名探偵ポアロ ベネチアの亡霊のレビュー・感想・評価
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ミステリーは最後まで気が抜けない
ケネス・ブラナー版ポアロ前2作をこれまでに鑑賞し大変満足していました.本作品については期待値大で観ましたが,全体の感想としてはほぼ々満足です.
ストリーは無理なく展開され,ゴンドラでしかアクセスできない複雑な塔のような石造りのビルが舞台で,鉄格子で密室ができたり,謎の地下室まで設定されており,古い建物への憧憬と畏怖を感じました.
ミステリでは当たり前かもしれませんが,ただ単に犯人を見つけその動機を詳細に示すだけではなく,ポワロは時々事件の真相を警察には知らせないで終わらせてしまうことがある.今回も多分そのような結末だと考えられますが,助手の2人の願いが叶う話を最後に見せられたのには気分が良くなりました.
ポワロで良く出てくる毒物を使用したトリックも,ホラー要素に絡められて納得できました.
鋭い洞察力と実行力を持ち父親を冷静に支える少年(ジュード・ヒル)をはじめ魅力的な俳優陣で良かった.ただ,霊媒師役のミシェル・ヨーさんについては,映画の宣伝でもレビューでも評価がすごく高いようですが,私個人的にはそのようには感じませんでした.エブエブのトラウマなのか,彼女が登場してきた時にはびっくりし,また霊媒師としてのビジュアルにどうも違和感を感じました.椅子がぐるぐる回って,そっくりの声でアップで叫ぶ演技はすごいとも思いますが,個人的には例の映画のトラウマがあって・・・.早めに退場されたので,私個人的にはよかったです.ファンの方,ごめんなさい.
この質、この内容で、なんで・・・
映像も音響も相当質が高いし、内容に関してもかなり凝ったものだと、見た瞬間から感じるんですけど、なんでそんなに・・・と印象でした。ある意味謎解きだし、しっかりと落ちもあるわけだから、それがかえって自分にはダメなのかもしれません。神秘で謎だらけのほうが個人的は・・・ポアロが登場してそれをそのままというわけにはいきませんからねぇ、でも、なぜか自分には、この一連のポアロ映画に関しては、謎解きのカタルシスみたいなものは、残念ながらそれほど感じません。だから毎回、なんでこんなに素晴らしい作品に仕上がっているのに・・・と思ってしまいます。
規模縮小? でも......
早いものでケネス・ブラナーのポアロシリーズも3作目。
これまでの元ネタは『オリエント急行殺人事件』、『ナイルに死す』とアガサ・クリスティの作品のなかでもベスト5に入りそうな人気作でしたが、今回は『ハロウィーン・パーティ』ということで、どちらかといえばマイナーな作品だったのでちょっと意外。読んだことありません。
そして今回、気になったのがケネス・ブラナー以外の役者陣。
第1作『オリエント急行殺人事件』ではジュディ・デンチやジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ウィレム・デフォー、ペネロペ・クルスと超豪華な俳優陣が集結。
第2作『ナイル殺人事件』ではアネット・べニングとガル・ギャドットと、1作目ほどの豪華さは無くなったものの、それでも有名俳優の出演がありました。
そして本作では……、正直、ミシェル・ヨーくらいしか知らなかったので、作品を追うごとに役者の層が薄くなっているような気がするのは自分だけでしょうか。
とはいえ、映画の面白さでは前作『ナイル殺人事件』を上回ったと思います。というか、前作があまり楽しいと思えるような作品ではなかったのですが、いずれにせよ、本作はこれまでになくややスピリチュアルな内容で、スリラー感が増したのも良かったです。ただ、途中から何となく犯人の目星がついてしまいそうなところは残念ではありました。原作もそんな感じなのでしょうか?
