栗の森のものがたり

劇場公開日:2023年10月7日

栗の森のものがたり

解説・あらすじ

イタリアとユーゴスラビアの国境に位置する広大な森を舞台に、ケチな棺桶職人と夢見る栗売りの人生を絵画のような映像美でつづった大人の寓話。

1950年代、美しい栗の森に囲まれた国境地帯の小さな村。長引く政情不安から多くの人々が村を離れていく中、老大工マリオは家を飛び出したまま戻らない息子からの連絡を待ち続けていた。一方、栗売りのマルタは、戦争へ行ったまま帰ってこない夫からの手紙と数枚の写真を手がかりに、現在夫が住んでいると思われるオーストラリアへ旅立とうとしている。ある日出会ったマリオとマルタは互いの境遇を語りあい、やがてマリオはマルタにある提案を持ちかけるが……。

フェルメールやレンブラントといったオランダ印象派の画家に影響を受けたというスロベニア出身の新鋭グレゴル・ボジッチ監督が、ロシアの文豪アントン・チェーホフの短編にインスピレーションを受け、人生の機微をメランコリックに描き出す。

2019年製作/82分/スロベニア
原題または英題:Zgodbe iz kostanjevih gozdov
配給:クレプスキュールフィルム
劇場公開日:2023年10月7日

スタッフ・キャスト

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(C)NOSOROGI TRANSMEDIA PRODUCTION RTV SLOVENIJA DFFB 2019

映画レビュー

5.0 栗が川を流れるだけで感動させる力がある映画

2023年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

不穏なおとぎ話であった。ショットの完成度が非常に高い。どのショットもばっちり絵になっていて、それらを観るだけでも感動できる。冒頭の穴を埋めているシーンはややスローモーションをかけているのか、なんだか超現実的な白日夢のような美しい雰囲気。特に好きなのは、たくさんの栗が川を流れていくショット。ただ栗が流れているだけなんだけど、自然の摂理のようなものを強烈に感じさせて大変に印象深い。
舞台はイタリアの国境近くにある村で厳しい寒さに襲われる土地。一人息子がでていき、病に伏した妻を介護しながら生活している老人、夜中に医者の所に連れて行ったらそっけない対応をされるときのわびしい感覚。身を斬るような寒さと人の心の冷たさを融解するのは、自然の美しさと帰らない夫を待つ美しい女性との出会い。栗の森が二人を結び付ける。その出会いが現実なのか、幻想なのかもよくわからない。寓話と現実が入り混じる桃源郷で見る夢のような作品。美しい幻想に浸れる至高の時間だった。

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杉本穂高

4.0 マリオの光と影

2026年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

バロック期の主な画家、ヨハネス・フェルメール(1632年~1675年)、レンブラント・ファン・レイン(1606〜1669年)、ディエゴ・ベラスケス(1599–1660)、カラヴァッジョ(1571年~1610年)など、16世紀から17世紀のバロック美術からインスピレーションを受けて、フィルム(35mmとスーパー 16mmで)撮影された映像を楽しむ作品。

本作の監督・脚本・編集はグレゴル・ボジッチ(1984年~)。
舞台は1950年代、棺桶職人マリオが主人公。
映像だけでなく、いつの間にかストーリーにも引き込まれていく。
光と影、現実と幻想、生と死、この世界に数多く存在している相反する二つのものが、境目が曖昧で繋がっているような、表裏一体であることを感じた。

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Don-chan

3.0 【忘れられた土地で生き、死にゆく人たちの諦観の物語。この諦観溢れる世界観を堪能したい不思議な作品である。】

2026年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■栗の森に囲まれたスロベニアの小さな村。
 ケチな棺桶職人・マリオと、この地を離れることだけを夢見る最後の栗売り女性のマルタ。
 偶然出会った2人は互いの境遇を語り合い思いやる。
 ある日、帰って来ない夫が居る筈の国へ行くために村を出ることを決意したマルタに、マリオはとある提案を持ちかける。

◆感想

・無茶苦茶雰囲気の或る映画である。マリオは死にそうな妻ダラと暮らしながら、戦争から帰って来ない息子ジェルマーノを気にしつつ、手紙を出せずにいる。

・マルタは川に流れて来る栗を拾っているが(本当かい!桃太郎じゃないんだから!)心はここに有らずである。

<不思議な三博士が登場し、妻が死んだマリオに色々と話しかけているうちに、マリオも死んでしまったり、言葉足らずの所もあるが、マア、この作品の諦観溢れる世界観を堪能したい作品である。>

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NOBU

3.0 寂れた地

2025年8月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

🌰が唯一の地場産業で先がない、仕事も無いというシビアな当時の現実とは裏腹に幻想的、アートな風景のお話だった 途中写真について語っていたのは息子のこと?あんたの旦那もおそらく...ってことなんかいな お爺さんやけに黒目がち、亭主関白だったのね、奥さんの心配遅いよ そして医者がいい加減でびっくり、長生きは禁忌だったのかしら まぁでもあんな最期なら寂しくはないかな

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ゆう