イノセンツのレビュー・感想・評価
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子供の遊びが狂気に変わる
退屈な夏休みを過ごしている子供たちが超能力的な不思議な力に目覚めてしまうサイキックスリラー。無邪気な子供たちの遊びが狂気に変わっていく姿を上手く描いている。これは、世界中の子供たちにも共通するものであり、周囲の環境次第で子供の生活が大きく変わってしまうという強いメッセージ性を感じた。
2023-153
見た後しばらく立ち上がれなかった
鑑賞動機:『童夢』にインスパイアされている10割
『童夢』は何度となく読んでいるが、もちろんストーリーは別物だけど、終盤の描写が思っていた以上に『童夢』でちょっとニヤついてしまった。ベランダとか赤ん坊とかブランコとか、そのまんま。そんなに好きなのね、うんうん。
最初はあまりにもやさぐれているので、大丈夫かと思ったが、子供はバカじゃないというスタンスが変わらないのは良かった。その代わり容赦もないけど。猫好きは…大ダメージを負う覚悟で。
無垢と悪意
エスカレートする力と無垢な邪悪。
起きてほしくないことばかりが起こり、見ぬふりをしてきた自分の意識を炙り出され、強い衝撃と重さに縛り付けられる、あまりにも恐ろしい映画だった。
まっすぐな感情のままに行動する子供たちだからこそ危うい。
悪意を孕まないただのサイキック遊びがどんどん意志を持ち始め、強い悪意に変わっていくさまがどうしようもなく辛かった。
ただ愛されたかっただけなのだろうけど。
最初の凶行、ズーンと衝撃を受けつつ、流れるような行動のシークエンスに目を奪われてしまった。
虫や小動物に対する残酷な行動って子供のころのあるあるだと思う。
大なり小なり誰しもが経験することじゃない?
ただしその中でも無意識にボーダーラインは引いているもので、その辺の境界の無さが露呈するシーンはとても印象的だった。
感情も感覚も知能も見えなかった姉の中身が少しずつ見えてくる瞬間、妹がちゃんと嬉しそうに笑ってくれたことにホッとする。
そしてテレパシーの遊びの中でどんどん「人間らしく」なっていく姉に私も嬉しく思っていた。
これってどういう感情なんだろうね?
障害があるだけで最初からずっと人間なのに、意思疎通ができないだけで途端に「人の形をした何か」みたいな認識がうまれてしまうような。
でもやっぱり妹を守るように立ちはだかる姉の姿にはかなり胸が熱くなるし、サイキックなサポートが無いときのフワフワした状態に戻ると少し残念な気持ちになってしまう。
普段は意思疎通が難しいからこそ、ほんの少しでも感情的な部分や本人の意志が見えた時のコントラストでグッと来るんだろうけど。
派手な演出はないけどどのシーンもインパクトが強い。
圧倒的な恐怖や精神的な負担が大きく、観ていて非常に疲れる上質なホラー映画だった。
タブーとされる感覚もストレートに表現して切り込む姿勢を感じる。
透明な空気を感じる北欧映画独特の映像美がとても好き。
子役がすごい
良質なホラー しかし不快指数高スギ
無垢で残酷な子供が超能力を持つと・・・・
ギョッとするシーンが2度ほど、、
親が知らない、子どもたちの世界
『童夢』を読んでる人も、そうでない人も。
幼さゆえの悪意の暴走
これは超怖い。。。
子供の無邪気さと加害性
某作品と似ている、という指摘も頷ける部分はあるものの、無垢と残虐を日常生活の中に埋め込む世界観が強く印象に残る一作
作中のいくつかの場面で、表現にそれなりの規制がかけられている(だからこそ”うまく見せない”手法が洗練されている)ハリウッド映画では見ることのできないような描写が含まれるため、その生々しさ、不気味さが肌に合わない人もいるかも。
しかし全体的に、抑制の効いた演出は効果的で、かつ主人公の少年少女の演技も真に迫るものがあり、サイキックスリラーとして非常に楽しむことができました。
子供達の、超常的な力を得たことを無邪気に喜ぶ表情と、それを他者への攻撃手段として用いる際に見せる残虐さとが、「無垢」さの両面であることを、様々なエピソードを通じて語っています。孤独感と暴力のエスカレーション、その一方で周囲の人々は全く普通に日常生活を営んでいる、という対比的描写がとても鮮烈です。
鉄柱が折れる、水面がさざなみ立つ、といった描写で超能力を表現する手法には、確かに日本のアニメや漫画、特に大友克洋の影響を見出すことができます。一方でエスキル・フォクト監督はそれらの影響を公言しているし、そうした描写の類似性を差し引いても十分独特の世界観を打ち出していて、一つの映画作品として満足できる内容でした。
昔少しだけ読んだ『童夢』を、改めて読み返したくなりました!
