり易く例を挙げるならば、東日本大震災での津波の映像に大抵「津波の映像が流れますご注意下さい」とか。私とて猛烈に胸が痛み、避けたい自分を知ってしまう。
この世の中、美しき人生を謳歌するために、心穏やかに過ごしたい。恐ろしいものは避けたいし見たくもない。そんな見なくても済む現代社会を私達はせっせと作ってきた。本作の問題点はここに尽きるのではないでしょうか。社会が形成する以前は、人は動物を殺し肉を自ら切り刻み生きるために食してきた。人の死体なんてそこらじゅうで目にしたはず、手も足も出ない自然災害の破壊も否応なく直面した。そして、非健常者だって当然周囲にいたはず、可能な限りの支えを分け与えたり、逆に差別され虐待されたかもしれない。高齢者は姥捨て山に置き去りにした、口減らしと面倒のために。すべては自分の生活圏内にあった。そんな厳しい現実と接しながら生きてきたはず。
社会が形成されるにつれ、そういった「悲惨」はまとめて面倒みましょうと、ショックを与えるような事象はあらかじめ取り除きますと。高齢者が介護ケアの名のもとに集められ隔離されるように、障碍者もまた施設に集められるようになった。弱者を切り捨てないと効率が悪いと公言する低能論者までもテレビに登場する時代。胎児を検診結果により異常が見つかった場合は殆ど中絶と言う名の殺人がなされると。こうして優生思想が社会の無意識の要請として肥大化してゆくのです。
ここまで遡らないと、本作での磯村勇斗扮するさとくんのクライマックスでの長セリフに対峙出来ない。だから直接映画の関わりなくとも長々と記してしまいました。命は尊いものです、何故なら肉体と魂(心)の解明なんて出来ないのですから。だから人は人の命を弄ぶことなんか出来ないと思います。
さて、本作はあのスターサンズの作品で、この豪華役者の顔ぶれとあらば観るべきと。亡くなってしまったのが残念至極ですが、甘っちょろい邦画に喝を入れ続けた河村光庸氏の遺書でもありましょう。答えの出しようのない事ですが敢えて火中の栗を拾う姿勢に敬服です。
とは言え、脚本・監督を任された石井裕也には荷が重すぎたのか、身構え過ぎたのか粗が目立つのが残念。あのワインへのクロースアップは何ですか?素人のホームビデオレベル。カメラワークもぎこちなく、なにより脚本の推敲不足なのかセリフもぎこちない。執筆に行き詰り重度障がい者施設でバイトをするなんて、不届き極まりない女を主人公に、おまけに生まれつきの障害のために幼くして亡くなった第一子と言う過去を設定し、さらに第二子を身ごもりその不安を主題に絡ませるのは、当然に辺見庸の原作どおりなんでしょうが、無理がある。しかも宮沢りえとオダギリジョーの夫婦役でしよ、あの名作「湯を沸かすほどの熱い愛」2016年を嫌でも思い出しそのギャップに困ったものです。
しかし、お二人とも熱演なのは確かですよ。ことにも変な役がほとんどなのに、ここでのオダギリジョーは売れてはいないオタク役ではあるけれど、歳のいった好青年として明るいのですから意外も意外。そして本作ではほぼ主演なのがさとくんに扮した磯村勇斗が圧巻なのです。もとより爬虫類的肌感覚の役者さんで人気も実力も兼ね備え、それでいて作品選択も変態寄り多し。本役を受けて立つ気概に拍手喝采です。狂言回し的な役の二階堂ふみの演技方針もあやふやで、場違いな嬌声に違和感あり。施設の同僚役の2人、虐待に加担し終始悪役然としてますが、普段の働きぶりのポジティブも描いて欲しかった。さとくんの同棲相手が聾唖の設定が作品の中で活きたのかはなはだ疑問。
タイトル「月」と言っても満月は一時もなく、三日月ばかり。フルに完全な月より、欠けたところが圧倒的な三日月が本作の意味するところ。
ZANNEN
いろんな思いが交錯する映画だった。感想としてはだらだら書くのも本意ではないので端的に言って「創作することには社会的に意味が大きいが、映画としては破綻しているかもしれない」ということだ。