いずれにせよ、このシリーズ、この3本で終わらせてしまうのは勿体ないなと思います。決して「メチャクチャ面白い!」なんてシリーズではないですが、次はどの原作を持ってくるのか、そしてどんな役者の参加があるのか、そんな楽しみもあるシリーズだけに、次作もまた制作されることを期待しています。
死を見つめる探偵の業の深さに切り込んだ佳作
美しくミステリアスなベネチアが舞台。
冒頭に建物にまつわる怪談を披露。荒れ果てた館、暗闇に浮かび上がるのは蝋燭の灯だけ。亡霊が現れるにふさわしい。
密室の殺人。
建物に閉じ込められたポアロ達。
この中に犯人がいるのか、、、それともやはり亡霊の仕業なのか。
次々と予想を裏切る展開は、ミステリファンとして嬉しいかぎり。
そして推理だけではなく、
隠遁中のポアロを、表舞台に引きずり出した天才小説家。天才達の自負や翳り、死を見つめ続ける業の深さに切り込んだのも見応えがあった。
力技?大歓迎。
ホラー映画が好きだ。しかし苦手だ。
好きだけど、怖いのは嫌だ。
物陰からワッと飛び出すと、心臓がギューッとなる。
それからミステリー映画も好きだ。
小学生の頃、図書室に通って夢中になって乱歩を読みあさった。明智探偵と小林少年の活躍に胸を躍らせ、各種孤島で繰り広げられる阿鼻叫喚にワクワクするピュアな子供だった。
だが、40年の歳月は、そんな純粋だった少年を、犯人や結論を邪推して、へん、どうせアレがこうなってああなるんでしょハイハイ、みたいな嫌な大人へと変えてしまった。
さあ、そこで前述のホラー要素だ。
この作品は、スプラッタ要素こそほぼない物の、ゴシック調の舞台装置に、びっくり箱的おどかしホラー要素が詰まった構成になっている。
つまり、物語が進行するとともに、いつ来るかわからない恐怖に身構える必要があり、そのため思考回路も著しく劣化、嫌な邪推をする暇なんてあるわけがないのだ。その時の私は、まさしくあの頃の純粋なドキドキ(というかバクバク)を胸に、作品を真正面から受け止め凝視していた。怖かったから薄目で。
こうなって来ると、時たま現れる力技な展開も、むしろありがたくなる。SNSなどで有り難がれる緻密な伏線や整合性を提示された所で、とてもじゃないが色々追いつかない。それを思えば、今シリーズのそれはなんとも絶妙ではないか。
40台半ばの少年の目に映るクライマックスのポアロさんは、カッコよくて痛快だったし、エンドロールに向かう際のBGMはこの上ない癒しとなって、張り詰めた心臓を解きほぐしてくれたのだった。
ポアロのご帰還
水の都ベネチアを舞台に、上品な小品的映画でした。
開店休業のポアロでしたが、旧知の作家にいわく付き旧家で行われる降霊会に誘われ、トリックを見破るため参加することから事件が始まります。
劇中色々ヒントが散りばめられていて、恒例の全員の尋問シーンもあるので、犯人探しは十分楽しめます。
安定のケネス・ブラナーのエルキュールポアロでした。
夜のシーンが多く暗い色調の映画でしたが、ベネチアの赤屋根の景色が展開するシーンは綺麗で圧巻です。
古典的だけど、
派手なアクションもCGもないけど、サスペンス+ミステリー?ちっくなストーリーで見せる。
アガサクリスティって、あまりにも有名でネタバレしてるはずだけど、映像で見ても充分楽しめる。
3部作のラストって話しもあるけど、「ケネス・ブレナーポアロ」まだまだ見たいなぁ。
なんとなく雰囲気で見続けている
原作も知らないので、展開はふむふむ、へー、と普通に楽しめた。驚かすホラー要素も入ってたけどとにかくポアロが心霊なぞ一切信じない!というポジションなので安心してみられる。まあでもオリエント急行の方が楽しめたな。。
ベネチアのシーンはMI6と同じ橋かしら。。?風景美しかったです。
途中まではオカルト映画かと思い違えるほどの凝りよう。クリスティー好...
