劇場公開日 2023年10月13日

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月のレビュー・感想・評価

全282件中、41~60件目を表示

4.0臭いものには蓋をしろ?

2025年4月2日
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鑑賞方法:VOD

 幻想的な月夜の風景。そして東日本大震災の惨状。心の傷が未だにイヤされてないように思える堂島洋子(宮沢)。東日本大震災を扱った小説で脚光を浴びるものの、それからは全く小説が書けない。夫の昌平(オダギリジョー)は人形アニメーション作家を目差しているが、マンション管理人のアルバイトで食いつなぐ。

 同僚のさとくん(磯村)が危険な思想を持っていた。ヒトラーにも通ずる優性思想。噛み付かれたり、幽閉されている障がい者の実態を見てバケモノへと変化していくさとくん。心がない者はヒトではない。やがて彼は洋子の告発によって精神病院へ入所することになるが、わずか2週間で退院・・・そして実行へ。

 障がい者施設の実態は確かに隠蔽工作があったように描かれてはいるけど、どうせなら税金を使った杜撰な管理をもっと描いても良かったのでは?とも感じる。助成金や闇の事実など、所長のモロ師岡ならいくらでも抱えていそうだ。暴力や虐待などももっと深刻に扱ってもらいたかったところだ。

 重すぎるテーマを中心に様々な闇を抱える登場人物。ちょっと詰め込みすぎとも思うが、生きること、生まれてきたことを上手く表現していた。そして「月」。冒頭の幻想的な三日月やアニメーションの月、そして「月に追いかけられている」と感じるさとくん。井上陽水の「東へ西へ」を口ずさむ様子も彼の心の中を見透かしたようで意味深だった。

 盛り込みすぎの要因の一つ。二階堂ふみ演ずる陽子はクリスチャンの家庭に育つが、旧約聖書も詳しく知っている様子から、ヒトラーとユダヤ人の関連もほのめかしていたこと。回転寿司のタマゴにしたって・・・考えるのはよそう。

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kossy

4.0重たさと温かさが残る誠実な映画。

2025年3月26日
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鑑賞方法:映画館

とても難しい題材を、誠実に映画化した石井裕也監督に拍手。
その上、しっかり映画としての面白さがある。
複雑な思いの中で、綱渡りするような話運び。観客をどこに連れて行くのか、と思いながら見続ける。
感動とは別な気持ちかもしれないけど、重たさと温かさが残る映画だった。見応えのある映画だった。

宮沢りえがほぼすっぴんで、皺だらけの顔で熱演。オダギリジョーとの夫婦役がいい味が出ていた。磯村勇斗も良かった。

やっぱり石井裕也監督は天性の上手さがあるというか、物事を外さない力がある。誤魔化さない誠実さも感じる。
「船を編む」がよく出来ていたのは、シナリオが良かったからと思っていたが、あの頃から演出が的確だったんだといまさら思う。

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mac-in

5.0『選別』すれば必要のないものが必ず生まれる

2025年3月23日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

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すけちゃん

3.0終わり方が不満

2025年3月20日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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ガレ

4.0さとくんの心理は丁寧に描かれていたけど

2025年3月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

重度障がい者施設で起きた事件をモチーフに書かれた辺見庸の小説を映画化した問題作。
この映画の重度障がい者施設で働く、主人公の堂島洋子(宮沢りえ)と同僚のさとくんと陽子と施設にいる入居者の違いは、洋子たちにはとりあえず夢があり、そのことを人に語れるという、あるとすると違いはそれだけというように映画の前半で描かれている。

この洋子たちの暗い日常世界が描かれる前半部分が、実は後半の事件の部分より見ていて苦しい。本当は施設で起きる事件の場面で苦痛を感じなければならないのに、平穏なはずの日常風景の殺伐とした闇が濃すぎて感覚がおかしくなる。
施設で働く洋子たちも洋子の夫も肉体的には健康だけど、日本の社会から経済活動に適さない不要な人間のように扱われている、本人たちもそういう意識を持っている。

さとくんはこの中で一番正直な人間で、自分たちと施設の入居者に違いはなく、同じ側の人間だと確信してしまった人間として描かれている。
そうでないと、さとくんの恋人が聾啞者ということの意味がわからなくなる。さとくんは自分の恋人は手話で会話が出来るからという理屈で、恋人を殺さないのではないと思う。

