劇場公開日 2023年10月13日

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月のレビュー・感想・評価

全287件中、221~240件目を表示

2.0ハリボテの月

2023年10月18日
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uz

3.5なんとも言えない後をひく映画

2023年10月18日
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これは障害者だけど、あっちこっちの地域で、古くから繰り返されてることでは。

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Oyster Boy

3.0あなたは、あの犯人と何が違いますか?

2023年10月18日
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 望ましい現実と、望まない現実。その端境に何があると思います?。
 先日「アンダーカレント」を観て、家族を大切にしようと思いましたが、その一方で、老いて身の回りのことができなくなった親の手を引いていると、これがいつまで続くのかしらと思う私です。
 少しネタバレしますが、泣きながら人の道を説く洋子師匠と、それを冷静に見つめる、もう1人の洋子師匠…。全くもって泣きたいのは、私のほうです。だって世の中、イヤなもの、見たくないもの沢山ありますけど、一番見たくないのは、自分の本心だよね。映画は二時間半で終わるけど、私の生涯、まだ終わらないのよ。この先、もう1人の自分と対話しながら過ごす羽目になりそう。
 そう思うと、もう一度観るのはキツイ映画です。でもだからこそ、一度、キッチリ観ることをお勧めします。2倍速できない劇場でね。
 どんな理由があろうとも、ヒトは生きる。格好良く死ぬことより、最期まで生ききることが格好いい。だとしたら、他者がそれを阻害する、この世界は…。

 ところで…

 あなたは、あの犯人と何が違いますか?。

 この映画、新聞の解説に、そう記されていました。何が違うのかしら。私の正義感は、私を何処に連れて行くのかしら。

「オーバーフェンス」
 月は、世界をほんのり照らすだけでなく、ヒトの心の闇まで照らすようですが、どん詰まりな世界でも、フェンスの先には何かある。そう思わせてくれるのが、本作。併せご覧下さい。

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機動戦士・チャングム

2.5やまゆり園をモチーフにする必要があった⁈

2023年10月18日
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悲しい

怖い

夫婦、家族の話が主軸にあって、やまゆり園を題材とする必要があったのだろうか、、「事実に基づく」とは銘打っていないのであくまでフィクションとして製作されているのだけど。心を痛める関係者が多すぎると思う。

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U9

3.5誰しもの問題を誰しもが逃げるから先が見えない

2023年10月18日
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石井裕也監督、宮沢りえ主演(ひょっとすると磯村勇斗が主演?)の、実際に起きた障害者殺傷事件をモチーフにした小説の映画化で、原作は未読です。
この事件は「PLAN 75」の冒頭にも似たような事件をモチーフにしていましたが、作品の方向性は全く違っていました。

YOU TUBEの舞台挨拶で宮沢りえが「賛否が出る作品だと思うが観て欲しい」と述べていましたが、見る人は最低限上記の“実際に起きた事件をモチーフとした小説の映画化”だという位の予備知識は頭に入れての鑑賞した方が良いと思われます。
そして、そうではなく全く予備知識なしで見た(若しくは見せられた)人の否定論は無視しても構わないと、個人的には思っています。
それと“賛否”と言うより、この映画の場合は映画そのものよりも現実に起きている事件そのものの“可否”、“良否”、“善悪”を観客に問いかけている作品であり、いくら否定しても現実社会では実際に起きてしまっている事に対する問題提起でもあるので、そちらの言葉の方が適切な様に思えました。
更には、本作はあくまでも小説の映画化で(原作は未読だが)本作の主要登場人物は完全に創作された人物であって、現実とは全く違う架空の人物だという事も忘れず前提として見るべき作品だと思いました。
何故なら、多くの否定派のレビューには現実の事件や加害者を物語と混同している発言が目立ちましたからね。

ここからは個人的な話ですが、私は障害者と暮らした経験はありませんが老母との二人暮らしで、95歳と68歳が一緒に日常生活を送るのには(お互いにでしょうが)意思の疎通だけでもままならず、様々な苦労やストレスが伴います。
日々の暮らしの中で、このままだと気が狂ってしまうのではないかとまで感じてしまう時があります。母親は認知症ではありませんし、他人から見ると歳の割にはしっかりしている様にも見えます。
そういう意味では凄く恵まれている環境なのですが、それでもそのように感じてしまうしストレスも溜まってしまうというのが現実なのです。
なので、もっと酷い障害や症状を持っている人たちに対して家では面倒見れなくなった場合、どんな立派な施設であろうが、赤の他人に面倒を見て貰わなければならないという(逃れられない)現実があります。

