「毒親の子は毒」イノセンツ プレミアム会員さんの映画レビュー(感想・評価)
毒親の子は毒
「子どもの可能性は無限大」
「若いから何でもできる」
大人を超える能力があっても、使い方次第で可能性はむしろマイナスになってしまう。
プラスに使えるのは、家庭で大切に扱われている人。ここでいうアナ。
一方マイナス方向に使ってしまうのがベン。あの生育環境なら無理もない。
家庭や社会で人は自分の都合で動かすことを否応なく学ばされている。
どちらもある意味純粋に、きちんと親の教育の成果が出ている。
高い能力を活かして可能性に変えられる子どもは、そこそこ恵まれた環境で育ってこそなのだ。
それは衣食住が賄えてるだけではなく、自分の意思が尊重されたり、感情を適切に受け止めてもらえたりするような経験ができるかどうかも大きい。
自分が誰にも尊重されていると思えなかったら、人のことなんて尊重できない。
そういう子の親も、他者から厚く歓迎されていない立場にいる。
移民、ワーキングプア、離婚、それによる孤立、職業的地位…。色々な要因が勢揃いする。
社会に精神的居場所のない親は、子どもにも精神的居場所をつくれない。
子どももいつか大人になる。
そういう子が集まる社会では、誰の居場所もつくられない社会ができあがる。
みんな自分の目先の都合を満たすことに奔走する。
映画の団地は日本にもありそうな光景だったが、大人の行動も共通している。
子どもは「社会を映す鏡」として、その鏡を見せたかった映画なのかもしれない。
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