さとくんは施設にいる言葉を話せない重症の入居者が日本の社会から侮辱されている、見せしめに生かされているように感じて、その入居者たちと自分が同じ存在のように感じられて、自分もその地獄から救われたくて入居者たちを殺したというように描かれている(感想は人によって違うと思う)と感じた。

だけど、最大の疑問は話せないから施設の入居者たちには心がないという、さとくんの思想で、さとくんも本当はわかっていると思う。日本にはペラペラと大口を叩く自称優秀な人間が山のようにいるけど、あの人たちに心があるだろうか。
さとくんも前半では話せない入居者たちに心を感じていたから、童話を読んであげていたのでは、そのことを忘れるぐらいさとくんは自分を含めて入居者たちが社会から侮辱されていると感じたということなのだろう。

結果として重度障がい者たちの苦しみより、介護している側の人間の苦しみの方が強く描かれてしまった感じがある、ラストの入居者の母親の絶叫だけが救いに感じられた。

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くまぷう

3.0「かつてあったことはこれからもある」

2025年3月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

 作家の堂島洋子は、最近書けなくなり障害者施設で働くことに。夫は彼女を師匠と呼び、夫婦の息子は幼くして亡くなっていた。施設で働くさとくんは、入所者に優しかったが次第に。
 実際の事件をモチーフにした作品。犯人の思想変化と、主人公の出生前診断に関する悩みを絡ませた物語。犯人の変化については少し強引な感じで、事実と異なるんだろうと思いました。心がないから人間ではない、だから殺す、の短絡思考には理解できるはずがない。優生思想と出生前診断については、どうしても割り切れないと考えてしまう当事者の苦悩が理解できます。
 月は象徴的に出てきます。しかしシンプルで不自然なタイトルは、「つくい」をもじったのだろうか。
 宮沢りえが始終辛い顔をしていて、同情してしまいます。

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sironabe

1.5重いテーマ×重いテーマ

2025年2月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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tochi06

3.5なぜさとくん?

2025年2月26日
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りか

4.0ちょっと難しすぎて

2025年2月26日
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コメントしづらい
とりあえずさとくんの気持ちは分からないけど、1%ぐらいは分かる気もする
だって自分はその現場にいない訳だから
じーさんのあの場面が衝撃すぎた。
でも自分も酩酊状態になるとあんな感じになるから他人事ではない。

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凸子

3.5この事件はニュースでも大々的に報じられたから覚えている。 「障害者...

2025年2月22日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この事件はニュースでも大々的に報じられたから覚えている。
「障害者は社会に不要な存在だから殺してしまえ」というのは極論である。
だがしかし、「あなたはここの入所者を見て気持ち悪いと思ったことは一度もありませんか」という問いに対しては、答えに窮してしまう。
直接手を下すかどうかの差であって、考え方は彼と似ていると気づかされてしまった。
全体的に重苦しい雰囲気の作品だが、オダギリジョーが磯村勇斗を殴りつけた後、やり返されてボコボコにされていたところは笑った。

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省二

4.0嘘だらけの世界の中で、誤った真実に染まる時・・・

2025年2月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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ratien

4.0考えさせられる映画だ

2025年2月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

重たすぎるテーマ。よく作ったと思う。

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あっちゃんのパパ

4.5生きていて良かった

2025年2月3日
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鑑賞方法:映画館

「茜色に焼かれる」は親子の再生物語、「愛にイナズマ」は家族の再生物語、そしてこの「月」は夫婦の再生物語にしたかったのかもしれませんが、全編に描かれている暗くて冷たい重度障がい(障害ではない)者施設での目を覆うほどの蛮行が途轍もない虚しさ、やるせなさを作り、
夫婦の小さな幸せのエピソードをかき消してしまいそうになる。
それでも私は夫婦の回転寿司での馴れ初めや、オダギリジョーが小さな映画祭で賞をとって「生きていて良かった」と言い嬉し涙を流す宮沢りえが好きだ。
磯村勇斗が勝手(共感するなどゼロ)に選別し、死に至らしめた「きーちゃん」だって、宮沢りえが優しく語りかけてくれた時、声には出せないが、きっと「心」の中で「生きていて良かった」と思ったと思う。
「心」がない人などいないと思いたい。

