クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男のレビュー・感想・評価
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タランティーノ本人より作品のファン向け
ドキュメンタリーにありがちな、本人の半生を綴るようなものではなく、あくまでタランティーノの作品をベースに、関わる演者やスタッフが当時感じた事やエピソードを語るという内容。
各作品のこぼれ話がふんだんに盛り込まれていて、ファンなら楽しめるしもう一度作品を観たくなる。
インタビューベースで退屈かと思ったら素敵な演出が随所にあるし、何より関係者の語り口自体がタランティーノ作品に通じるお洒落さ。
シークレットでロバートロドリゲスが出てくれるかと期待していたのでそこだけが残念。
全体的に文句なしです。
あと、劇場で配布されたステッカーが素晴らしい。あれだけで1000円ぐらいの価値はある。
まだ観ていない人はすぐ行きましょう。
タラちゃん、愛されてるね
「目から鱗」
◯◯には、QTが入ります。
QT礼賛ドキュメンタリー
映画通以外でも監督で映画を観たり、タイトルを見て監督名がわかるほんの一握りの選ばれた監督で才能と運に恵まれた、まさに「映画に愛された男」。
レザボアのブラックスーツやパルプのトラボルタ起用の経緯など知ることができ、デビュー以来のファンとしては面白く観る事ができた。
インタビューでは映画オタクから世界的な人気監督になる経緯をかつてのルームメイト(タランティーノの友達っぽいw)が面白おかしく語ったり、良い脚本、良いディレクターと仕事をしたいという役者の本能のようなものなどが伝わり興味深い。
タランティーノ映画に出演する事がその後の役者人生に大きく影響するわけだし、多大な恩恵を受けた役者やスタッフも沢山いるわけなので、手放しで褒め称える内容になっており若干面白味に欠ける部分がなくはないが、それだけの功績を残している監督、脚本家という事でそこはやむを得ないのかなとは思う。
ワインスタインとの蜜月から離別を最小限に抑えているのも良いと思った。
あくまでもタランティーノを語るに当たり、決して小さくはないが、一部のエピソードに過ぎないので。
個人的にはインタビューを受けて欲しかった役者達がもっといるが、本作でコメントしているのはかなり好意的で、自ら進んで話をしているように見えた。
特にジェイミー・フォックスのインタビューが最高に面白く、スパイク・リーのモノマネは傑作だった。
黒人俳優に黒人監督より支持されているというのも常に彼がニュートラルであるという証明なんだと思う。
あと1作というのは本当にもったいない。
本人登場せずとも本人は存在する
映画界の寵児となったクエンティン・タランティーノ(以下タラ)に迫るドキュメンタリーだが、本人へのインタビューはなし(アーカイブ映像のみ)。その代わりと言ってはなんだが、彼の作品に関わったキャストやスタッフがタラのエピソードを語る。
お喋りすぎるほどお喋りなタラが撮影時にクルーに禁止している事や、脚本執筆の際は必ずペンを使用する理由、リテイクを撮る際に声掛けするワードなど、どれもこれも“らしさ”爆発。本人が姿を現さずとも、本人は存在している。
存在といえば、タラとは切っても切れないハーヴェイ・ワインスタインの存在にも触れる。強い女性の作品を撮ってきたタラをバックアップしてきた人物が、裏で女性を力で掌握してきた事実。それを見て見ぬふりをしていたタラは最終監督作として女性映画批評家を題材にすると云われている。これが彼の贖罪となるのか否か?いろんな意味で期待。
気になったのは、タラ作品に出演した事でキャリア低迷を脱したジョン・トラヴォルタやパム・グリアらのインタビューがなかった点。ロバート・フォスターのタラへの謝意が沁みるだけに、最初からオファーしなかったのかオファーしても断られたのかは不明だが、彼らの話も聞きたかったところ。
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