前半の東日本震災のシーンからして暗示的ではあるのですが、我々一般人(関与しなかった者という意味で)には見えなかったものを、当事者たちは確実に乗り越えざる得なかった。「知らなかったじゃないでしょ、知ってたよね?」って言う問いを突きつけられたとき、私等は何も返答できないわけです。あくまでも当事者性という壁が眼前をよぎるのみなのかもしれない。
私個人の感想では、後半三分の一は別映画にすべきだったと思います。亡き子の墓前のシーンでは涙が出てくるほど感動的でそこで、完結すべきでした。
しかしこの映画は原作者の思いや多くの関係者がいて、そんな題材を選んだ以上、石井監督に許される範疇ではなかったことでしょう。あくまでも寿司屋でTVを観て、驚愕する主人公なんて観たくなかったそれが感想です。
後半に関しては同監督でもいいし、別監督でもいいのでリベンジを期待します。
感想を言語化できない
〈鑑賞直後の感想〉
事件当時から現在の自分の感じ方の変化を確認するために鑑賞。
当時と同じく、感じたことをまとめることが難しい。もう少し時間をおいたら何か言葉になるだろうか。
今年一番動揺した作品である。
まずは記録まで。
〈数日後の感想〉
根拠や確信が無くても、「それは間違っているので認められない」と言い張らなければならない事がある。少なくとも自分自身に対して。いずれ訪れる介護で疲れ果てている私を想像して、こう思った。
現代社会の縮図
良心よ死ぬな
事前情報ゼロで見ましたが、
十分すぎるほど伝わってくる内容でした。
社会にも、施設にも、人にも、全てのものに二面性があって、影と日向は常に葛藤している、、、
振り返ってみると、全ての登場人物にも少なからず裏表があって、自分の暗部にきっちり訣別して良心が解き放たれる者、葛藤し続ける者、呑み込まれる者、、それぞれの心の中が痛いほどに描かれていました。
本作は背景設定を語らずに情景や演技だけでそれを伝える力があり、効果音や音楽、デパルマ風演出など随所で作り込みの良さが感じられました。
主演の宮沢さんは、ぶっちぎり圧巻の貫禄で素晴らしかったです!
オダギリさんも最初はホワッとしながらも終盤はジーンとさせる流石の演技でした。
難しいテーマを描こうとして大失敗している
2023年劇場鑑賞240本目。
障害者に関わっている人全員にとって、東日本大震災や9.11くらい大きな事件だったやまゆり園の大殺戮事件。
それに基づいて描かれる作品とだけ聞いていったので、犯人がそこに至るまでの心理や、事件後の関係者の心の傷を描くのかと思っていました。
まず、大前提としてこの映画は関係者をさらに傷つけます。この映画だと犯人を作り出したのは同僚や上司となっており、ある意味共犯者扱いです。終盤映画の中で職員に行われた残酷な行為は実際に行われており、そのトラウマたるや想像を絶するのに、その職員ですら悪者にしてしまっている。あんな虐待というレベルでなく、単なる犯罪が日常茶飯事に行われている事業所ならあの事件か起きた後速攻閉鎖され、職員も逮捕されなければいけないのに、そういうことはもちろん事実としてないので完全に嘘なんですよね。
犯人の言い分も、多少は宮沢りえとオダギリジョーが否定してくれますが、全く響いておらず、どうせ映画として嘘をつくならそこを徹底的に否定し、犯人が間違いに気づいて後悔する、くらいやらないと犯人の言う事にも一理ありますよ、という解釈になってもおかしくないです。
結局この作品を作った人からはまぁひどい事件だけど結局は他人事だよね、というメッセージをあそこで終わってしまうラストシーンから受け取りました。オープニングの障害者を化け物みたいに映すカットもめちゃくちゃ不快でした。
覚悟なくこのテーマを扱う罪
原作がこうだから仕方ないで逃げないで欲しい、なら映画化する必要ない。演出、シナリオ、演技全てが駄作、酷すぎる。
優生思想の作品なのか?
障害者を人間ではなく別物と考えているから蜘蛛や蛇、ミミズ等出して園を化け物屋敷と演出しているのか?
