「なんのことやら、さっぱりわからん。」栗の森のものがたり いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
なんのことやら、さっぱりわからん。
映画の予告編を観て、鑑賞をそそられた。鑑賞前に他のレビューを読んで、これは観る人によって評価が別れる作品だなと感じた。
鑑賞してみると何が言いたいのが私には分からない作品だった。時代背景も現代なのか19世紀なのか分からない。馬車、ランプが出てきて昔の話と思いきや、裸電球、電話、自動車が現れて現代(但し、50年前)の設定だと判明する。追想、夢、白昼夢、幻想、幻覚と入り乱れ脈絡なくて話が分からなくなる。美しいショットもあるが、他のレビューアーが言うほど私には多くはなかった。冒頭と最後の方に同じ映像が流れる。棺桶を収めるべき墓穴に棺ではなく、いが栗を埋めるのだ。この栗は生命(または自然)の象徴であって、人間もその一部でしかないと言っているのではないかと思えた。背景に絶えず自然音が流れているし、洗面器に溜められた水から波の音が聞こえる。
観る人によりいろいろな解釈ができる映画に監督はしたがったかもしれないが、私には何のことやら、さっぱりわからない。。思わせぶりが高い映画で、監督はこの作品を理解できるかとほくそ笑んでいるかもしれない。バロック美術の影響を受けていると書かれたレビューもあった。でも私はあまり感じなかった。
コメントする