この映画ではまるでホラー映画の様に薄暗く不気味な施設として描かれていますが、考えて(想像して)みて下さいよ。
本作の主人公であり加害者さとくんの台詞の「こんなにきつくて辛くて気が狂いそうになる仕事を月十七万円の給料でしているんだよ」って意味を政治家も国民一人一人も、もっと考えた方が良いと思いました。
正直、普段最も考えたくない項目でもあり、出来たら蓋をして見えなくしてしまいたい部分であるのはよく分かりますが、自分で思っている以上に今後の人生に誰しもがのしかかってくる問題でもある訳です。

どれだけ愛情豊かな人間だったとしても、肉親でもない重度な障害を持つ人の世話をしながら過酷すぎる仕事の中にいると人はどうなってしまうのだろう?…本作はそれを「自分には関係ない世界だ」と思っている人にこそ見て欲しくて作られたのだと思えました。どんなに逃げたくても逃げることの出来ない問題ですからね。
逆に日常で少しでもそのような日々を送っている人は逆効果の場合もありますので見ない方が良いかも知れません。
「月」ってタイトルをつけた理由は分かりませんが、球体であるのに表側しか見えないからこそ月は愛されるのでしょうね。世の中もきっとそうなんだと思いますよ。

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シューテツ

4.0完成度は高い

2023年10月17日
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泣ける

悲しい

怖い

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かわ

5.0みんなに見てほしい映画です。

2023年10月17日
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泣ける

悲しい

難しい

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ゴンタ

4.0何とも言えない

2023年10月17日
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悲しい

怖い

難しい

かなり構えて鑑賞したせいか、想像を超えるショックは無いものの、やはり心に沈みこむものがあった。
このような事件があった事や、知ろうとしなければ分からない現実など、一人でも多くの人が考える事ができたらと思う。

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ちーきー

1.0日本社会の潜在的な歪みを写し出す。

2023年10月17日
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悲しい

知的

難しい

そもそも主人公の夫婦の関係性がおかしい。
3歳で病死した息子について、お互い思いの丈をぶつけ合わない夫婦関係。
施設運営と施設従業員の思想と行動。
これらの異常性が日本社会に普通に蔓延しているという昨今。

数年前に観た映画、「帆花」とは全く正反対の映画。

「帆花」は愛に溢れ、「命」の尊さをリアルに教えてくれた。

日本社会はハラスメントで溢れきっていて、単純な解りやすい優生思想や生産性によって人の価値を決めるという事が日常茶飯事…。

相模原やまゆり園事件をモチーフに作られたという事だけど、どこで起こってもおかしくない現状に自分達は生きているのだと思った。
自ら殺人、殺戮しないにしても無言の圧力や誹謗中傷によって人を死へ追いやる事への抵抗感がない。
ジャニーズ問題が典型。

全ての内容に日本社会壊れてますよぉ❗と警鐘を流す内容。

今、ここにある命が大切。

誰もが唯一無二で、天上天下唯我独尊という事を認め合う社会が大切なのに…。

パワハラ、いじめ、監禁、差別、殺人、隠蔽、忖度、エホバの証人がキーワード

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ウィリー

3.5「舟を編む」の石井裕也監督が宮沢りえを主演に迎え、実際に起きた障が...

2023年10月17日
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「舟を編む」の石井裕也監督が宮沢りえを主演に迎え、実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフにした辺見庸の同名小説を映画化。

オダギリジョー、磯村勇斗、☆二階堂ふみが出演。この人たちが物語を引き立てるぅぅ、。

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てかる

4.0自分はどう思うのか

2023年10月17日
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悲しい

難しい

実際の事件は知っている。
落とし所があるのか。
どうしても気になって視聴。

正直、障害者施設の実態やとりまく感情、犯人がここまでの犯行に及ぶまでの過程は理解し難かった。

ではなぜ⭐︎4なのか。
それは、自分が当事者に思えたから。
障害者とわかってる子を産み育てられるか。
差別する気持ちはないか、してはいけないとわかっていても心の底から思っているのか、出来るのか。本当に嫌じゃないのか、幸せか…?本音か?

差別のない世界なんて存在するのか。

出生前診断で障害があるとわかった96%が堕胎を決意するらしい。

それでも事件を批判出来る立場にあるのか…?