実際の役者と障害者を撮影のときに別けて撮っている事に違和感を覚える。
映画なので優生思想が良い悪いはつくり手の思想なのでそれは良い。
しかし、この映画の製作陣はそれを訴えたいのではないだろう。なのに完全に失敗している。優生思想が善で犯人が善、主人公はこの犯人に言いくるめられて終わる。
シナリオも何故次の子供が出来たときの障害健診をラストに持って来なかったのか?このテーマで行くなら障害健診は受けないが正解ではないか?もしくは迷って終わるで観客に投げかけるなど手法はあったはず。
犯人と主人公の長いやり取りも何も解決せず、ただ幻覚に言いくるめられて納得するだけのつまらない映画。
この監督は「茜色……」の時もそうだが何も覚悟がなく社会派撮りましたって、全くお門違い。
人物描写に厚みが感じられなかった
辺見庸の同名小説を映画化した作品でした。明示はしていませんが、2016年に相模原の知的障碍者施設で発生した元職員による大量殺人事件を題材にしている作品であり、ひと言で表すと非常に重いテーマを扱ったお話でした。事件発生当時、前代未聞の大量殺人事件が起こったことに対する衝撃があったことは勿論、犯人を非難するどころか逆に礼賛するネット世論もあり、むしろその方が社会的に根が深い問題だと感じたものでした。
で、そうした衝撃を受けたのは映画制作者も同様のようで、昨年6月に公開された「PLAN75」の早川千絵監督も、相模原の事件が同作を創ったきっかけであると語っていました(参考 「どんな未来を望みますか?」 弱者を切り捨てる社会で問いかける映画「PLAN 75」 早川千絵監督インタビュー)。 また、今年3月に公開された「ロストケア」も、訪問介護センターに通う高齢者40名以上が、そこの職員に殺されるという話を描いたものでした。
「PLAN75」も「ロストケア」も、高齢者がターゲットになる話であり、障碍者がターゲットとなる本作とはその点異なるものの、効率重視、コスト重視、生産性重視の昨今の風潮が極まると、高齢者や障碍者といった社会的弱者が排除されるディストピアが生まれるんじゃないのかという恐ろしい予見を劇化するという意味では、同様のテーマの映画だったと言えるのではないかと思います。
そうしたテーマを扱った映画であり、「PLAN75」や「ロストケア」同様、かなり期待していた本作なのですが、正直映画としてはイマイチでした。というのも、全体的に登場人物の描き方が薄く感じられたのがその原因でした。主人公の堂島洋子(宮沢りえ)とその夫の昌平(オダギリジョー)は、彼らの長男が先天的な病気を持って生まれ、3歳の時に亡くなったことをずっと引き摺っており、この2人の描写はそれなりに丁寧に描かれていました。しかしながら、この2人以外で最も重要な役である大量殺人を計画・実行したさとくん(磯村勇斗)に関しては、教員を目指していたものの、ならなかった(なれなかった)ことや、刺青をしていること、大麻を常用していたこと、施設入所当初は仕事にやりがいを感じていたことなど、実際の相模原の事件の犯人をなぞるような描写がありましたが、最も肝心な、最終的に大量殺人を起こすに至るまでの彼の内心の変化についてはかなりザックリとした描き方になっていて、全く合点が行きませんでした。
また、昌平の勤務先の同僚や、洋子やさとくんと施設で共に働く同僚が、昌平やさとくんを馬鹿にしたりイジメたりする場面が出て来ますが、彼らの描き方は極めて平板で、全く人間味を感じることが出来ませんでした。まるで書き割りのようだったと言い換えても良いでしょう。登場回数もそこそこあり、昌平やさとくんに対して吐き捨てるような心無いセリフも結構あるのに、彼らは名前すら出て来ず、これまでにどんな人生を送ってきたのかも一切触れられていません。言ってみればモブキャラな訳ですが、その割に昌平やさとくんの心情に影響を与える重要な役どころでした。制作者としては、モブキャラとしての名無しの彼らに、逆に社会全体を背負わせていたのかとも思ったものの、生きて来た背景のない人はいない訳で、その点に物足りなさを感じざるを得ませんでした。
俳優陣については、「PLAN75」でも重要な役をやっていた磯村勇斗は相変わらず安定の演技をしていたし、主役の宮沢りえも、かつての印象とは全く異なる快心の演技をしていたと思います。またオダギリジョーの存在は、全面的に暗い映画の中で、一服の清涼剤の役割を果たしていたように感じられるなど、総じて評価できるものだったと思うだけに、人物描写がイマイチだったのが残念でした。