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アベちゃん

2.5心身共に調子が良いときに観ましょう

2025年1月2日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

心をえぐられるような問いかけをされます。
自分が、自分の家族が、障がい者じゃなくて良かったと、思ってるでしょ?と。
なんて答えればいいのだろう。

役者さんが実力派ばかりで力強く訴える何かが、間違いなくあります。
しかしやや現実味のない病院の描写がファンタジーやホラーのようで、いまひとつのめり込めない。
重いテーマなのでのめり込めないくらいで助かったかも。

私がお勧めするのは星3以上ですのでそういうことです。

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ともし

3.5覚悟して観ましたが…

2024年12月4日
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鑑賞方法:VOD

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みゅー

3.0タイトルなし(ネタバレ)

2024年11月18日
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nemui0711

問題の外からみているものをみていた

2024年11月8日
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エピソードが多すぎる。本題を誤魔化しているようにしかみえない。施設の職員や利用者のエピソードがあってほしかった。障害者の方を出演させたからOKじゃない。そもそも職員が近寄ったことがない部屋の利用者さんってなんなの?放置とかないでしよ??初めて行きますって何??ファンタジーなの?

小説を書いている人の話とかはこの映画では本当にどうでもいい。

だいたい主要人物の周りの人が嫌な人すぎない?同じ職場の人とか、あんな人いるの?? リアリティがなさすぎる。映画ってそういうもん?映画によってはアリだけど、この場合はなしだと思います。なんであんな嫌な人なのかの理由づけがほしい。

こんな中途半端につくらないでほしかった。
とても腹が立ちました。

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トロイメライ

5.0自分が被害者になるということを考えて観てほしい映画

2024年10月29日
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鑑賞方法:その他

悲しい

私は学生の時からボランティアで重度障がい者の方の介護をしており、
毎日一緒に過ごしただけでなく、学校から帰ってからも近所の重度障がい者の方のお世話をしたり、
大人になってからも老人ホームや病院の介護の仕事に関わったこともあります。
要介護になると喋れなく手足口と全身硬直の利用者さんで食事排泄諸々全て手伝わなければいけません。
水分は全てとろみをつけておかずは全て細かく刻んで火傷をしないようにフーフーして、ゆっくりあげます。
力が強い方だと何度も殴られたり噛まれたりしましたが、
なりたくて障がいになったのでは無いし、
私はやり返したりしませんでした。
なのでその人達を殴ったりする人がいるというのを見た事が無かったので、そういう人もいるのだとびっくりしました。

障害者という属性を理由にした殺人は、憎悪犯罪です。
そういう属性を持っている人は誰でも対象にするという酷い犯罪であり、
殺人はいけないけど、考え方は分からなくもない」とネット上で平気で言う人々もいたり、障害者団体などが「誰の命も大切だ」と意見を公表すると冷笑する人たちがいたり、植松被告に同調するような人が見られるのは
理由があれば人を殺して良いと考えている人が多いということであり、その事実が一番恐ろしいです。
植松死刑囚は
世の中に役に立たないと思った人を狙った。
つまり、今障害を持つ人だけじゃなくて、
私たちがこれから交通事故に遭って動けなくなったり、
年を取って寝たきりになったりしたら
全員殺害すべきだという主張です。
限られた人を狙ったものじゃなくて、
「誰でも役に立たなくなったら殺害すべきだ」というのが植松死刑囚の考え方なのです。
「考え方は分かる」と言う人は、自分が被害者になるということを考えていないから、言えるのだと思うのです。

神奈川県相模原市の障害者施設に元職員の男が侵入して45人を殺傷した「津久井やまゆり園事件」
を元にした映画

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ここちゃん

4.0重くてズーン 考え込んでしまう映画

2024年10月26日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

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mitty

3.5違う意味で社会風刺映画

2024年10月16日
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知的

難しい

「月」という映画を見ましたが、困って苦しんでいる人達を底辺の敗者という反面教師に仕立て上げ、視聴者達にエゴイズムな競争意識を煽る一部の人達を揶揄するような作風でした。分かって言える事と言えば、酷い事件に関わった加害者達と被害者達が社会の反面教師である結果だった。

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onion