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milkis

3.0不用なものが多すぎた

2023年10月17日
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迷ったけど
劇場じゃないと
見ないなと思って
見てきた

重いとわかった上で
見に行ったのに
見終わった後辛すぎた

重いし痛いし切ないし
悲しいし見たくないし
そっぽむいて
向き合わずに
気づかないふりして
生きていたい

でも、それじゃぁ駄目だ

何事においても
当事者と家族だけじゃない
逃げるなよ向き合え
知らないとは言わせない

傍観者ではいさせてくれない
鋭い刃は間違いなく私にも
向けられていた
改めて考えさせられた

でも、
残念ながら人にすすめられない
作品だった。せっかくなら
重いけど是非見てほしいと勧められる作品であって欲しかった。

不用な演出、効果音、CG、暗さを演出しすぎ、もっと淡々としたものでよかった。フィクションなら良かったが、これはフィクションではないから。(ノンフィクションではない)だからこそ、最後の数十分も不用だと感じた。無くても結末は皆知っているのだから。妊娠に3.11も容易に盛り込みすぎた感じが否めない。そして終わり方も尻切れトンボすぎた。

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おなす

4.0重く非常に難しい題材を─

2023年10月16日
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単純

知的

難しい

難しいテーマを突きつけられて、かなり引きつけられます。根底にあるものは、普遍的で、個人的なものとしてもその答えを見いだすことはかなり難しいものだと思います。それ故に尚更、食い入るように観賞しましたが、この吸引力は果たして作品に潜む難しい問題の為なのかそれとも巧みな演出によるものなのか─。
決してエンタメ的に難しい問題を扱っていることに異議があるわけではありません。このような社会問題をドキュメンタリーで扱うより、むしろ劇映画で見せられた方が真実味があったり考える度合いもかなり強まると思うので、この作品も非常に意義深い作品であると確信できました。見るものの興味をなるべく引いて、多くの人に見てほしいという意志も感じます。
原作は未読ですが、事件のことは知っています。たまに本当の出来事に脚色を加えて面白く仕上がっている作品を目にしますが、実際の出来事をあまりにも想起してしまう創作物は、多少、眉唾な思いにかられてしまって、せっかくの重要テーマが台無しに・・・。
あのような職員もいるんだろう、実際にそういったニュースも目にするし─、でもあの園で本当にあったことなのか・・・作品として実際にあったかどうかは重要ではないとは承知の上で観賞しているのですが、相当あの事件を想起してしまうので否が応でも作品と事件をリンクさせて見てしまいます。そうなると、演出とか創造性なども、嘘という嫌な意識がまとわりついて、大事な問題が頭の中に入りづらくなってきてしまいます。
この作品で扱われている、医療行為とかハンディキャップとか、もっと大きな括りとしていえば、生きることそのものへのテーマが、あの事件への想起によって、一気に飛びそうになりました。でも、必死に何かが、誰かが、それをくい止めてくれたように思います。それは、新しい命なのか、宮沢さんなのか石井さんなのかオダギリさんなのか分かりませんが、それ故に非常に意味深くそれでいて見やすい作品だなぁという印象です。

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SH

2.0人を殺したいという「思考」は自由だが、殺人という「行為」は絶対に許されないのではないか?

2023年10月16日
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tomato

4.5パラレルなノイズ(キャンセリング)

2023年10月16日
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悲しい

怖い

知的

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berkeley

4.0ぜひ観てほしい

2023年10月16日
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明確な答えなどあるはずも無い、が
知ってしまったからには
今起きている現実を
素通りする訳にはいかない

ここに触れば共感を得る以上に批判を浴びる事を承知で世に問うたその心意気に感動した
障がいをテーマにした近年の映画とは一線を画し、逃げたりぼかすことなく真正面からぶつかっている様に心が震える

相模原での上映は無かったが、座間イオンシネマが上映してくれた
英断に感謝したい

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JM

4.0★3.5+★0.5

2023年10月16日
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今、こういうテーマで映画を作ることがどれだけ難しいかを考えると、やはり点数も「映画の質+敬意」という感じになってしまう。

今回の★4つはそういう感じ。

多くの方が、あの事件について「否」の立場であるのは間違いない。
でも、そこに「自分」や「家族」を投影すると、心が揺れてしまう。

作中、立ち入りを禁じられた奥の部屋のドアを開けると、糞尿まみれで自分の陰部をまさぐる老人。
私は、瞬間的にあの老人に自分の将来を重ねてしまった。今は障害がなくても、痴呆やケガなどで、数年後こうならない保証なんてどこにもない。
…と思ってたら「ともくん」が同じ事を考えていた。
さすがにドキっとする。

あの事件に向かう経緯を通して、こういう当事者性を観客に求めてくる作りになっている分、非常に観ていて辛い。

ただ、どのくらいこの映画が事実に則しているのか分からないけど、実在するあの事件の「本当の当事者」、つまり被害者やその遺族、現場職員の方はこれを観てどう思うんだろう。