サイコスリラー
イノセンツ
とんでも無いぞこの映画…。
最高にドキドキワクワク、静かに先行きを見守り、登場人物たちに感情移入していく。
完全に設定勝ちで、一つ一つの設定(自閉症とか)が全部効いてくる。無駄な登場人物は1人もいないし、無駄なシーンは一つもない。
一つ一つが洗練され、考え抜かれたカット、編集、そして演出。見事と言わざるを得ない。
そして、派手な映像的演出を行わなかったのもとても良い。目に見えない超能力というものがどれだけ異物でおかしなものなのかが、一見なんの変哲もない日常と照らし合わせて描くことで上手く描写されている。
まるでシャイニングを思わせるような、子供の残酷さとその怖さ。じわじわくるサスペンスがたまらなく心地いい…。
「人の弱い部分が見えたか」
これに関してはなんとなくなかった気がするが「愚かさ」という部分では大いにあったと思う。しかし、やっぱり大きなドラマや心動かされる体験があったかと言われるとなんだかなかったように思えるので、お話に関しては少し薄っぺらい印象もあった。彼女たちの心にもっと共感し、傷みを一緒に味わうことができたら最高だったのだろうか…。
「謎があったか?」
やはり物語を引っ張るのはこれ。「謎」の存在がやはりでかい。突如使えるようになった超能力の謎がずっといる。ただ、主人公たちがそれを解明しようとしないので、謎を追う物語ではなくとも、そのに謎が生じるだけで客は考え、翻弄されるのだと気づいた。
絶対に謎を追う構図にしなくてもこの面白さは成立するのだ。
このお話での謎は「超能力」とさらには「子供たちの思考」というところにある。
子供たちは、不必要なセリフを話すことはなく、ただ自然に口から出る言葉を吐き出しているだけのように見えた。
「緊張感があったか」
終始緊張感があった。それは、やはりあの男の子の残虐さを見たからだろう。それがあるだけで、主人公たちと男の子の間で緊張感がずっと生まれることになる。ここもやはり美味かった
「すべての事象が繋がっているか」
繋がっていた。なんの疑問も持たなかったし、すべての設定が効果的で生きていたと思う。
薄幸な子供は超能力を持つ
どうしても童夢を夢見てしまう世代
結果的に「童夢」にインスパイアされたというのが最大の引きとなって、観にきてしまった。最大の宣伝文句「童夢」
確かに、と、思えるものもあるが、若干それが邪魔をした。決してサイキック映画ではなくて、子供に巣食う邪念みたいなものが、特殊な力を手に入れるとどうなるか、という方が中心なので。
冒頭から執拗にそのイノセントな邪念がたくさん描写される。姉の設定とその姉と通じるインド系?の女の子の設定が秀逸。
とはいえ、よかったのは、「童夢」もそんなようだったと思うけど、特殊な能力の発露(しかもよくわからない力)はあるが、そのきっかけにはまったく触れないことか。そして「童夢」にせよ「キャリー」にせよ「スキャナーズ」にせよ、80年代サイキックよ派手さとはまったく無縁の、休日の公演の池を挟んで、周りの大人たちは気づかず子供たちだけが注視する静かなる対決は面白かった。
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