善意の正論 と 悪意【犯罪】の本音 コメント難しい。だが どちらでも無い 目を背けるワシが居た。
実際の事件をモチーフにした辺見庸氏の原作を より客観的に つまりキーちゃんの視点無く映像化らしい。
事件には衝撃を受けた。皆さんと違う意味で・・
申し訳ない 障がい者の方々の施設に勤めるのなら 障がい者の方々はカスタマーでないのかい❓
お客様商売は福祉も同じ、お客様なんだと というヘンテコリンな本音だった。仕事なんだから❗️
ただ 本作観て 正直な感想書く前に大前提述べとく
①命の価値は等価 お偉いさんも高貴な方も 貧乏人も 引きこもりも 同じ
②・人は言語道断だが、暴力自体いけない。反論できない人には尚更
その上で正直な感想書くと
正直 宮沢りえとオダギリジョーのまともな感覚 善意的に 同調する私
磯村勇斗演ずる犯人に 若干 同意する 悪魔👿の俺
の2人のオレがスクリーンの前に居た。
でも 結論は どちらも賛同できない 第三者無関係で居たい 安全地帯に居たい 卑怯者のワシに統合された。
綺麗事は言える。だが 糞尿の問題 暴れる問題 等から正面から当事者意識持つと
俺個人的には綺麗事は言えない。
もしかしたら 私と 磯村勇斗さん演ずる犯人は 警察に捕まるのが怖い死刑が怖い 家族への迷惑が怖い
の違いだけかも知れない。
言語道断の事件であるが、事実から目を逸らしてはいけないということかも。
最後の オダギリジョーの小さな幸せ 5万円の芸術🎨賞受賞で喜ぶ 宮沢りえ役
過去子供が夭折していて 再度の高齢妊娠 に 結論は安直には出さなかった
点は 良かった かえって心が洗われた。
実際の 聾唖の方が犯人の恋人役で好演
また 障がい者施設の入居者の方々もご本人後見者の方賛同で出演されている。
誰でも老いるし、障がい等級に該当する可能性がある
でも、毎日仕事とはいえ 仏の顔だけでは厳しい福祉の現実はあると思う。
【月🌕】のタイトルが意味深。
なんで有料パンフ@1300に触れないかというと
コラム review がいったい何人 というほど多くて さすがに 読むの放棄しました。購入はしました。
映像的には 誰でもわかります 誰でも置いていかれないテンポはある。
でも 決めつけコメントは難しい高難易度作品。誰でもわかります、そこは保証できる。
でも 心が無いから・・・という判定判断はよせや という偽善者の私もいましたよ。念のため。
原作読みたくなりました。辺見さん 上手いからねぇ。
7月26日は玉子の日
知的障害者福祉施設で働き始めた元有名作家と、施設で働き不条理を感じる普通の青年の話。
ネタ探しとして施設で働く女性に、紙芝居を自作する男性に、入所者に酷い扱いをするやさぐれコンビ、そして臭いものに蓋をしようとする施設長という面々に囲まれつつ、自身の過去と夫と対峙していくストーリーに、ズレていく男のストーリーを絡めて行く。
何が正しくて何が無慈悲で何が残酷か、倫理観や矛盾を問いかけている様ではあるけれど、それを訴えかけるが見え見えで少し白々しさも…そんなもの細かい線引は人それぞれだし、その時々で変わるものだしね。
それでも夫婦の描き方は良かったし、モデルとなった事件が実際に起きた時にも感じたけれど、マジメな会話をしようとしてもお話にならないのは誰だよっていう胸クソ悪さは良かったけれど、彼のパートは映画としては投げっぱなしで、ちょっと物足りなさもあった。
雰囲気づくりで狙ってやっているはわかるけれど終始画面が暗くて疲れた。
きれいごとだけじゃない
臭いものには蓋をしたい
ただただ考える
う~ん
舞台挨拶付きで拝見しました。 登壇された出演者の方々、言葉に詰まる...
舞台挨拶付きで拝見しました。
登壇された出演者の方々、言葉に詰まるシーンが多々ありました。
この問題は各々意見があるとしても答えを出してはいけない気がするし
言葉を選ばないといけない場でしたので大変だったと思います。
なので正直、レビューもしにくいです。
作品自体、とても考えさせられます。
自分の子や親族が障害者だったら・・・
想像にも限界があります。現実は当事者家族にしか分かりません。
単に『他者を傷つけてはいけない』は綺麗事な気もします。
ただ、赤の他人が首を突っ込んで考えていいことなのか、
そこにすら疑問があります。
何を考えても自分の想像の範疇を超えないのです。
出演者の演技が素晴らしかったことだけは胸を張って言えます。
この作品と『ロストケア』は鑑賞疲れしますので
精神が落ち着いている時に見ることをお勧めします。
全170件中、141~160件目を表示