雑然とした事務所、建物のあちこちで蜘蛛が巣を張り、廊下の奥は見えないほど暗く、どこからかうめき声が聞こえる。

映画に登場する職員の中に、この仕事が社会のために必要だ、と誇りを持って働いている人は一人も登場しない。
私は傍観者だから、当然それを求めるのは綺麗事なのかも知れないけど、現実にああいう施設が必要な患者とその家族が存在するという現実の中で、その綺麗事なしで日本中すべての施設が運営されているなら、それは余りにも救いがないし、私は決してそうではないと信じたい。

また「収容された人々はコミュニケーションが取れなかろうがもちろん人間で、人間を殺してはいけない」って事実は、法的にも倫理的にも生物学的にも揺るがないのに、犯人がそれを打ち明けた際に主人公は「私は認めない!」を繰り返すだけで、まるで個人的な見解の相違の様にしてしまっている。

耳の聞こえない彼女も、まるで耳が聞こえていないから止められなかったみたいな描き方。

そう、この映画は全体を通して、犯人が自然と犯行を思い立つことを後押しし、そして誰も彼を思い留まらせることがない設定に、あえてしてしまっている様に感じた。いわば、彼の犯行を「こうなったのは仕方ない」と言おうとしている様に。

おそらく作り手もわざとそうしているんだろうけど、そこはなんだか「意地の悪さ」を感じてしまう。

細かな部分について、その奥の部屋の老人が立ち入り禁止にされている理由もよく分からない(園長が面倒みてるの?)し、冒頭から始まる東関東大震災のエピソードも、本質的にこの話とは違う気がする。
散りばめられたピースが、どれも何となく本筋と噛み合わない。

気になるところはたくさんあるけど、そんなの吹っ飛ぶくらいやはり宮沢りえの熱演が素晴らしい。
記者会見で言葉を詰まらせてたけど、そりゃ、あの演技しようと思ったら、よっぽど役に没入しなきゃいけなかっただろうし、それだけで拍手モノ。

この社会的にも歴史的にも大きな事件を、風化させちゃいけない。

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キレンジャー

4.5不都合な事実は見せたくない、見たくない、という心理

2023年10月16日
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2016年のやまゆり園の大量殺傷事件を下敷きにしています。
事件の関係者にとってはとても辛い内容だし、私も観ていてきつかったです。本作における犯人がもともと正義感の強い人物だった、という描き方には、批判もあるでしょう。
制作者も、万人が手放しで絶賛する作品を作るつもりは無かったと思います。

冒頭、青白い三日月の下、元作家の洋子が歩く線路上には、おびただしいガラクタが散乱し、よく見ると魚も散らばっています。振り返ると大量の瓦礫があり、東日本大震災の事だと分かります。ただ、汚泥は全くなく、魚は腐っていない、つまりこれはイメージで、真実ではありません。これが本作を象徴していたと思います。洋子は同僚の陽子に、「あなたはきれい事だけを書いている」と言われます。鋭く胸を抉られるセリフが幾つかありました。

洋子は作家業に見切りをつけて障碍者施設で働き始めます。大変で、感謝される事も少ない仕事にやりがいを感じられず、洋子の目には担当のきーちゃんの姿はぼんやりした影のように映ります。
熱心なさと君や心無い職員の様子を見、厳しい現状を目にするうちに、きーちゃんが一人の女性に見えて来ましたが、事件は起きてしまいました。

事件は本当に辛く悲しい事で、犯人の主張を正しいと思う人は居ないでしょうが、では何が正しいのかと問いかけてくる作品でした。
とても重たい作品に出演した方の勇気に感服しました。

ただ一つ、私は事件の細かい所までは知りませんが、犯行前にさと君の外見を敢えて実際の犯人に寄せたのは、良くなかったです。

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ゆり。

2.5企画ありきで作った作品

2023年10月16日
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ビビ

3.5きれい事と現実

2023年10月16日
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現実が押し寄せるから、
きれい事を並べて盾にするのが人間。

現実で真っ暗になるから、
きれい事で遠くまで明るく照らすのが人間。

カミサマもココロもクニもきれい事。

現実を根拠に偏った考えを基に、他人の気持ちや尊厳を踏み躙ろうとする人には、
きれい事の塩梅を増やして対応するのもひとつの方法。

実話がベースとはいえ、
もう少し、
映画を、
信じてもいいのにと思ったが、
これが、
この製作側の、
きれい事と現実のギリギリの線引きなんだろう。

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蛇足軒妖瀬布