途中まではオカルト映画かと思い違えるほどの凝りよう。クリスティー好きの自分の子供もこの映画を観たがっていたけど、もし連れてきていたら確実に途中で映画館を出ていただろう。
しかし、最終的には全ての伏線を拾って事件は解決。クリスティーのこの作品は読んだことがなかったし、予想もつかなかった
秀作でした
シリーズ3作目にして
今までと変わりホラーチック全開の展開。
懐かしき友人の再会とベネツィアでの古い屋敷での降霊術の会。
そこで起きる出来事はなぜと思えなくもないが、最後にはなるほどと思わせる。
また次の作品を期待。
十分なプログラムピクチャー
大作でも話題作でもないけれど、丁寧に作られています。
映画を特別なイベントというより大事な日常としている方には悪くないのでは。
謎解きとしても伏線はいろいろ用意されていて、あぁそう言えば と思いだすことのできるシーンもたくさんあります。そんなに無理筋でもないし。納得感はあります。
監督主演のケネス・ブラウナーがポワロ好きなんだろうなっていうこともわかって好感。それなりの警句もあったりして使えそうなものも。
ポワロは超常現象を信じるか。
原作は「ハロウィンパーティー」です。ハロウィンパーティーで殺人事件が発生するというところは同じですが、良い意味でかなりのアレンジしています。
ハロウィンパーティーの後に霊媒師を招いて降霊会を開催します。この屋敷で亡くなった娘アリシアの霊を呼び寄せてなぜ死んだのかを解明しようとします。ホラー映画のような展開となりますが、ポワロが見事に見破ります。やはり超常現象は論理的に説明できるものとなります。しかし、そこから始まる殺人事件、霊媒師の謎の死、密室での殺人事件となります。そして、そこにチラチラ登場する少女の霊。ポワロは超常現象、霊の存在を認めるのかというのがこの作品の肝となっています。オリエント急行、ナイル殺人事件と比較すれば派手さはありませんが、ハロウィンの夜、天候は暴風雨、わけありの屋敷という重圧感は圧倒されます。そしてポアロの名推理は見事に納得のいくものとなっています。ラストの脅迫者は誰かまでもしっかりと解明してくれます。
戦後のベネチアには
建物の被害はなかったのかな。第二次世界大戦のすぐあとの設定だよね。空爆あったはずですが。
室内の場面は暗い、視力の弱い私には少し厳しかった。
いつものポアロと感じが違うな、って感じたのは引退したあとだからか。
ただ「オリエント急行」の設定のような人がいるのは、シリーズらしさか?
ポアロも亡霊を見たのか?
ベネチアが舞台ってことは、お洒落な街並みとサスペンスがうまく絡んで、美しい映像が…なんて期待したのだが、あら、ジメジメとした暗い街という印象にしか映らなかったのが残念。亡霊、が題材なので仕方ないのか。相変わらず人とは違う視点で細かい事に気が付くポワロの謎解きはさすがだが、今回はキャストの迫力がちょっと不足していたかなあ。ケネス・ブラナーならやっぱり期待が大きくなるので、もう少しダイナミックな展開が欲しかったかな。
ジュード・ヒルの演技力にビックリ!!
今回の作品は、原作の『Halloween party』からは、ずいぶん改変されている。ファンから文句が出そうなほどの改変ですが、ロジックとして破綻していないので、ポワロ作品としては、小ぢんまりとしていますが、とりあえずオッケーかと。
エンタメ性より芸術性に比重をかけた様で、カメラワークもミステリーと言うより、ホラーに寄ったものでした。
少し物足りない感もありますが、ヴェネチアの風景を堪能でき、ホラー感も強く、ハロウィンにはピッタリの作品です。
ポワロは勿論ですが、今後もジュード・ヒルに注目していきたい。
よくできたミステリーで文句なしの面白さ
ケネス・ブラナーのポアロ・シリーズ3作目だが、ほとんどオリジナルストーリーの今作が、一番出来が良い。ゴシック・ホラー仕立てで次々事件が起こり、目が離せない。ホラーも含め、すべての出来事・台詞が伏線で、いくつものどんでん返し、ラストの謎解き、文句なしの面白さ。
ポアロを主人公にした、ホラー仕立てのオリジナルストーリー?
このシリーズのポアロは威圧的で好きでは無いんですが、舞台がヴェネツィアだし、ストーリーを知らないので楽しめるかなと思い、鑑賞しました。
今までとは雰囲気が違うので、オリジナルだろうと感じました。
ストーリーは、ホラーだと思えば気になりませんが、降霊会の前にハロウィンパーティーをする理由が分からないし、りんごの意味も解りませんでした。
トリックは、殺人だけでなく脅かす仕掛けも、実現するのは難しそうで、成程とはなりにくいです。
ゴンドラやインテリアなど雰囲気は効果的なので、謎解きと構えずに観るのがお勧めです。
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